2011年の冬にイギリスへ帰国、以降定職につけず悶々とする日々を送る夫。

 

イギリスへの帰国直前は、自信満々に「僕は大学も出てるし、イギリスに帰ってもすぐ仕事が見つかると思うよ」と、私の忠告(今のイギリスは、「不景気でイギリス人であっても就職難、しかもイギリスで職歴のほぼないアート専攻の人間に仕事は殆どないと思うよ」と言う内容)に全く耳を貸さなかった。夫が日本に住んでいた間、逆に私はイギリスにいて実情を彼よりも解っていてのアドバイスだったにもかかわらず・・・。とにかく私は自分の身を守るために、夫より半年遅れての移住を予定し、共倒れを防いだのだった。

 

プライドが高く、もともと真面目な性格の夫。意気揚々と帰国をしたのに、予想と相反する現状をどうしても受け入れることができなかったんだろう。

 

今ではすっかり別人のようになり、気力もなく、職探しもしたりしなかったり、意味不明なネガティブコメントを発し、小嘘を連発していた。

 

気持ちはきっと、↓のように灰色の低い雲と冷たい雪に覆われていたんだろう。

 

 

同様に、ほとほと疲れ果てていた私は、「うつ状態」に陥っている夫に医師を受診するように進言するも、その気力さえないのかプライドが邪魔するのかあっさりスルーされてしまった。もちろん、受診はしないがお酒を飲むことは忘れない夫だった・・・。「うつ状態」というのは私の自己判断だったが受診していたら診断名はついたと思う。

 

この頃の私はまだ、「アルコール依存症」という文字が頭に浮かぶことはなかったように思う。