ここにクマちゃんのぬいぐるみがあります。

$真実の境界を探す日々


座高を計測してください。



このようなときに、計測する人によって数値が違ってきます。
毛の先端で測る人もいれば、根元を採用する人もいますし、座った状態と寝かせた状態では起毛の状態がちがってくるからです。1ミリ単位と0.1ミリ単位の違いもありますし、使った定規や巻尺の目盛や精度も違います。

土地の測量にも同じ誤差があります。

現在はレーザーで計測する光波測距儀や、人工衛星を使ったGPS/VRS測量が主流ですが、焦点を合わせる場所は人間が選びますので、選んだ場所が違えば距離や角度が違ってくるわけです。
また、同じ人が同じように同じ場所で計測しても1ミリ2ミリの誤差が発生します。

同じ角を測っても感覚の違いが現れますので、この感覚を同一にすることは極めて難しい。
そこで測量の考え方は何度も測ることを発見しました。

何度も計測して平均値を取ることで誤差は最小化されます。これを最確値というのですが、青函トンネルの測量では何十回も同じ点を測量して誤差を消していったそうです。


この誤差を消す作業は手間がかかります。
一度の計測で誤差を含んだ測量でも登記は可能ですし、間違いが発覚するのは数十年後だったりしますから「その場しのぎの仕事をしても、見つからないので気にしない。」と考える人が増えてもおかしくありません。

安く受注して効率重視で仕事するのも一つの経営方針でしょう。
しかし、「最高の測量を知っていて理論上問題ないから省く」のと、「現場やコストの都合だけで問題が起きないからこれでいいだろう」と判断するのは違います。

違うのですが、なかなか分かってもらえないのが現実でもあります・・・