耳にかけた髪がさらと落ちて
あの頃、ずっと追い掛けていた
太陽が南中するとき
黒い影がひとりでに歩き出す

女をより悲しげに映す
月も太陽も
追ってくる雲が
不穏な予感を呼んでくる

それまで規律正しく歩を進めていたはずなのに

頭から角を生やした子らが
影踏み遊びする
笑い声が耳に纏わり付き
狂う歩調、伸びる影