痴漢に遭った① | 沖田峯子 人生をクリエイトする。

沖田峯子 人生をクリエイトする。

日々思うこと、創作のこと、大好きな映画鑑賞などなど好きなことだけを自由に書き綴っています。

おとといの話。

仕事からの帰り、たった2駅で降りるはずの電車で痴漢に遭った。

混み合う時間帯だったけれど、人と人の間に触れあわないでいられるくらいの隙間はあった。

私はドア側の隅に立ち、窓側を向いて手すりに捕まっていた。すぐ脇で女性が私と同じ手すりを持ち、私の後ろ側に向けて他の女性と話をしていたので、背中にあたる人の気配はその女性だと思い込んでいた。

1駅を越えたあたりで、後ろからの圧が激しくなった。

集中的に押されていると感じたのはお尻。


おかしいと気付いて泳がせてみると、お尻の中心にめがけて生暖かいモノが電車の揺れとは少しずれて動いていた。


痴漢!


確信して振り返ると、私の背中にぴったりとくっついていた男の顔がすぐ横にあった。ぎょっと思って、何が当たっていたのか咄嗟に見下ろすと、薄い短パン生地からはみだしそうにもっこりと膨らんでいた男の下半身が目に入った。

きっしょ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

まぢざけんなァァアァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



「お前、痴漢だろ」


私、思っていた以上に冷静だった。

これまでは怖くて、どうしていいか分からなくて、悔しくて悔しくて、結局は何もできなくて泣き寝入りするだけだった。

でも、私は変わった。

年を取ったからだけじゃない。

フラワーデモに出て、沢山の書籍を読んで、これまでの心の傷と向き合って、沢山の被害者の話を聞いて、私はもう黙らないと決めていた。




男は観念したように俯いた。


「次の駅で降りろや」


とドスを効かせていうと、男は何度も頷いた。



つづく