2001年
全13話
原作:平野耕太
総監督:飯田馬之介
監督:浦田保則
シリーズ構成:小中千昭
キャラクターデザイン:村田俊治
音楽:石井妥師
制作:ゴンゾ/ディジメーション


$サバンナで生き残るための100の秘訣


OP。






原作は大好きなんですよねー。んで現在途中まで制作されているOVA版がなかなか高クォリティで面白いと友人に聞いたので、そのままOVAを観ればいいものを、「OVAになる前に一度TVアニメがあったよな。それを観ずにOVAに行くのもなんだか気持ちが悪いからとりあえず観てみよう」と借りてきたのがこのゴンゾ制作のTV版ヘルシングなのですが。


なんだこれ。

なんなのよこれ。

えーと……、まず褒めるところから挙げていいですか?
・OPが割りとかっこいい。
・中田譲治、榊原良子、野沢那智、大塚周夫、石塚運昇、清川元夢、若本規夫、田中秀幸などメイン格から端役まで声優陣がベテラン揃いで超豪華。
・次回予告に遊び心があってなかなか面白い。

……それぐらいっすかねぇ。いやマジに。

本編のストーリーは原作とは似ても似つかないものです。ウィキペディアなんかを読めば原作との相違点が書かれていますけど、それはいいや。
連載中の作品をアニメにした際にえてして直面する問題ですからね。
後半になるとオリジナルキャラを出したりストーリーも違うものになっていくはままあることです。それはいいでしょう。
別に「ここが原作と違う! キャラの性格や設定も違う!」とごちゃごちゃ言うつもりはないです。
原作を未読の視聴者のことを考えれば、中途半端に原作準拠でやって尻切れトンボで終わるほうがずっと印象悪いでしょうから、オリジナルストーリーでやってくれて大いに結構。
原作は原作、アニメはアニメで楽しむことぐらいはできるつもりです。


問題なのは。
そのオリストが。
めちゃくちゃつまらないこと。

後半になると、もうどこに行きたいのか皆目わからないストーリーが延々続くんですよ。
そしてまったく盛り上がらない。急に出てきたラスボスの目的とか、そいつらの秘めた謎とか、ほんとどうでもいいって気分。
右の耳から左の耳にセリフが抜けていくようで、頭に入らないことこの上ない。
そしてラストはほとんど謎が解明されないまま投げっぱなしときたもんだ。
オリストやるならやるでせめて広げた風呂敷くらいきちんと畳んでみせなさいよ。


作画にしたって、いくらTVシリーズだからってもうちょっとリキ入れろよなーと言いたくなるほどの低レベル。
演出も、たまに光るところはあるもののそれも結局原作のシーン丸写しだったりして、基本的には緊迫感のかけらもない間の抜けたもの。鼻で笑ってしまう。
このふたつが逆相乗効果になって見るも無残な映像になっておるのです。

音楽もなー。
たぶん音楽自体はそんなに悪くないのかもしれない。けれど、サウンドトラックとしては致命的なまでにダサい。つまり映像とサントラがミスマッチなんです。
バトルシーンになったら馬鹿の一つ覚えみたいにロックな曲をギャンギャン鳴らして耳障りったらありゃしない。


と、ことほど左様に、このTV版はハッキリ言ってわざわざカネ払ってまで、貴重な時間を費やしてまで観る価値なんぞないです。
OVAでも基本的にキャストは同じ声優が続投しているようなので、細かい違いを探したいような声優好きな方でもなければスルーしてかまわないでしょうね。
さすがにOVAが、このTV版より酷い出来では絶対にないと断言はできます。観てないですけど断言できます。

原作者が「もらったDVDをまんだらけに売った」とか、原作最終巻「作者の10大ニュース」的なあとがきで「コーヒーが飲めるようになった」より下の扱いとか、放映中に「野沢那智の無駄遣い」などと発言したとか、そんなのもわかる気がする。
というか痛いほどわかるわ。だって超が付くくらいつまらないのだもの。平野耕太が怒るのも当然です。あまりに酷い。酷すぎる。
『ヘルシング』の名を冠しているだけの取るに足らない駄作です。


救いなのは、最後まで原作準拠で作り直してくれているOVAがあることですね。
ヒラコーも自身初のアニメ化作品がこーんな出来で、『ヘルシング』という渾身の作品がこんな形でアニメに残ることは浮かばれなかったでしょうから、その点は恵まれているなぁと。


OVAはまだ完結してないので終わってから観るつもりでしたが、口直しに観ないとなんだか気持ち悪い気分であるなぁ。
OVA版に期待します。