父は晩年おっそろしくたくさんの趣味をもっていた。
俳句だけで8つのグループに属していた。いつも八方美人になっているのを隠していたので、葬式の時それぞれから供花が送られて来たので、きっと棺桶の中でわめいていたろうと思う。
ゴルフもやっていた。飛行機に乗って遠くまで行った。一度ホールインワンをしてお金がかかった。
カラオケもやっていたが、母は、カラオケの音楽が嫌いで、お仲間の人々についても「あの人らガラ悪い」と嫌っていた。
手品は最高だった。
父は手品が下手なのである。でもうちに来るお客には必ず披露する。下手な手品というのは種が見え隠れするので、家族の私たちはハラハラするので心臓に悪い。お客はおかしいのを我慢するので苦しい。