東京にもどってからというもの、熱いだけでなく、もう時間軸が速まってしまって、ゆっくりTVドラマを視聴することがなくなってしまいましたね。
でも、毎日必ず一つは、場合によっては連続して刑事ものTVドラマが放映されていること、発見です。
気がついたのは、もうひとつ、あります(@ ̄Д ̄@;)。
理不尽さを訴える内容が多いのです。
犯人探しは裏の通奏低音にすぎません。客観証拠も添え物です。あくまで。
その理不尽さ、犯人の陥る不条理な動機、それは、3つの類型があるようですね。
① 再審 です
。 有罪になったけれど実際はそうでない無実の場合です。これは分かりやすい理不尽さです。感情移入もしやすいのです。
② 時効 です
。 これは逆に本当は有罪になるべきところ、時効の壁でどうにもならない不条理さ、被害者の哀しみがテーマです。訴える手段がとざされていることへの感情的閉塞感や無力感が涙を誘います。
③ 一時不再理 です
。これは、いったん有罪にされたら、後から真実が判明してより重い罪にあたることがわかっても、もう一度有罪にしてより重い刑罰にすることができない、というルールです。そのため、重い罪をまぬかれるのに、どうすることもできない無力感がテーマです。その意味で、②とオーバーラップする感じです、が、法理論的には違う場面です。
どれも、刑罰制度のもつルールとしての手続き的限界です。ルールを守ると真実に反する結果をみとめてしまうというトレードオフの関係です
。
ルールを決めたのは、法律、刑法つまり国民みずからです。でもこの手続き重視は、ちょっと感情的に許されない部分がでてくることを率直にみとめざるをえない事実があるんですよ、というのが刑事ものTVドラマのテーマになっているんですね。

そこで、このルール自体を破壊して、真実追究と究極の刑罰を与える、というのが、超法規的な応報を実行する「必殺仕事人」系のストーリーです。これも①~③の手続的限界のもつトレードオフを一気に解決するものです。
手続き重視の典型が、違法収集証拠の排除原則です。今でも、これが日本で適用されているんでしょうかね。刑事が取り調べ室で怒って怒鳴って自白強要したり、殴ったりしているシーンがよくでてくるので、それが普通と思っている向きもあるかも。
以上、この夏休み中の重大発見事項でした。
