クモ 【蜘蛛】 | unmirage / 夜の風景写真

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※(こめ)びつからこんなん出ました~4





命がけの恋をしたことはありますか?

 

 


 

 

 

 

 


虫に興味がなくても今回は読んでもいいかな、
という始まりですが、おすすめはしません。


なんせ蜘蛛ですぜ。。。

 

 

 

 

 

 

 

 


写真は、女郎(じょろう)蜘蛛だと思います。
遊女をさす「女郎」なんて言葉も死語となりつつありますね。

「絡新婦(じょろうぐも)の理」という京極夏彦さんの小説がありますが、
絡新婦は日本の各地に伝わる妖怪で、美しい女性に化けて人間をたぶらかすらしい。

どうやら蜘蛛は女性のイメージに合うようです。


それはさておき、
朝、部屋に現れた蜘蛛を殺してはいけない。
逆に、夜蜘蛛は不吉の象徴や親の仇だから叩きつぶせとも言われます。

迷信ですが、多くの蜘蛛は夜行性なので迷惑な話です。

しかし、古く遡れば日本書紀では
 「夜 蜘蛛が騒いでいるので 待ち人が来る」
というような縁起の良い取り上げられ方もしています。

わたしは害虫を食べてくれる益虫(※1)だ、と聞いていたので
家の中で見つけた蜘蛛は昼夜問わず 窓の外に放してやっていました。
G(ゴキ)を捕まえてくれよ、という思いで。。。


オニグモを部屋の中で数日間放し飼いにしたことがあります。

オニグモは日本に広く分布する体長4cmほどの
灰色をしたコガネグモの仲間です。

トンネル内の蛍光灯前にりっぱな円形の巣を張っているのを見つけて
わざわざ捕まえてきたのです。

学生の頃の話で、実習の映画撮影に使うためですが、
ビニール袋の中に入れておくと弱りそうで、放し飼いにすることにしました。

下はその映画の蜘蛛が登場するシーンです。




なぜ火のついた煙草に糸を巻きつけるのか、いまだ不明ですが
リアルな蜘蛛の習性です。

冒頭のアップを撮影するためだけに捕まえたオニグモは、
放し飼いといってもどこかに行ってしまうと困るので
丸い蛍光灯の傘の中にとまらせました。

夜、明かりを点けておくと巣を張る(※2)のではないかと考えたのです。

寝るときにマメ球の明かりだけを残して観察することにしました。

布団に入り静かにしていると、数分で彼女は行動を起こし始めました。
僅かな明かりにもかかわらず、縦糸(※3)から張りだし、
蛍光灯の傘やひもを拠点に ややいびつな形のものを完成させました。

せっかく巣を作っても部屋のなかにエサになるような虫はいません。
ハラ減っただろうな、
と思いながら蜘蛛の巣の下で眠りに落ちていくのでした。

翌日、バイト帰りにアパートの近くの草むらで小さなバッタを捕まえました。

部屋に帰ると、バッタを蜘蛛の巣にかかるように放り投げます。
彼女は素早くバッタに飛びつき、後ろ足でお尻にある糸疣(※4)から
糸を紡ぎだし 前足でバッタを回転させて巻き付けていきます。
その見事な動きに感心したモノです。


これほどヒトの文明と密接に関係ある虫は他にいるでしょうか。
人工の電灯の前に巣をつくる虫。
ヒトが明かりを発明する前は、月の前に巣をつくっていたのでしょうか?

 

 

 

 


 

巣をつくる多くの蜘蛛のオスは、メスよりも体が小さく、
迂闊にメスに近づくとエサと認識されて食べられてしまいます。

ある種のオスは、メスから最も離れた巣の先端の糸を揺らし、
そのリズムによって愛を伝えるそうです。

その揺らし方のリズムは厳密に決まっています。
ひとつ間違うとエサが巣にかかったと思われメスの餌食となってしまいます。

プレッシャーに弱いわたしが蜘蛛だったなら、、、
リズムを絶対に間違ってはいけないと思えば思うほど
上手く揺らせなくなり、メスに食べられてしまうに違いありません。

命がけの求愛

個人的には生死を賭けてまで求愛したくありませんが
ヒトを除く生き物ではそれほど不思議なことではありません。

生命の本質と言っても過言ではないはずです。


はなしを軽めに戻して

メス蜘蛛の性格や趣味、年齢に合わせて糸を揺らすリズムを変えないといけない。
もし そんなことになると 面倒くさいことになってきます。

熟女蜘蛛には演歌やブルース調のリズム、
風貌や趣味に合わせてレゲエだったりヒップホップだったり・・・

パラパラがお気に入りの ちゃらい系のメスならば
オスはせわしなく そのリズムで糸を揺らさなければなりません。
リズムがマッチすれば、メスは巣の中心でパラパラを踊りだします。

八本の足を使ったパラパラなので 慌ただしいこと この上ない。

メスは一曲踊り終えると、オスに近づき
「あなたとわたしは、赤い糸で結ばれた関係」
と、言うとか 言わないとか。


※1:【益虫】
人間の生活に直接・間接に利益をもたらす昆虫。
一般に、害虫防除に役立つ寄生蜂やトンボ・カマキリ、花粉を媒介するミツバチなどをいう。
蜘蛛は不快害虫ともいわれる。
蜘蛛から見れば、人間ほど不快な生き物はいないだろう。

※2:【巣を張る】
「蜘蛛の巣」という表現を一般的に使うが、実際は「巣」ではなく「網」の場合が多い。
巣とは生活の場をさすが、エサを捕らえる用途のみに使用されている円形の放射状のものは「網」にあたる。
漁師が使う網にくるまって寝ている人がいてもそれは巣で寝ているのではなく、
あくまでも網にくるまって寝ている人である。

※3:【縦糸】
文字通り 縦の糸。
蜘蛛はなぜ自分の巣にひっかからないのか?
「横糸だけに粘り気があって、蜘蛛は粘りがない縦糸を歩いているから」
と教えられたことがありました。
実際は、糸そのものに粘り気があるのではなく「粘球」というネバネバした液体を
等間隔で糸にくっつけていて、蜘蛛は巧みにこの粘球を避けながら歩いているので
ひっかからないのです。
横断歩道の白い部分だけを踏むようにして渡った頃がありました。あれです。

※4:【糸疣(いといぼ)】
出糸突起ともいう。
ほとんどの蜘蛛は糸を出すイボのようなものが腹の下部についている。
人が指で糸疣をつまんで、糸を紡ぎだすこともできます。(子どもの頃にそうやって遊びました)
蚕(カイコ)の幼虫は口から糸を出していたはずだが、
口の中が糸だらけでは食べ物が美味しくないでしょうに。



次回「ムカデ」です。