ネバーランドが呼んでいる -3ページ目

のれんをくぐった時、大きなため息が出て驚いた

思ったよりきている

入ったら入ったで涙が出た

汗も涙も色々出た

人がいるのが嫌で、温泉は嫌いだったのに、

一人温泉するまでになってしまった


一番奥に、とても暗い女の人が入っていた

タオルも頭に巻いてなくて、髪が乱れていた

一瞬しか見ていないけど、

傾いていて怖かった

幽霊みたいだなと思った

でもたぶん私も同じだろうなと思った

幽霊も温泉に入ったら生き返る


疲れる前に出た

温泉好きだけど、長くは入れない

コーヒー牛乳を押したつもりが普通の牛乳が出てきた

くつろぎルームに誰もいなくて、

良さそうな椅子を探して座ったら

今までで一番、この世で一番の椅子に出会ってしまった

どんどん疲れが吸い取られていった

気がついたら寝ていて、蛍の光の曲が流れていた

あの椅子欲しい





葉っぱかと思ったら蛙だった

止まって近づいたら亀だった

もっと近づいたらすっぽんかもしれないと思った

嘘だか本当だか分からない

分からないと言ってるけど本当は分かっている

分かりたくなかっただけ

夜は暗くて隠しやすいけど

見えづらいだけで消えていない

居心地は悪いし

悲しかった



店から出て、販売機で飲み物を買って
車に向かって歩いている時、
自分の手が震えていることに気がついた
心臓も、顔の中のほうも震えている
自分の感情に気がつくのが遅いと言うことに
さっき気がついた
気がついたら泣いていた
多分怒りで
悔しくて悲しくて寂しい
本当に酷いことされた
され続けていたのに
私は怒ってよかった
怒ったほうがよかった
相手のためにも
自分のためにも