先日とある会合に出席した時のこと、数名の女性(私より若干お若い)が一人の女性を囲んで「綺麗になった」「お顔がすっきりした」「若く見える」など、口々に褒めたたえていた。褒められている女性に近付いて、私が「何をしたのですか?」と問うと

 

「歯列矯正」

 

私自身はこの女性とは初対面だったので、彼女のbefore~afterはわからない。

 

「お薦めしますよ、歯列矯正」

 

もう一度この女性が言うので、私はそれに応えて思い切り自分の口を「イー」と開けて

自分の矯正中の歯を見せた。この3か月のストレスのもと、ワイヤーでガンジガラメの私の歯だ。

「私も矯正中です!」

 

「どのくらいかかりました?」と訊くと、くだんの女性

 

「2年か…2年半くらいでした」

 

はぁ~。

私の目の前がまたクラクラになった。

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同年代の女性たちに、この、歯の噛み締めすぎ、歯ぎしり、歯列の傾き矯正の話を振ると、結構高い確率で対象者が居るということがわかった。

矯正まで行かなくても、就寝時はマウスピースをはめて歯ぎしりや噛み締め過ぎの予防をしている人も数名。

 

そうなのね。やっぱりみんな歯を食いしばって生きていたのね。

 

大学病院の矯正歯科はいつも満員で、診察は1か月に一度がやっと。今月は私の奥歯のブリッジを切り取って、そこにワイヤーをくくりつけて、噛み締め過ぎて傾いた正面の歯を引っ張って矯正するという「あらわざ」に出られた。

 

ブリッジ2本を切り取って隙間を開け、その隙間を利用して前歯の傾きを直そうという理屈らしい。

理屈上はごもっともで、いちいちパソコンの画像で解説して下さる主治医も誠実だ。

 

だが、口じゅうワイヤーの橋を渡され、何か口の中に入れるたびに、そのワイヤーに物が絡んでネチネチと口に残るこの感触。食事しながら歯磨きしたくなる感覚。

(せんせー。理論上はごもっともですけど、先生自身は口の中にワイヤー橋を渡されたことはないでしょ)

ついつい、主治医への恨み言。

 

食べ物はすべて噛まなくてよいようにフードプロセッサーで鳥や亀のエサ以下の大きさに砕いて飲み込んでいるので、私の咀嚼力は落ちている。誤嚥性肺炎と認知症の危険度up!

いや、その前に鬱病になるかも。

 

しまったなぁ。これからお見合い写真でも撮るわけじゃなし。歯科矯正なんて、取り組まなければよかった。と、思う日々です。