F氏のお気楽?プラモ講座 表面仕上げと塗装(2)
さて、前回語りきれなかったB法(超簡単フィニッシュ)とC法(F式手抜き塗装)との比較から入ります。では、
このパーツをこのように仕上げ方を分けてみました。誇張も何もなく感想を言いますと、Bの方はたしかにつや消しになってますが、なんとも言えない透明感があります。
Cはいかにも表面だけ色を塗ったという雰囲気で仕上がってます。
なぜ、こういう違いが生じるかということを、光の反射の観点から考えてみましょう。
単純に塗装した場合、光は塗装面のみで反射されるんで、隠蔽力を気にして塗装さえすればキットの成型色がどうであれ表面的な色合いが浮き出てきます。つまり、素体がプラスチックであれ金属であれ質感は変わらないっていうことです。
それに対し、TOPコートのみ噴霧した場合は、無色の素材のため色合いはキットの成型色で左右されます。つまり、表面で反射する光と、プラ面を透過して反射する光の両方があるわけです。
また、中1の理科で学んだように、光が異なる物質を透過する際は、屈折という現象も起こり、ますます目に映る光は複雑になります。
その結果、不思議な透明感を醸し出すっていうわけですね。
これをさけるには、TOPコートをきわめて薄く噴霧するのがいいのですが・・・・
実は、TOPコートの中で扱いが一番面倒なのはつや消しなんですね。
ちょっとでも吹き過ぎると、厚ぼったくなるのがネックなんです。もちろん、缶スプレー塗料とて、若干そういう面はあります。
要するに、スプレーものはガス圧がエアブラシよりも格段に高いので、小さな部分に噴霧する際はかけ過ぎという危険が付いてくるのです。
そこで、経済効果も兼ねて僕はランナーごとに塗料を噴霧するわけです。この場合は、一部のパーツにかけ過ぎるということをかなり緩和できます。全体にまんべんなくふくんで、問題なしです。
ならば、TOPコートの半光沢ならどうかっていいますと、それはOK。ただし、つや消しほど傷を隠す効果は望めないのがネックです。
さて、話題は切り替わって、ベタ塗り塗装後のおはなしです。
エアブラシをもたない私がスミ入れやシャドー、ウエザをする場合は、リアルタッチマーカーのお世話になります。
マニュアル的には、スミ入れにはエナメル塗料(パクトラタミヤ)を使うのが良いとのことですが、この塗料はプラスチックに対する溶解力が強すぎるので、塗装やTOPコート後でも失敗するとキットの破損を招きます。
ですから、素組のスミ入れに使うのはタブーです。
では、私の使っているものをご紹介します。
スミ入れからシャドーまで、こいつらを使うわけなんですが、基本油性ペンは使いません。塗装後のノリが最悪な上に、はみ出した部分を消すのが困難だからです。
スミ入れは、リタッチか筆ペンでやります。ここで面倒なのは、ハミ出しの処理ですね。そこで関わるのは、表面の状態なんです。
クレオスのHPでは、リアルタッチマーカーはつや消しのコーティング後に使用することを推奨してますが、それはかなりのリスクがあります。では、次の写真っす。
最初に使った写真は、左が半光沢、右がつや消しでした。ここにリアルタッチマーカーのグレー3を塗って、10秒後に綿棒で擦ってみました。
つや消しは、定着しやすい反面、落としにくいというネックが生じます。つまり、ボカシの修正やスミ入れのはみ出し処理は非常にやりにくいのです。
つまり、Bの超簡単法では、シャドーでのリアルタッチマーカーの使用は厳しいので、エアブラシを使うケースが多くなるわけです。エアブラシなどの器具を使えない環境だから、超簡単法をやっている方も多いのにそれは大きな矛盾です。
ならば、半光沢塗料で塗装するのはいかがですか?
僕が主に半光沢で仕上げる理由は、実機感です。クレオスのスプレー塗料は実に半光沢が多いのですが、そのほとんどが航空機色や船舶色です。
つまり、実機の塗装光沢は半光沢がメインであると解釈しているわけです。それをベースにウエザやシャドーをしても説得力があると思います。
しかも、リアルタッチマーカーが一番扱いやすいのも半光沢。塗装して、半光沢にするのもひとつでしょう。
最後につなぎ目消しの話。
最近のガンプラにおけるつなぎ目消しは、接着剤を使うのが一般的な方法です。でも、接着剤の種類によってその効果には結構違いがあります。
正直、オススメはタミヤセメントの方です。接着面で、プラを溶かしながら接着する効果が大きいためです。Mr.セメントの場合は、その効果は弱いです。
硬化した接着剤とプラキットは硬度がかなり違います。つまり、表面に接着剤成分が残りがちなMr.セメントでは、ヤスリがけはしにくいは、平面化しても隙間あとがくっきりなんという弊害が出てしまいます。
ただし、利点はあります。それはタミヤセメントよりは硬化時間が短いこと。つまり、サクサク作業するには適しているっていうことですね。およそ、12時間も待てばヤスリがけはできるようになります。タミヤセメントなら、2~3日は放置するのが無難です。
成型色にこだわらない塗装派の僕は、主にMr.セメントを使ってます。まあ、ようするに、はみ出した接着剤をデザインナイフなどで削って、ヤスリがけすればいいっていうだけの話です。接着剤の透明な硬化面があっても、塗装すれば、関係ないですから・・・。
で、この写真はもちろんMr.セメントでつなぎ目消しをやってます。青丸の部分はうすく筋が残っていたのですが、塗装したらノープロブレム!
無塗装でタミヤセメントを使っても、こういうケースはありますから、塗装したほうが無難かもしれないですね?
どうでしょう?僕の手抜き塗装法って、見方によっては簡単フィニッシュよりも簡単かもしれないですよ?
もし、ご興味あるのでしたら、試されてはいかがでしょうか?
TOPコートなどの使用を許されてるのでしたら、スプレー缶塗料も使える環境かと思いますよ・・・。
最後に、塗装の最高の楽しみ(って、僕は思ってる)であるカラーバリエーション。おもいっきり自分色でキットを塗ってしまうこと。楽しいっすよ・・・。







