サヨナラ、サヨナラ、サヨナラー65 | 日刊 鼠小僧

サヨナラ、サヨナラ、サヨナラー65

 「今日は、ちゃんと出ましたか?」これは講演や、取材で家を離れたときに、淀川さんが必ずお母さんに電話をし、合い言葉のようにきかれた言葉。「出ましたか」とは、ウンチのこと。あたり前のようだが、これは、人間が生きる事でだいじなこと。この一言で、温かな愛が感じられる。


 この「ちゃんと出ましたか」の話を伺ったときは、すでにお母さんは亡くなっていらっしゃったが、懐かしそうに、「お風呂も、いつも一緒にはいっていたのよ」と。淀川さんは、よく講演でも、興がのると、「皆さん、一緒にお風呂、はいりましょ」と舞台の上から観客席に声を賭ける。それだけ、親しみを感じ、ハダカのつきあいができるほど心が通じ合ったというサインと、いまになって思う。


 ただ、お風呂好き、ハダカのつきあいが大好きというのではなく、淀川さんなりのサービス精神。実際に、一緒に仕事をした気の合う仲間たちとの温泉旅行などご一緒させていただいたが、隣の男湯では、会話がとぎれなく続いていた。


 私は一カ所で長くつかっているとのぼせるので、11カ所全部ためしている間、淀川さんは、湯船のそばで寝そべって掛け湯を楽しんで、映画の話で大盛り上がり。お酒を飲まない淀川さんにとって、お酒で本心を語ったり、仲良くなるのとお風呂は全く同じ感覚だったのだろう。そう、昔は銭湯は社交の場。そんな、大正、昭和の良き風習を若い映画宣伝マンにハダを持って伝えていたワケだ。こんなおおらかな生き方、見習ってみてはいかがかな。


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