足掛け十年以上追い求めていたクイルバック をとうとう釣り上げた私は、その足でテネシー州のチャッタヌーガまで移動し、翌朝早く南のジョージア州のアトランタの南を流れるフリントリバーへ入った。狙いはミクロプテルス属、すなわちブラックバスの仲間の最後の一種である、ショールバスだった。
道路脇のトレールを進むと、すぐにこれぞショールバスのスポットと言うべき岩盤底の浅い流れの風景が目の前に広がった。
まずは上流のトロ場から攻めてみることにした。時折大きなモジリが出ていて期待を持たせた。
ところがスピニングタックルに結んだ1/8オンスのジグヘッドのエコギアグラスミノーチャートリュースシャイナーMには全くヒットがなかった。
その理由は間もなくわかった。モジリの主は全て亀だったのだ。
これは案外難航するかもしれないなと思いながら、下流に移動し、細いがバスが定位できる深さのある流れの速いスポットを攻めてみた。
すると第一投からビクッというヒットの感触があったが、フッキングには至らなかった。
すぐさま同じ所を通すと、今度は乗った。コバッチーサイズだったので、軽くいなしてゴボウ抜きにした。
手元に寄せての第一印象は、スモーリー?というものだった。だがよく見ると、スモールマウスバス とは体側の模様や色が若干異なっていたので、これがショールバスなんだと納得し、撮影に取り掛かった。
その後少し下流の大きな浅いプールに移動し、下流側から流れ込みに向かってキャストした。ここではバイトはあったが乗らなかった。
そこで少しウェーディングで立ちこみ、下流側の一段下のプールの下流端にキャストしてリトリーブしたところ、ドンっとヒット!これは尺はありそうな感触だった。
段差の所で引っかかってヒヤッとしたが、しっかりフッキングしていたおかげでバレることはなく、段差まで近寄ってリッピングで取り込んだ。これぞショールバスといった典型的な個体だった。
この後、沖側の浅いプールを曳いている時に小さな個体が釣れたが、それはどう見てもラージマウスバス だった。フリントリバーにもいるんだなと思った。
そしてこの後、同じプールからこの日二番目の大きさの三尾目のショールバスが来たところで納竿とした。
スズキ目サンフィッシュ科ミクロプテルス属。ショールとは川や湖のとても浅い部分のこと。最大全長64センチ。スポッティドバスの体型にスモールマウスバスの模様をまとっている印象を受ける。ジョージア州のチャッタフーチーリバーとその支流であるフリントリバーなどのアパラチコーラリバー水系が原産分布だが、ジョージア州内のオクマルジーリバー水系にも移植されている。クリークや河川の岩底の早瀬やザラ瀬などの流れのある環境を好む。無脊椎動物および脊椎動物食性。域内では一般的な魚種。
これで紆余曲折はあったが、ブラックバス9種(ラージマウスバス 、スモールマウスバス 、スポッティドバス 、グアダルーペバス 、アラバマバス 、レッドアイバスカハババス 、スワニーバス 、チョクトーバス 、ショールバス)全てを釣ることができた。そしてアメリカ百目へ大手がかかった。
アメリカ人アングラーがジョージア州で釣った動くショールバスの姿はこのユーチューブ動画で観ることができる。