皆さん、こんにちは🤗
今日は久しぶりの朗報です
今抗がん剤投与で入院中(6時間後に退院予定 )
ですが、フォロワーの方から情報提供がありました
とりあえず、新薬開発状況の概論について
大分大学の医学博士呼吸器指導医の方のブログが大変よくまとまっているので要約・ご紹介します
退院後、1-3月は新年度末で雑用ありますが、
その治験状況について続編でまとめたいと思います
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1)ALK肺がんに対する一次治療としてのALK阻害薬
ALK肺がんを間野先生の研究グループが発見したのち、当初はマルチキナーゼ阻害薬であるクリゾチニブが使われ始めた。
当初はプラチナ併用化学療法に対し、クリゾチニブが有意に無増悪生存期間延長効果を示し、それもハザード比0.40-0.45程度と圧倒的な差を以てクリゾチニブに軍配が上がっており、ALK肺がんにはALK阻害薬、という今日では当たり前の治療概念が確立された。
2)ALK阻害薬の使用法の変遷と、耐性変異様式の移り変わり
アレクチニブ、ブリガチニブ、ensartinib、ロルラチニブ、いずれも一次治療として、クリゾチニブと比較して無増悪生存期間を延長し、それもハザード比0.28-0.51と圧倒的な差を以てクリゾチニブ以外のALK阻害薬に軍配が上がっている。一次治療としてのクリゾチニブの役割は終わった。
そして、ALK肺がんの特徴である高頻度の中枢神経系転移に対する抗腫瘍活性に優れ、かつALK融合遺伝子産物に対する選択的阻害活性がより強いALK阻害薬(主にセリチニブ、アレクチニブ)が一次治療として積極的に使用されるようになる。
クリゾチニブ以外のALK選択性の強いALK阻害薬により誘導される耐性変異は、よりsolvent frontへの耐性変異に収斂されていくことになる。
なかでも最も厄介な、それでいて出現頻度の高い耐性変異がG1202R変異であるが、より中枢神経系への移行活性が高く、かつG1202R変異への阻害活性を強めるべく開発されたのがロルラチニブだった。
こうした薬剤特性と治療開発の経緯から、クリゾチニブを第1世代、セリチニブ、アレクチニブ、ブリガチニブ、ensartinibを第2世代、ロルラチニブを第3世代のALK阻害薬と称する分類法が一般的となっていく。
そして近年では、複数の耐性変異が1本のALK肺がん染色体アリルに共存するがために、上記の既存ALK阻害薬が効かない耐性例が見られるようになった。
こうした「重複耐性変異」を有するALK肺がんは、アレクチニブでの治療後(アレクチニブの前治療の如何は問わない)では24%の出現頻度で、第2世代ALK阻害薬を用いた後のロルラチニブでの治療後では48%と倍増していた。
3)重複耐性変異に対する第4世代ALK阻害薬の登場
第2世代、第3世代のALK阻害薬は、二次治療以降で使用すると一般に無増悪生存期間延長効果が薄まってしまう。
例えば、ブリガチニブを一次治療で使用すると2年程度の無増悪生存期間を見込めるが、アレクチニブ耐性後にブリガチニブを使用すると、無増悪生存期間は4.4-7.3ヶ月程度まで短縮する。
同様に、ロルラチニブを一次治療で使用すると2年半程度の無増悪生存期間を見込めるが、第2世代ALK阻害薬1種類耐性後にロルラチニブを使用すると6.9ヶ月、2種類以上のALK阻害薬耐性後にロルラチニブを使用すると5.5ヶ月まで短縮する。
こうした状況を打破するために開発されたのが、TPX-0131やNVL-655といった第4世代のALK阻害薬である。
まだ前臨床の段階ではあるが、TPX-0131、NVL-655いずれも、重複耐性変異に対する阻害活性を有することが確認されている。
TPX-0131に至っては、一部の三重重複耐性変異にも阻害活性を有するようである。
一方、G1202R / G1269AやG1202R / G1269A / L1204VのようなTPX-0131でも歯が立たない重複耐性変異も確認されている。
今後は、第4世代ALK阻害薬の効果と安全性を検証する臨床試験が、既存治療耐性化後のALK肺がん患者、あるいは未治療ALK肺がん患者を対象として計画されていくだろう。
尚、日本臨床腫瘍学会 指導医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医で胸部
- 悪性腫瘍に対する抗がん剤治療を中心とした診療をなされ、治療成績の向上のための研究開発の第一人者のお一人の先生に伺ったところ、研究開発企業と開発担当者は知ってるが、日本での治験の話はまだ、ないとの事です。
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いつもいいね!ありがとうございます。
皆さまの治療が上手くいって、今日が充実した素晴らしい一日となりますように!