あんじゅ刺繍店 -2ページ目

あんじゅ刺繍店

「たべもの」「からだ」にかんする詩・エッセイ

「病院食」ときいて、思いだすとき思いを馳せるのはまいどおうどん

 

それは小さなおうどんというやつで、

先生はごはんのかわりにしていいといった食べるんなら

食べてくれるんならとりあえずはいいと

これでいいと

母さんも泣いていった

あのころはとてもわがままをいったしした

わがままをみせた

みせつけた

(だれに?)

(母さんにたいして?)

婦長さん

だいっきらいなおんなの

婦長さんにたいして、

檻にぶちこめようとするおんなの、

 

「小さなおうどん」ときいて、思いだすとき思いを馳せるのは故郷

 

おもに地元でかえた

(じゃなくってどこでかえるというの?)

(ここでかわないかえてない)

地元の病院しかしらないあそこにしか入院していない

某・寿がきやというところがつくっている

梅じそ、わかめ、お吸いもの、各種あって

わたしはローテーションした

ローテーションが

とりついてじゆうに

そこの、売店にあった

いつも母さんがかってくれた

働いていなかったから義務教育中だったから

うれしそうにるんるん走って、なんかうちの猫みたいだるんるんといって、

たかが120kcalのための万札をひらつかせた

 

つらかったねくるしかったねかわいそうだったねかわいいね

かわいいとても性格がまるくなったからだもまるみを帯びたみたいでいいねおんなのそれだ

あんきだね

あんきだ、これでおかあさまもやすやすとしていられるものすてきだね

人生ってすてきだね

(とはじめてあった彼に)

 

おまえはとってもやさしい子いい子だやっぱり

(といったお父さんみたいに)

 

ぜんぶ暴いてやるの、ぶっ壊して

平和なんかじゃないでしょうどこが、平和なんかどこに、なかった

ほうら平和なんて、

かぞくのことなんて、

そしてわたしはきみにわがまま女としられるでしょう?

(浪費しているのは金だけじゃないとしったらどう)

 

母さんはもうしってわかって

わかってはいても、そうすることがわたしのためになるのだと信じ、

ありったけのことをしてくれたつきあってくれた彼女の、いま

小さなせなかを思うと

小さなせなかにはりつくじかんは

わたしの小さなおうどんと、

母さんの小さな浪費癖と、いっしょごたになって、いま

そっこんただいまの話として

しったからわかる

わたしはこわい金がこわくてたまらない