高校生のとき、西江雅之先生の『花のある遠景』という本を読んで、文化人類学を学びたいと思いました。

西江先生がいらっしゃるからと志望した大学に合格し、先生の講義を聴くこともできました。しかし、北海道からふらっと出てきた18歳の私はきちんと5月病になり、受験勉強を終えたあとの目標を失って、サークルの部室に入りびたりの1年。結果、取得できた単位は17単位。2年次からの専攻科目決定は1年次の成績順であったため希望かなわず…自業自得。

トライアリストを受講して「日本語」について考え始めたときから、西江先生の授業がよみがえり、一段落したら読むぞ!と決めておりました。

今回読んでみた『「ことば」の課外授業』は、先生の講義や試験問題を思い出させる、奥深い内容でした。

英語もきちんとできていないのに、英語だけ勉強するのがいやで始めたフランス語ですが、この選択が間違っていなかったと再度確認できたと思っています。(フランス語でなくても良かったとは思いますが・・・)

ドキッとしたのは、「その人自身が日常的に、たとえば五千単語以下しか使っていないとしたら、外国語を学習しても、それぐらいの数までしかいかない。外国語だけ急に一万語ということはありえないことなんです。」(『「ことば」の課外授業』本文より抜粋)という件。英語もフランス語も語彙が増えないのは日本語の語彙がないってことなのかな…しょぼん

ことばを商売にするということは、「使える単語」と「知っているつもりの単語」の範囲が広く、同時に二つの単語グループの重なり部分が大きくなければならないのだと思いました。えっ

翻訳を志すものとして心に残ったのは、「翻訳とは『演奏』である」ということば。読む人の心に自然に染み込んでいくような訳文を書けるようになりたいです。カメ


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