前科者が就職するには
このブログへのアクセスを解析してみると、「前科者の就職」というような検索ワードで入ってこられる方が、非常に多いです。
(次に多いのがテレビ番組名です。不本意ですが笑)
それは、留置場や拘置所からの釈放、あるいは刑務所からの釈放時点で、「前科者は就職できるのか」あるいは「就職はどうすればいいのか」といった不安を持っておられる方が多いということでもあるのでしょう。
たしかに、裁判で執行猶予付きの判決が出れば、「その時点でポイッ!」です。
迎えの人も交通費もなく、国選弁護人に千円だけもらって帰る人を見たこともありました。
たしかに、これでは迷うでしょう。
警察も裁判所も弁護士も、「まずはどうしたらいいのか」ということすら教えてくれないし、“不幸にも”保護観察の付かなかった事案であれば、保護観察官や保護司の指導を受けることもないので、どうしたらいいのかがまったくわからないに違いありません。
そこで「前科者の就職」ということについて、まとめてみます。
出所後すぐ、住むところのあてもないし働くあてもないというときには、迷わず住所地(住民票のあるところです)の福祉課に、生活保護の受給相談に行きましょう。
(この部分訂正。新聞によれば、生活保護の受給は住所地でなくともよいということです)
またすぐ再犯して、刑務所に逆戻りなんていうことにならないためにも、まずは住居と生活の安定が必要です。
おそらく事情が事情ですから、最優先で保護が開始されると思います。
ただし、この制度に安住してはいけません。
次に考えるのが、働いてお金を稼ぐことです。
働かないでお金がもらえて、しかも医療費もタダ。
でもなぜ、そのままではいけないのでしょうか。
生活保護というのは、もらえるお金が絶対的に少ないんです。
ほしいものも買えないし、遊びに使えるお金もない。
生来的な遊び好きや、ギャンブル好きの人はどうしますか?
そのお金を調達するために、また何か犯罪をしてしまうのではないでしょうか。
そのリスクを減らすためにも、なるべく早く働き始めたほうがいいと思います。
それに、病気のために生活保護を受けている人を個人的に知ってますけど(サエキさん、過去ログ参照)、外食するお金もないような状況で、生きてて楽しいでしょうか?
ただ「生きているだけ」の人生なんて、味気ないと思います。少しでも、自分の自由になるお金がないと。
話が横道にそれましたが、実際に職探しをするためには、どうしたらいいのでしょうか。
ますは最寄りのハローワークに行きます。
ここでの注意点ですが、受付を通して通常の職探しをするのではなく、最初から「専門援助部門」を訪ねてください。
全国どこのハローワークでも、「外国籍の方・障がい者の方」といったようなことが書かれた案内板が、天井からぶら下がっているコーナーがあるはずです。そこが専門援助部門です。
そこを訪ね、「刑事事件を起こして失職してしまった」などと申し出てください。
すると専任の係員が、あなたについて個別の資料を作成してくれ、一般の求職者よりもはるかに手厚い就職支援を受けることができます。
人に言いたくない事情もあるでしょうが、包み隠さず話してください。
公務員には法律による守秘義務がありますから、ここで話したことが外部に漏れることはありません。
きっとあなたに最適な職場を、見つけてもらうことができるはずです。
そして新しい職場で働くことが軌道に乗ったら、生活保護は支給停止(一時保留)を経て廃止になります。
ようするに、経済的に自立するのです。
一所懸命働いて、まじめに過ごし、悪友とは関わらず、もう一生犯罪とは縁のない生活を送ってください。
「前科がばれることはないのか」という不安について、お答えします。
氏名をネットで検索できるぐらいに大きな事件であれば、ばれることはありえます。
またある程度大きな企業であれば、採用にあたって身元調査を行なうかもしれません。
こればかりは、「運」も大きいでしょう。
これについては、「それでもボクはやってない」の留置係警察官役の徳井優が、示唆に富んだことを言っています。
「そんな人はいっぱいいるんだし、黙ってればわからないって」。
しかも、「前科者であることを承知の上で雇用する」協力事業主という人がいます。
肉体労働が主のようですが、体が丈夫ならそういうところで働くのも有効です。
だいたいお分かりいただけたでしょうか?
頑張ってください。
参考エントリ