前回、トリプルアクセルの浅田選手の得点推移 について
採点ルール変更内容と照らし合わせて考察しました。
さて、今回はキムヨナ選手の得意なルッツジャンプ(単独ジャンプ)について、
過去8年間の得点推移、及び、採点ルール変更の歴史を考察します。
このジャンプはエッジ系のジャンプのため、エッジエラーを取られるか
取られないかで、加点、GOEの付き方が変わってきます。
この傾向は選手によって異なります。
*対象シーズン*
浅田選手シニアデビュー2年目(06-07シーズン)~今シーズン(13-14シーズン)
初めに採点ルールの変更内容からお見せします。
【トリプルルッツ(3Lz)の基準点】
ジャンプの点数は下記の通り、決まります。
ジャンプの点数=基礎点+GOE(俗に言う、加点、出来栄え点)
・基礎点→回転不足であれば、減点される。
・GOE →基本的に成功であれば加点される。
しかし、エッジエラー、転倒などあれば減点される。
主観が入りやすいといわれる。
トリプルルッツ(3Lz)の場合の基礎点、GOEの推移は下記の通り。(過去8年間)
縦軸にトリプルルッツの得点を、横軸にシーズンを表します。(過去8年間)
背景のピンク:得点が基礎点より上回るエリア(GOEのプラス評価)
背景の水色 :得点が基礎点より下回るエリア
(GOEのマイナス評価や、回転不足による基礎点減点)
<主な変更内容>
・バンクーバー後の10-11シーズンから、
回転不足(プロトコル上の「<」マーク)による基礎点の減点が軽減される。
それまでは、1回転少ないジャンプの基礎点になっていたが、
基礎点の70%が得られるようになった。
また、GOE幅も以前の+3~-3から、+2.1~-2.1に減少。
つまり、GOE幅圧縮により、得点が得られにくくなった。
(最高評価のとき、ルッツ一つのジャンプ点は9点→8.1点に減少)
【キムヨナ選手のトリプルルッツの得点】
では、実際にキムヨナ選手の得点を載せます。
シーズンごとの最大得点(赤実線)と平均得点(赤二重線)の変化を載せます。
棒グラフ(オレンジ+ピンク)は最大得点時を表示しています。
GOE(棒グラフピンク)はバンクーバーの'09-'10シーズンの「+2.0」が最高です。
しかし、翌年からルール変更により、GOE最大が+3→+2.1に
減ったのにも関わらず、昨シーズン12-13は「+1.8」も得ています。
(バンクーバーとほぼ同等。)
次に、平均得点(赤二重線)をみると、
バンクーバー以前は他シーズンに比べ、低くなっています。
これは、ジャンプが1回転抜けたりするミスが当時はあったため、
平均が下がっています。
エッジエラーを取られないため、最大得点(赤実線)を見れば、
ジャンプ1つで約8点も得ているのです。(※3A基礎点は8.5点)
【コストナー選手のトリプルルッツの得点】
次は、キムヨナ選手と同じくエッジエラーを取られなく、
高い加点を狙えるコストナー選手。
徐々に加点を得られるようになってきています。
それでも最高は昨シーズンの「+1.6」点。
ここ2年はジャンプ1つでの得点は約7.5点
【ゴールド選手のトリプルルッツの得点】
ゴールド選手も同様に、エッジエラーを取られなく、高い加点を得られます。
それでもここ2年は、ジャンプ1つでの得点は約7.0点
【浅田選手のトリプルルッツの得点】
次は浅田選手。
エッジエラーを取られるため、ここ4年間でプラスのGOEを得たことはありません。
ルッツジャンプ1つで獲得得点は約6点弱
【リプニツカヤ選手のトリプルルッツの得点】
リプニツカヤ選手は、シニアに上がってからのデータが2年間分しかありませんが。
リプニツカヤ選手も浅田選手同様に、ルッツジャンプでエッジエラーを取られる選手。
よってプラスの加点は得られず。
ワグナー選手も浅田選手同様に、ルッツジャンプでエッジエラーを取られる選手。
エッジエラーが取られなかったときに加点「+0.8」を得たことがあります。
********************
ルッツジャンプ1つでキム選手は8点。
浅田選手は6点弱。
同じ成功した状態で比較しても、単独ルッツジャンプで
2点も点差が開いてしまうんですね。
更に、来シーズンからは、エッジエラーだと基礎点が70%にも減るんだとか。
エッジエラーを取られると、回転不足並みに減点されてしまうんです。
なんだか腑に落ちません。。
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