2014 年10 月上・中旬に敢行したアメリカ南部三州遠征の第一の目的はコクレンを釣ることだった。
その前年の5月にイリノイ州のカーライルダムのダム下でスクリューテールグラブのいわゆるトップ&ボトムリグで狙ったものの、二日間でハクレン一尾に終わっていた。
また同じ年の10 月にテネシー州のリールフットレイクとルイジアナ州のミシシッピー川でマッシュポテトと発泡フックを使った吸い込み釣り(このPDF内の、1. ウキ釣り 1-ボタン付き発泡吸い込み1本針仕掛け)を試みたものの、アタリさえなしで終わっていた。
そこで今回は、コクレンが釣れた実績のあるミズーリ州内のミシシッピー川のワンドとクリーブコーレイクで、同じ吸い込み釣りをしてみることにした。
コクレンは動物性プランクトンを食べるとのことなので、マッシュポテトをベースに、これにマルキューの特撰えび粉や軽さなぎを混ぜてみた。
ワンドの方は季節的に水深が浅すぎて釣りにならなかった。唯一水上だけがえぐれていて深く、実際レンギョのひれを一度見たが、半日粘っても一回もアタリがないばかりか、寄っている気配さえなかった。
クリーブコーレイクの方は水深は十分あり、岸辺にはレンギョの死体がいくつかあり、いることはほぼ確かだったが、こちらも半日やっても全く寄っている気配がなかった。そこで最後はハリに直接エサを付けてへら釣りスタイルに替えてみた。すると一回だけツンアタリがあり、アワセも決まってレンギョサイズの手ごたえ。だが、さあドラグを使って走り始めるなと思ったところで姿見ずのままバレてしまった。鯉か草魚だったかもしれない。
エサ釣りはどうやらダメらしいと思ったので、翌日は初ハクレンを釣ったカーライルダム下でまたトップ&ボトムリグでコクレンを狙うことにした。
前年5月とは違って水位は3メートルほども下がっており、適度な流れになっていた。1.5 オンスのナス型オモリ2個でも流されずにリグをぶっ込めていたが、しばらく待ってもアタリはなかった。
そんな中、ふと上流を見ると、まるでジョーズのような背びれが無数に水面から出ているのに気付いた。レンギョのものだった。中には時折見せる背中まで黒っぽいものもおり、コクレンの可能性があった。
こんなに無数のレンギョが表層にいて流下する餌を摂っているのに、底層にリグをぶっ込んで待っているのももったいないなと思い、ジグ仕掛けに替えて表層を曳いてみることにした。
仕掛けはそれまでのトップ&ボトムリグの代りに10 ポンドのモノフィラメントラインの 50 センチほどを介して1/8 オンスジグヘッドに3インチのチャートリュースの透明なスクリューテールグラブを付けた。これを群に向かってキャストしてロッドを立ててスローリトリーブした。
すると一発でリトリーブ開始直後にヒット! だが残念ながら顎にスレのハクレンだった。その後も口にハリ掛かりしたハクレンが2尾とスレ取りのハクレンが1尾と、ハクレンばっかりなので、やっぱりナブラになっているのはハクレンだけなのだろうかと思った。
この後ロングノーズガーのメートルクラスが掛かったがビーチング直前にバレてくれた。
その後しばらくキャストし続けていたがヒットがないので、着水と同時に少し速めにリーリングするようにしたところ、その二回目にドンとヒット。
だがファイトが始まってすぐにガーのひれが水面から出たので、またガーが掛かったと思ってラインを緩めたがバレてくれない。そこでとりあえずファイト続行。
力強いファイトで、なかなか姿を見せない。果たして出て来るのは細長い吻 (ロングノーズガー) か、それとも短い吻 (ショートノーズガー) のどちらだろうと思いながら引っ張り上げてくると、なんと丸い口が出てきた。しかも大口だ! これはひょっとしてと思い体側を見ると黒っぽい! そして寄せてきて腹を見ると喉から腹びれにかけてキールがなかった!
やった、とうとうコクレンを釣った!
ランディングネットは少し離れたところにあったのでそのままビーチングし、抱えてネットの上まで持って行った。よかった、ラインを緩めた時にバレなくて。
フックは下顎の唇の内側にかかっていた。サイズは口を閉じて 60 センチだった。
この後釣りを続行しなかったのではっきりとは言えないが、コクレンにはやや速曳きの方がいいようだ。あるいはスピードよりも結果的に水面直下のコクレンが摂餌しているタナを曳けたことが勝因かもしれない。いずれにせよレンギョが表層にいる時はトップ&ボトムリグを使う必要はなく、ジグの表層曳きでいいことがわかった。
ちなみにグラスミノーのMサイズのグリーンバックも使ってみたがヒットしなかった。少し濁っている水中ではチャートリュースや白などのもっと目立つ色がいいようだ。それにコクレンはスピナーにもよくヒットすることから、スクリューテールがやはり効果があるようだ。
コイ目コイ科コクレン属。ハクレンと合わせてアジアンカープと総称されている。最大全長 1.5 メートル。孵化後2ヶ月ほどすると体表に灰黒色の斑が現れるようになることと、頭部と口が比較的大きいことがハクレンとの違いだが、腹部のキールが本種では腹びれまでしかないのに対してハクレンでは鰓蓋の付け根まで伸びていることの方が間違いのない見分け方。アメリカには 1972 年にアーカンソー州の養魚場の水質改善目的に導入されたが、すぐに洪水を利用して逃げ出し、ミシシッピー川では流程が長いので繁殖が可能なため、支流も含めて大繁殖して社会問題化している。大河川のオープンウォーター、バックウォーター、氾濫原の湖、貯水池や池に棲み、若い個体はクリークでも見つかることがある。動物プランクトン食性だが時にはスピナーやスクリューテールグラブにもヒットする。
