言葉に出来ないラブソング feat.Fawk -3ページ目

父親



晃。



これが、オレの父親。




スーパー頑固で、社交的すぎて、
ズバズバ人にモノを言い、酒が好き、犬が好き、バイクが好き、ゴルフ好き、で、たまに変。



オレが思春期最高潮の中2のとき、
『本気で最高だから!』と言って裏ビデオを強引に貸してきたような、
たまに変な感覚を出す漢だ。



普段は、マジで頑固で昭和な漢だ。



俺が小さい頃は、母親に『うるさい。だまっとれ』しか言ってるのを聞いたことがない。

大人になったら、絶対そうならないようにしよう…。
と、小さいながらに思っていたのを強く覚えている。


そして、休みとあらば、全身ライダースに着替え、
家の前でバイカー仲間とバイクをふかし、ツーリングに行く。
オレが小さい頃、父親と遊んだ記憶なんてなかった。



大人になったら、絶対そうならないようにしよう…。
と、小さいながらにまた思ってた。



ただ、大人になったオレは、
自分でもかなり父親に似ていると思っている。



そして、あれ程そうならないように…
とか思っていたのに、似ている自分が気に入っている。




6歳のとき、オレはアルペンスキーを始めた。
ポール(旗)をくぐっていく競技だ。
父親は毎週、朝の3時に起きて、試合(レース)のために北海道を
車で動き回ってくれるようになった。

勝った試合は誰よりも喜んでくれたし、負けた試合は一緒に悔しい思いをしてくれた。



当時は土曜日も仕事があって、そんな中、毎週そんなことをしてくれていた。
社会人になって、すごさを思い知った。



そんな、父親に心から、感謝している。





父親の仕事はというと、臨床検査技師。
あまり知られてないが、検査系の国家資格保持者だ。
顕微鏡を見る専門家だ。
まぁ簡単にいうと、検査系で、資格を持っていて、病院系で働いていて
顕微鏡を見る専門職。


オレが小さい時は、私服で会社に行っていた。
何度か、職場にも連れて行ってもらったが、
30平米くらいの部屋に5人くらい壁に向かってみんな座っていて、
ずーーーーっと、本当に、ずーーーーっと顕微鏡を見ている。



子供のオレは、「なにしてんだろ。。。」「つまんなそう。。。。」
と思っていた。そして、そんな仕事にはつきたくないな。
と思っていた。



そんな、父親がオレがスキーを初めて2年くらいした時、
急にスーツを着て会社に行くようになった。



母親は「営業マンになったんだよ」と言っていた。



そのときのオレは、「ふーん」だった。
というより、周りの友達の父親と同じようにスーツで会社に
行く父親がちょっとうれしかった。



臨床検査技師。
僕らの世界でわかりやすくいうと、エンジニアとか開発者、技術者みたいなものだ。



社会人1年目のときに、気になって「なんで営業いったんだ?」
と父親に聞いたことがある。


父親は「なんとなく」とか言っていたが、腑に落ちず、母親に聞いた。


答えを聞いて正直びびった。



「このまま検査技師やってれば、まぁ普通に昇進していく。」
「でも、自分に本当に足りないのはコミュニケーション力だと思う。」
「そんなつまらない人間が親だとはずかしいし、自分もつまらない」
「だから、給料も下がるし、家族に迷惑かけるかもしれないけど、営業にいきたい」





父親が37歳のときの話だ。





オレは今27歳。このまま10年後、自分の成長を考えて、安定を捨てて、
全く別の職種に移動して、やったこともないゴルフをはじめ、
運転手役も買って出て、年下に頭を下げながらやれるか、、、、。




決して大きくない地方の企業だけど、
父親は「営業」という職種で役員まであがった。




実家に帰ると、多分部下的な人が何人かいて、
ばか騒ぎしてたのしんでるのも見たから、どうやら下にもある程度慕われてるんだろう。



最初に特徴で書いた、「社交的すぎて」「ゴルフが好き」は
後からついてきた特徴だ。



そんな、父親を社会人として、心から尊敬している。










その父親が昨日、辞表を出した。










もちろん、直接ではなく、母親から聞いた。


まぁ俺と似て、頑固だし、直接息子にいいにくかったのかもしれない。
年末に軽く、父親から「やめるかも」とは聞いていた。



仕事で失敗したわけでもなく、身体を壊したわけでもない。


社長が本当にどら息子で、心底あわないらしい。
地方企業にありがちな、ワンマン企業で、会長の息子が社長に就任し、
どえらいアホらしい。



仕事だって人が重要だ。
人と人が芯で信じ合えなくて、何が仕事だ。




って言っていた。


東京に帰るために空港に向かう車でこの話を聞いたオレは、
「いいんじゃん」とだけ言った。
心では、「相変わらず頑固」「でも、すげーよ」と思っていた。





幸い、臨床検査技師ってもんは国家資格だから、
年収は下がるけど、くいっぱぐれることもないし、営業として役員にまであがったから実績から、
優良顧客はどうとでもひっぱれるとのこと。
どうやら、次の目処ももうたっているらしい。



でも、
頑固ものだから絶対言わないだろうけど、
つらいこともいっぱいあったんだと思う。




昔のブログで、親への感謝を載せたことがあるけど、
歳をとるにつれて、親孝行の重要さを本当に感じる。






大学に出てから、誕生日と父の日にモノを送っている。
まぁいろいろ迷惑かけてきたから、それぐらいはしなきゃね、、、って感じ。



いい機会だから、来月はいつもよりいいものを送ってやろうと思う。



そして、オレも頑固だからいつもいえないけど、
大声で、「お疲れさま!」って言ってやろうと思う。





長々と思いつくままに、
本当に、お疲れさまでした。って伝えたいと思って、
この感じを忘れないようにって思って書いてみた。








いずれ、


「父親」としても、


「社会人」としても、


「一人の漢」としても、


あなたを超えて行くことが、


最高の父親孝行だと思っています。




うん、がんばるよーーー!



おつかれ!!!!