新しい部屋から会社へ向かう
電車の窓に映る自分を見て
”うわぁ… ボロボロだな…”
泣いてばかりいるし食欲もない
そこにはまるで
幽霊のような自分がいた
そんな自分の姿をぼんやり見つめながら
”当然だよな…”
と心の中でつぶやく
頭の中は空っぽ
会社に入る前に
”仕事はきちんとやらないと”
と気合を入れる
幸いなことに
新製品が好調なことから
私の部署は多忙を極めていたので
余分なことを考える暇もない
仕事をしていれば何も考えずに済んだ
だけど
会社を出ると元通り
電車を降りて駅前で買い物
食欲が無いし
自炊をする気にもならないから
お惣菜を少々と
以前はほとんど買ったことない缶チューハイ
酔うためというより
眠れないので色々試して
これに落ち着いた
買い物袋に入れながら
”ひどい食生活だな…”
と自虐する
部屋に戻っても
イヤホンで音楽を聴きながら
何もせずボーっとしている
そして
自分の過ちが浮かんできては
”ホントにバカな女だ私…”
と自分を責め続ける
やがて日付が変わる頃に
そろそろ寝なきゃと
わずかなお惣菜を口にし
缶チューハイを飲む
引っ越してきてからわずか1週間
なのに私には
とてつもなく長い時間に感じた
１人が苦痛でたまらない
時間は全然進まない
”孤独だな…”
布団に入っても
浮かぶのは夫のことばかり
それは
幸せだったあの日々
過去の幸せな日々を思い出しては
それを壊したのは私
全部私の自業自得なんだ…
でも…
会いたいよ…
やがて泣き疲れて眠りに落ちる
いつの間にか
芽生えかけた自立心は消え失せ
また私は
去っていった夫に依存していた
会いたいよ…
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遅過ぎた後悔 本気で好きだった 身体を許す時 歪んだ猜疑心
