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ビデオ『馬の骨』
2018年桐生コウジ監督・主演作品。小島藤子主演、ベンガル出演。
かつての名物番組「イカ天」に、バンド「馬の骨」で出演した経歴を持つ男・熊田(桐生)が、
今では工事作業員をしているのだが「音楽関係者」と見栄を張って生活をしている。
シェアハウスで知り合ったシンガーソングライター志望の地下アイドル・ユカからは音楽の先生と勘違いされ…
そんな熊田であったが、
昔のバンド仲間に声をかけて、久しぶりのライブを敢行する。
監督・主演の桐生コウジは、実際にイカ天に出演した「馬の骨」のヴォーカリスト。
当時のイカ天の映像も挿入されて、
実話とオーバーラップしている構成となっている。
元バンドマンの中年男の悲哀。
売れない地下アイドルの悲哀。
それらが絶妙に絡み合い、
結構笑える音楽コメディとなった。
しかし、この主人公はロクでもない。
奇抜なパフォーマンスでイカ天で少しは受けたのだが、
音楽的才能があったわけでもない。
今では工事現場や路上での交通整理の仕事をしている。
そんな仕事も立派な職業だが、
熊田の態度が酷すぎる。
自分を注意した同僚の男をスコップで殴ったり、
交通整理の現場を放置して酒を飲んだり。
熊田のダメ男っぷりをユーモラスに描いたのだろうが、
ほとんど犯罪の世界。
いやあ、こう言うのって許せない!
フランス映画の『最強のふたり』も、許せなかった。
主演の桐生コウジの人生とオーバーラップしているのならまだしも、
桐生コウジ自身は結構早い段階から俳優として活躍している。
しかも、慶應大学出身だって…
余計ムカつく(笑)。
そういった大きな欠陥のある作品であるが、
元々バンド物というかロックものの映画は好き。
しかも、アイドルものである。
そして、ライブハウスでの演奏シーンが見ていて嬉しくなる。
ユカの所属するアイドルグループ「ツキノワ☆ベアーズ」のメンバーには、
本物のアイドル「夢みるアドレセンス」や「i☆Ris」のメンバーが出演。
その辺は手を抜いていない。
基本的に好きなタイプの作品ながら、
主人公の犯罪的行動が許せなくて、
実に残念な作品だった。