土地境界確認書で契約する境界とはなんでしょう?


実は境界には大きく分けて二種類あります。

「公法上の境界と呼ばれる筆界」と「所有権の限界」です。

両者は一致していることが望ましいですが、地面に書いてあるわけではありませんので、ずれている場合があります。

たとえば、ブロック塀を設置するときに筆界を確認しないで施工すると二つの境界がズレます。

$真実の境界を探す日々

写真のように境界線に合わせた「芯積み」ならばブロック塀の中心線が筆界と所有権の限界を示すことになります。

A「ブロック塀を新しくしたいのですが、境界線上にブロックを積んでもよろしいですか?」
B(お隣さん)「ええ、かまいませんよ。ブロックの中心が境界ですね。」

ご近所付き合いが上手くいっているとこのようにスムーズにことが進みますし、この時点では二つの境界は一致していますから問題はありません。

しかし、年月が経つにつれてブロック塀の費用を出したAさんの周囲がブロック塀の外側が境界だと誤認し始めるのです。

自分の代ならばだいたい覚えていますが、親や祖父の代から存在する塀だと、果たして境界は塀の内側なのか、中心なのか、外側なのかを覚えている人はいなくなります。
そして、塀を作ったのはお祖父さんという認識だけが残り、塀の外側までが自分の土地だと考えるようになってくるのです。

そして、民法には時効取得の制度もあります。筆界と所有権の限界がズレている状態が長く続けば、土地を失いかねません。

5センチの越境でも10mならば0.5㎡ですから、都内だと数十万の損失です。
なにより、善意で塀がはみ出すことを許可したのに、土地を奪われるなんて感情的に許し難いといえます。

こうならないためには、公法上の境界である筆界と所有権の限界を常に一致させておくか、土地境界確認書を取り交わし、同じ数値が記載されている図面を法務局に登記することが一番といえます。

測量・登記には費用がかかりますが、末代まで安心して暮らせる土地を遺すなら必要な経費かと思います。


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不動産問題解決センター


土地家屋調査士
行 政 書 士   梅 津  彰


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