その前年の5月にイリノイ州のカーライルダムのダム下でスクリューテールグラブのいわゆるトップ&ボトムリグで狙ったものの、二日間でハクレン一尾に終わっていた。
また同じ年の10 月にテネシー州のリールフットレイクとルイジアナ州のミシシッピー川でマッシュポテトと発泡フックを使った吸い込み釣り(このPDF内の、1. ウキ釣り 1-ボタン付き発泡吸い込み1本針仕掛け)を試みたものの、アタリさえなしで終わっていた。
そこで今回は、コクレンが釣れた実績のあるミズーリ州内のミシシッピー川のワンドとクリーブコーレイクで、同じ吸い込み釣りをしてみることにした。
コクレンは動物性プランクトンを食べるとのことなので、マッシュポテトをベースに、これにマルキューの特撰えび粉や軽さなぎを混ぜてみた。
ワンドの方は季節的に水深が浅すぎて釣りにならなかった。唯一水上だけがえぐれていて深く、実際レンギョのひれを一度見たが、半日粘っても一回もアタリがないばかりか、寄っている気配さえなかった。
クリーブコーレイクの方は水深は十分あり、岸辺にはレンギョの死体がいくつかあり、いることはほぼ確かだったが、こちらも半日やっても全く寄っている気配がなかった。そこで最後はハリに直接エサを付けてへら釣りスタイルに替えてみた。すると一回だけツンアタリがあり、アワセも決まってレンギョサイズの手ごたえ。だが、さあドラグを使って走り始めるなと思ったところで姿見ずのままバレてしまった。鯉か草魚だったかもしれない。
エサ釣りはどうやらダメらしいと思ったので、翌日は初ハクレンを釣ったカーライルダム下でまたトップ&ボトムリグでコクレンを狙うことにした。
前年5月とは違って水位は3メートルほども下がっており、適度な流れになっていた。1.5 オンスのナス型オモリ2個でも流されずにリグをぶっ込めていたが、しばらく待ってもアタリはなかった。
そんな中、ふと上流を見ると、まるでジョーズのような背びれが無数に水面から出ているのに気付いた。レンギョのものだった。中には時折見せる背中まで黒っぽいものもおり、コクレンの可能性があった。
こんなに無数のレンギョが表層にいて流下する餌を摂っているのに、底層にリグをぶっ込んで待っているのももったいないなと思い、ジグ仕掛けに替えて表層を曳いてみることにした。
仕掛けはそれまでのトップ&ボトムリグの代りに10 ポンドのモノフィラメントラインの 50 センチほどを介して1/8 オンスジグヘッドに3インチのチャートリュースの透明なスクリューテールグラブを付けた。これを群に向かってキャストしてロッドを立ててスローリトリーブした。
すると一発でリトリーブ開始直後にヒット! だが残念ながら顎にスレのハクレンだった。その後も口にハリ掛かりしたハクレンが2尾とスレ取りのハクレンが1尾と、ハクレンばっかりなので、やっぱりナブラになっているのはハクレンだけなのだろうかと思った。
この後ロングノーズガーのメートルクラスが掛かったがビーチング直前にバレてくれた。
その後しばらくキャストし続けていたがヒットがないので、着水と同時に少し速めにリーリングするようにしたところ、その二回目にドンとヒット。
だがファイトが始まってすぐにガーのひれが水面から出たので、またガーが掛かったと思ってラインを緩めたがバレてくれない。そこでとりあえずファイト続行。
力強いファイトで、なかなか姿を見せない。果たして出て来るのは細長い吻 (ロングノーズガー) か、それとも短い吻 (ショートノーズガー) のどちらだろうと思いながら引っ張り上げてくると、なんと丸い口が出てきた。しかも大口だ! これはひょっとしてと思い体側を見ると黒っぽい! そして寄せてきて腹を見ると喉から腹びれにかけてキールがなかった!
やった、とうとうコクレンを釣った!
ランディングネットは少し離れたところにあったのでそのままビーチングし、抱えてネットの上まで持って行った。よかった、ラインを緩めた時にバレなくて。
フックは下顎の唇の内側にかかっていた。サイズは口を閉じて 60 センチだった。
この後釣りを続行しなかったのではっきりとは言えないが、コクレンにはやや速曳きの方がいいようだ。あるいはスピードよりも結果的に水面直下のコクレンが摂餌しているタナを曳けたことが勝因かもしれない。いずれにせよレンギョが表層にいる時はトップ&ボトムリグを使う必要はなく、ジグの表層曳きでいいことがわかった。
ちなみにグラスミノーのMサイズのグリーンバックも使ってみたがヒットしなかった。少し濁っている水中ではチャートリュースや白などのもっと目立つ色がいいようだ。それにコクレンはスピナーにもよくヒットすることから、スクリューテールがやはり効果があるようだ。
コイ目コイ科コクレン属。ハクレンと合わせてアジアンカープと総称されている。最大全長 1.5 メートル。孵化後2ヶ月ほどすると体表に灰黒色の斑が現れるようになることと、頭部と口が比較的大きいことがハクレンとの違いだが、腹部のキールが本種では腹びれまでしかないのに対してハクレンでは鰓蓋の付け根まで伸びていることの方が間違いのない見分け方。アメリカには 1972 年にアーカンソー州の養魚場の水質改善目的に導入されたが、すぐに洪水を利用して逃げ出し、ミシシッピー川では流程が長いので繁殖が可能なため、支流も含めて大繁殖して社会問題化している。大河川のオープンウォーター、バックウォーター、氾濫原の湖、貯水池や池に棲み、若い個体はクリークでも見つかることがある。動物プランクトン食性だが時にはスピナーやスクリューテールグラブにもヒットする。