スカパーで録画鑑賞。

 

ビデオ『 白衣の告白 新人看護師日記』

1997年女池充監督作品。吉岡まり子主演、本多菊雄、寺十吾出演。

小林政広脚本。

ちなみに別タイトルが『白衣いんらん日記 濡れたまま二度、三度』。

 

 

新人看護師のあけみ(吉岡)は、脚に障害のある一人暮らしの女性

隣室から男女の行為の音が聞こえて来る。

音の主の男性は、あけみと肉体関係のある医師の久保(本多)であった。

一方で、あけみはアパートの近所で環境音を録音している、

映画の音響担当の郁夫(寺十)と出会う。

その後、郁夫は事故に遭いあけみの勤務する病院に入院して来る。

そんなある日、久保が不倫相手の女性を殺したとあけみに告白しに来るのだが…

まあ、ストーリーはどうでもいいか(笑)。

 

日本映画専門チャンネルで鑑賞しているピンク映画群の中でも、

やや古めの作品だが、

あの故・小林政広監督が脚本を担当し、

比較的作家性の高いピンク映画監督集団「ピンク七福神」の一人、

女池充が監督した作品と言うことで賞味を持って鑑賞。

これがまた、いい味を出している

最近、主に日本映画専門チャンネルで録画して好んで鑑賞している今時のピンク映画とは、

趣がかなり違う

まずは画質の質感。

あの当時は、フィルム撮影だったんだろう。

作家性の強い映画監督の作品らしい雰囲気に満ち溢れている。

 

演出も、トリッキーな要素を含む。

映画撮影の関係者も登場するだけあって、

撮影現場とのフィクショナルな展開を絡ませる。

 

久しぶりに鑑賞した、

いかにもピンク「映画」らしい映画

しかも、実験的作風も感じさせて。

最近のピンク映画がダメと言うことではない

フィルムからビデオ撮影への転換。

女優の主戦場がAVである点。

その代表的監督の城定秀夫をはじめとして、

作品の多くがあえて作家性を排除している点。

内容もエキセントリックな要素を排して、

日常の切なさをメインとしている点。

 

それは良し悪しではなく、

時代の変遷でもあろう。

 

主役の吉岡まり子が、また良かった。

ちょっと調べたら、あまりデータも無かったのだが、

今のようにAV女優ではなかったようだ。

しかも、活躍した時期も本作の前後のほぼ1年。

もったいない。

 

また、本作を鑑賞した理由の一つに、

出演男優に寺十吾の名前があったからである。

あの山田勇男監督の『シュトルム・ウント・ドランクッ』の実質的主役を演じた俳優である。

これは興味をそそられた。

あの当時のピンク映画のレベルが高いとは、決して言わないのだが、

あの当時のピンク映画の良さが伝わってきた、

実に興味深い作品だった。