1年前の2010年3月。

乳がん摘出手術予定の1ヶ月前になって、左だけでなく右にも乳がんが見つかった。

当初は片方なので乳房温存+背筋皮弁による乳房再建手術を受ける予定だった。

が、両側となると、再建するなら自己組織は(足りないので)使えず、インプラントしか選択肢はないという説明。ガーン


インプラントでの再建を全く考えていなかったため、再建費用の見積額にひるんでいたのに加えて、形成外科医からはインプラント入替は別の病院を紹介すると言われ、自分でも意外だったけど、ひどく…とてもひどく落ち込んでしまった。


そんなときに新聞で目にした「人工乳房をつくる会社」の記事。


人工乳房を作る会社があるのは以前TVで見て知っていたけど、その時見た中村ブレイスという会社は相談に訪れるには遠すぎたので、人工乳房を作ることは無理だと思っていた。

ところが、この新聞記事で紹介されているウロメディカルジャパンの事務所は家から電車で1時間もあれば行けるところにあるらしい。ええ!!


新聞記事の内容は概ね下記の通り。

乳がん手術後用に、本物そっくりで、温泉にも入れ、触っても違和感なく、ブラジャーができるオーダーメイドの人工乳房が開発されました。

池山紀之さんの妹さんは、乳がんの手術で片方の乳房をなくしました。

5年間再発しなかったお祝いに、家族で温泉に行きましたが、妹さんは温泉に入りませんでした。


池山さんは、大学卒業後、父親の経営する会社に勤めていました。
抜けた歯の代わりに金属や義歯で補うインプラント治療の材料や、人工の指などの制作を行っていました。

「人工で乳房を作れないの?」という妹さんの言葉で、人工乳房の開発を思い立ちました。

妹さんからの助言は、「2泊3日の温泉旅行に行けるものであること」

具体的には、

① 服を着ても自然に見え、触って違和感がない
② 市販のブラジャーをつけられる
③ 入浴でき、シャワーも浴びることができる


当時は、人工乳房は既製品が主流でした。
温泉に入れるタイプでも、胸を手で押さえて入る必要がありました。

池山さんは、オーダーメイドで、本当の乳房と見分けがつかないものをめざしました。

3年がかりで妹さん専用の人工乳房が完成しました。


そして、「ウロメディカルジャパン」という会社を設立。


石膏で両胸の型を取る。
残った片方の乳房を見ながら、失った乳房を粘土で再現する
粘土をもとに、シリコーン製の人工乳房を作る
弾力があり、色合いも丁寧に調整する

という工程で人工乳房の制作を始めました。

完成には約4週間かかります。


出かける前に、液体シリコーンの接着剤を人工乳房の裏側に塗って張り、寝る前に外します。

肌との境界線も目立たず、体を動かしても、入浴しても取れません。
太ったら、中の液体シリコーンを増やし、やせたら減らして体形の変化にも対応します。


手作業で作るため、現在は価格が30万円しますが、技術者を増やすことで、4年後には10万円で提供できるようにしたいと考えています。


2010年3月24日 朝日新聞 より


この時期にこの記事を目にするなんて、天のお告げかもしれない。

と、同時再建をしないという選択肢を真剣に考えだした日。


この記事との出会いが、自分が本当はどうしたいのか、深く考えるきっかけになりました。 



非浸潤性乳管がん?!-110306_131552.jpg
 その頃、無性に食べたくて「おやつ」によく食べていた

 コンビニのバクダンおにぎり (580kcal)


 この時の過食のツケが今…




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