正月気分も冷めやらぬ1月上旬の日曜日(そもそもこっちは正月気分なんてものはないが、そこはおいておいて、と爆笑)。

 

早朝、夫がまた例の症状で苦しんでいるのに気が付く。今日は結構強い腹痛らしい。しばらく様子を見るも痛みが徐々に増して本当につらそうだったので病院へ行こうかと尋ねると、何度目かの提案でようやく病院へ行くことに首を縦に振った。

 

今でも忘れないあの光景、強烈な腹痛と嘔吐で顔面蒼白、おまけに脂汗まで出る始末。よく言葉では「脂汗が出た」とか聞くけど、実際にその場に居合わせるのは初めてだった。あまりの七転八倒に正直このまま死んでいくのではと思ったくらいあせる。そして、歩くこともままならない状態にもかかわらず、「救急車を呼ぶのは止めてくれ」と懇願され仕方なく自腹を切ってタクシーで病院へ行くことにした。もちろんタクシー代は大黒柱の私が払う羽目になったのは言うまでもない・・・(なんでやねんハッ)。こういう時こそ、日頃払っている税金の見返りを受けてもいいものだと思うのは決して間違いではないと思うのだが・・・、まぁ、夫にしてみれば近所の目もあるからって思ったんだろうけど。

 

さて、救急外来に到着後は看護師によるトリアージ。普通はここからの待ち時間が長いのだが、さすがに尋常じゃないと思われたのかすぐに医師の診察を受ける事ができた。まずは問診と尿検査。もうこの頃には痛みが更に酷くなり嘔吐の回数も頻繁で、トイレに行くのもままならない状態に。その後、再度医師の診察を経て更なる検査のために救急外来内のベッドに移されることになった。

 

ベッドに移されてからすぐにモルヒネの投与開始。「いきなりモルヒネってよっぽどやなぁ、えらい大事(おおごと)になってきた」と冷静に考えつつも心配そうな顔で夫に寄り添う。痛みには波があるようで、収まったり激痛が襲ってきたりの繰り返し。モルヒネ効いてないんちゃう?って思うくらい。夫の病歴などからして、「腸閉塞の可能性もあり」と医師が言っていたが、ひとまず痛みに耐えながら検査の準備が整うのを待つことに。

 

1時間以上待っただろうか、ようやく検査が行われることになった。検査の間、私はただひたすら空腹に耐え待ち続けるしかなかった・・・。実は、朝からご飯どころではなくてなーんにも食べてなかった・・・。痛みも辛いが空腹も辛いガーン 「こんな時日本やったら近くにうどん屋とかコンビニがあるのにー」と思ったが、ここはイギリス。しかも日曜の夕方、そんな洒落たものはなく、ただひたすらに強制断食を続けることに。

 

「腹減ったなぁ、夫は大丈夫かなぁ」と思いにふけっているうちに夫が帰ってきた。医師の診断は”Pancreatitis”、「はて、はて?そんな単語聞いたことないで!」。私の「??」サインを知ってか知らずか今後の治療方針の説明は続いていく、しかも早口で笑い泣き。恐らく、「検査の結果と夫の状態によっては手術が必要になる可能性があるからもうしばらく様子を見る」と言っていた、はず。その後、更にモルヒネは投与され続け、最終的に「保存的治療(手術は不要)で行けそう!」という朗報を聞くことができた。

 

その後、夫は病棟へ移され入院、私は疲れ果てていたので帰宅の途についた。

 

これでひとまず長い長い一日が終わった。そして、これから続く長い長い地獄が始まった。