36「マイナスの感情を手放すとプラスの未来がやってくる」 山富浩司   三笠書房(知的生き方文庫)

37「嫌われる勇気(自己啓発の源流~アドラーの教え)」 岸見一郎・古賀史健  ダイヤモンド社

 

「36」はカラフルなカバーからして,作者が女性かと思いきや,実は男性である。

作者はマイナス感情を切り替えるタッピング方法を開発,特許まで取得しているみたいなので,「作者はどんな活躍をしているのだろう?」と思ってネットで調べると,実は作者名後に続く検索予測ワードの言葉はあまり良いものではないことに驚く。それを知って以降,この本への興味が消えてしまったんだけど,また次の引き寄せ本を買ってしまったことから再度,読み始めた。

 

 この本の良いところは,重要箇所には赤文字で記載するといった2色刷りになっていること。俺は引き寄せ本を読んでるとき,「ここは重要ポイントだな」と思う部分には蛍光ペンを塗ったり,そのページに付箋紙を貼っている。そうすることによって,気持ちが落ちぶれたときや,引き寄せの心を取り戻したいとき,すぐざま目に付くようにしているんだけど,この本はそういった読み手の心理を掴んでいるなと思って感心する。

 

 

 ただ,読み終えた感想としては,俺みたいに数々の引き寄せ本を読んでいる人は,最後の「マイナス感情を切り替える方法」以外は,他の引き寄せ本と似たようなことを書いているからいらないかなと。所々に「作者が経験した引き寄せの落とし穴」部分があるので,当たり前の話だけど本当は全部読むのが良いんだけどね。ある程度の引き寄せ本を読んでいるなら最後だけ読めばいいかもしれない。

 

 それと検索予測ワードの件であるが,確かにこの本に載っているタッピング方法は,前回紹介したボブ・ドイルさんが書いた本で観たことがあり,それと類似していることから,そう言われてしまうのも仕方のないことかもしれないけれど,こちらの方がわかりやすいので,俺も「引き寄せの落とし穴」に気をつけてみようと思っていると同時に,マイナス感情を切り替える方法を試してみたいと思っている。

 

 

 

「37」について, 近年は「いい人を止めなさい」という言葉をよく耳にすることが多くなった。それは,「他人の顔色を伺ってしまい,つい自分のことを後回しにする人がいるが,それでは自分が疲れるだけ」という話。別の言い方をすると「猫かぶりは疲れるだけ」という話で,そんなときこの本が目にとまった。

 カバー折面によると,アドラーとは,フロイドやユングといった自己啓発分野の原点を築いた方らしく,のちに「人を動かす」の著書であるD・カーネギーにも多大な影響を与えた人とされている。内容はアドラー心理を学んだ賢人と,それを真っ向から否定する青年との対話形式になっている。

 

 

 読み終えた感想として,読解力の乏しい俺にとって,この本の売り文句である「劇薬」にはならなかった。何度か読まないと難しい部分があるし,正直言って,劇薬な本とまでは思わない。他人のために生きてはいけないと言われても,そう簡単には出来ないのが世の中だし,「お願いされて断ったことで,その人との縁が切れたとしても,それはその人の関係がそれまでしかなかったということ」と簡単に言われても,近年はそれを「恨み」として仕返しする人もいる。

 まぁ,この本は,本自体の紙質が好きなのよね,読まないのに結構触ってるし(笑)。