Team剛 欧州活動報告 | Team剛・海外ヒストリックラリー参戦プロジェクト2015 by東京大学

Team剛・海外ヒストリックラリー参戦プロジェクト2015 by東京大学

東京大学の授業で行われている、"海外ヒストリックラリー参戦プロジェクト2015" の発信ページになります。
今年度 5期のチーム名は 「Team剛」 世界の中で堂々と渡り合える人財になるべく切磋琢磨します。どうぞよろしくお願い致します。

こんにちは、Team剛渉外部門長の宮地です。今回の記事では欧州で出場したラリー3戦について報告させて頂きます。

東京大学海外ヒストリックラリー参戦プロジェクト2015Team剛はオランダ・Weert(ウェールト)で開催されたHorneland Rallyから始まり、スペイン・Girona(ジローナ)で開催されたRally Costa Brava、フランス・Paris(パリ)で開催されたRallye de Parisの3戦に出場し、欧州での行程を全て終えました。
無事3戦、2台共全て完走致しました。facebookにも写真が多数ございますので是非ご覧ください。

ベルギー・Antwerpen(アントウェルペン)で車両を港で引き取る際に問題が生じました。バッテリが上がりエンジンが始動できない状態であっただけでなく、LEDランプ類や工具類が盗難にあうという事態が発生しました。後発隊の学生が手荷物で盗まれたものの一部を持参し、走行不可能という最悪の事態は免れましたが現地での作業量が倍増し、毎晩遅くまで作業をすることになりました。

Team剛初戦、Horneland Rallyのドライバー、コドライバーは以下の布陣で臨みました。
1972年式トヨタTE27レビン ドライバー:松波氏  コドライバー:草加特任教授
1977年式三菱A73ランサー ドライバー:大西氏  コドライバー:市野氏
レビンは主なトラブルはありませんでしたが、ランサーは燃料のオクタン価が低かったことからエンジンが不調になり、スタート直前に燃料の入れ替えを行いました。ランサーはラリー中にホイールナットの緩みやタンク内の錆が燃料フィルターにつまりエンジンが停止するというトラブルが発生しました。
Horneland Rallyは総走行距離1060.5kmに及ぶもので、10万分の1のミシュランマップに記載されたパッセージコントロールに書かれた文字や数字を記録し、タイムコントロールで通過時間を計測されるものでした。初日夜のセクションにてランサーが農道に入り込みスタックしてしまうという事態が発生しました。大西氏、市野氏は歩いてタイムコントロールまで行きオフィシャルと一緒に車を押し出しました。
Horneland Rallyの結果はレビンが37位、ランサーが48位というものでした。Horneland Rallyでのポイントはいかにパスコンを見逃さないか、ということでした。
大会終了後のパーティでは学生含め全員参加させて頂きました。普段聞き慣れないオランダ語での表彰が続く中、日本から来た学生チームとして拍手喝采されるなど、温かいもてなしを受けました。また、現地メディアにも取材され、Octane、Auto Motor Klassiekという雑誌には写真付きで特集して頂きました。

Team剛第2戦、Rally Costa Bravaでは以下の布陣で臨みました。
1972年式トヨタTE27レビン ドライバー:吉野非常勤講師  コドライバー:草加特任教授
1977年式三菱A73ランサー ドライバー:篠塚氏  コドライバー:高木氏
ラリー前にコースの下見をすることが認められていたのでスタート前日に下見に行きましたが、ここでランサーは燃料フィルタが詰まってしまうというトラブルに見舞われてしまいました。そこで燃料フィルタを新しい物に交換する上、タンク内の洗浄作業に取り組みました。また、オルタネータのベアリングにがたつきが生じたので、スペアのオルタネータに取り替えました。この大会では、プロドライバーの篠塚氏は現地メディアからインタビューの嵐で、とても注目されていました。また、レグザタブレットを用いてチーム剛メンバーの山田が開発したラリーコンピュータも注目の的でした。Corning Gorilla Glass2を使用しており画面が衝撃に強く、搭載CPUがNVDIAのTEGRA4であり性能の良いタブレットがラリーコンピュータに最適のものでした。さらに、2年前の本プロジェクトで交流会を行ったAvila大学の学生が東京大学に影響を受け同様のラリープロジェクトを始めたという話を耳にしました。ものづくりと国際化の融合を目標とする我々Team剛にとって、非常に嬉しい話でした。
ランサーはスタート直前にオルタネータが発熱し、動かなくなる緊急事態が発生しました。急遽サポートカーを呼び出しオルタネータの交換、またファンベルトをゆるめに取り付けることによって対処しました。
結果は、ランサーが10位、レビンが15位でした。本ラリーでは2日目途中から雪が降り始めました。3月のスペインで降雪があることは予想しておらず、履いているタイヤも舗装路用タイヤDirezza ZII 185/60-14でした。他の車も皆舗装路用タイヤを履いており、いかにコースアウトしないかが本ラリーのカギとなりました。
本大会でも東京大学の学生チームが参加したことを紹介して頂き、学生メンバー全員が表彰台に上り拍手喝采を頂きました。また杉山非常勤講師の指導により着付けを学び、吉野非常勤講師、草加特任教授両名は和服で式に参加し、欧州の方から大人気でした。

Team剛第3戦、Rallye de Parisは以下の布陣で臨みました。
1972年式トヨタTE27レビン ドライバー:木村氏  コドライバー:木村氏
1977年式三菱A73ランサー ドライバー:川崎氏  コドライバー:川崎氏
本大会では車両が大きなトラブルに見舞われることもなく、順調なスタートをすることができました。本大会は今までの2つの大会と異なり、ラリーコースにサーキット走行が含まれており、そこでのタイムを計測されるというものでした。サーキットではミスコースをすることがないので、ラリーコンピュータの計測精度を上げることがカギとなり、ラリーコンピュータ制作者であり、チーム剛メンバーの山田と川崎氏、木村氏はサーキット走行直前までラリーコンピュータの動作について確認していました。サーキットは1周3.8kmでありそれほど長いものでもありませんでしたが、それ故わずかな誤差が命取りになるシビアなものでした。
結果はレビン、ランサー共にクラス2位でした。昨年度のプロジェクトがクラス2位と5位だったことを考えると、非常に良い結果を残すことができたと思います。また、Rallye de Parisは2年連続の東大チーム出場ということで表彰式では学生全員表彰台に上らせて頂き、シャンパンまで頂きました。本大会でも学生メンバーは和服で表彰式に臨み、非常に人気でした。また、今年度のプロジェクトではモンゴルからの留学生であるトムが在籍しているため、一人モンゴルの民族衣装で出席しました。我々Team剛メンバー含め全ての人から大人気で、写真撮影を望む声が後を絶ちませんでした。大会終了後はサーキットのフリー走行をさせて頂き、学生達も心行くまで運転を楽しみました。

本プロジェクトは多くの方のサポートを受け、無事に3戦出場することができました。欧州では以下の方にサポートをして頂きました。
永井氏、林氏、藤坂氏、山下氏、Brissart氏。
またTeam剛に支援してくださった企業の方々、日本で応援サポートをしてくださった方々、非常に多くの方の協力のもと成立できたプロジェクトでした。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

以上をもちまして、簡潔なTeam剛の活動報告とさせて頂きます。6月には東京大学にて報告会を開催いたします。是非お越し下さい。

東京大学海外ヒストリックラリー参戦プロジェクト2015Team剛
渉外部門長 宮地