ダラダラダラダラダラダラダラダラ長文です。

雪組『海辺のストルーエンセ』11:00公演の後
せっかく関西方面に行くのだから少しでも交通費の元を取らねば、と
一般発売で月組『応天の門』15:30公演のB席をGETし、↓行ってきた。




平安朝クライム
『応天の門-若き日の菅原道真の事-』@宝塚大劇場
(2023.3.2(木)15:30)B席2階17列(一般発売)

ストルーエンセに合わせたのでこの回を取るしかなく、初めて座った2階の最後列。
舞台は遠いけど、かなり視界良好でビックリ。
キャパ2500という広さなのに……スゴいわ宝塚大劇場。

【上演時間】3時間5分
『応天の門』95/休35/『Deep Sea』55)

【スタッフ】
原作:灰原 薬「応天の門」(新潮社バンチコミックス刊)
脚本・演出:田渕 大輔

【主な配役】/新人公演
菅原道真:月城 かなと/七城 雅
昭姫:海乃 美月/羽音 みか
在原業平:鳳月 杏/一輝 翔琉

〈菅原家〉
桂木(女房頭):梨花 ますみ/白河 りり
菅原是善(父):佳城 葵/澪 あゆと
白梅(女房):彩 みちる/花妃 舞音

吉祥丸(亡き兄):瑠皇 りあ/真弘 蓮
阿呼(幼い道真):一乃 凜/彩姫 みみ

〈藤原家〉
藤原良房(清和帝の後見人):光月 るう/彩路 ゆりか
山路(高子付き女房):白雪 さち花/まのあ 澪
藤原良相(良房の弟):春海 ゆう/爽 悠季
黒炎(基経の手下):朝霧 真/月乃 だい亜、水城 あおい
藤原基経(良房の甥、養嗣子):風間 柚乃/瑠皇 りあ
藤原高子(良房の養女、基経の妹):天紫 珠李/きよら 羽龍
藤原国経(基経・高子の異母兄):彩音 星凪/大瀬 いぶき
藤原常行(良相の息子):礼華 はる/遥稀 れお
藤原遠経(基経・高子の異母兄):一星 慧/綺乃 ゆず
吉野(多美子付きの女房):清華 蘭/静音 ほたる
深雪(多美子付きの女房):妃純 凛/咲彩 いちご
藤原多美子(良相の娘):花妃 舞音/澪花 えりさ

若き日の高子:蘭世 惠翔/一乃 凜

〈反藤原派〉
伴善男:夢奈 瑠音/毬矢 ソナタ
源信:朝陽 つばさ/美颯 りひと
源融:蘭 尚樹/雅 耀
伴中庸:柊木 絢斗/相星 旬

〈昭姫の店〉
大拙(用心棒):大楠 てら/槙 照斗
麗菊:麗 泉里/咲彩 いちご
桃李:桃歌 雪/静音 ほたる
杏香:花時 舞香/奏羽 美緒
愛蓮:天愛 るりあ/蘭叶 みり
菜花:菜々野 あり/美渦 せいか
ヨリ/手古:白河 りり/美海 そら
三好:羽音 みか/朝香 ゆらら
フキ:きよら 羽龍/華羽 りみ
美柳:美海 そら/八重 ひめか

〈鬼〉
英 かおと、空城 ゆう、彩音 星凪、一星 慧
/(新公)水城 あおい、大瀬 いぶき、綺乃 ゆず

〈その他〉
清和帝:千海 華蘭/天つ風 朱李
若き日の業平:英 かおと/月乃 だい亜

國道(検非違使、業平の配下):蓮 つかさ/真弘 蓮
紀長谷雄(道真、業平の学友):彩海 せら/和真 あさ乃
橘広相(大学寮の講師):空城 ゆう/水城 あおい
大師(舞師):結愛 かれん/涼宮 蘭奈
公達:甲海 夏帆/*
是則(在原家の家司):真弘 蓮/涼宮 蘭奈

【休演】
※穂波 舞咲:『Deep Sea』第9場のロケットを全日程部分休演
※白霧 椿:全日程休演

【人物相関図】

【ストーリー】
藤原良房とその養嗣子・基経が朝廷の権力を掌握しつつあった平安初期。京の都では、月の子(ね)の日に「百鬼夜行」が通りを闊歩し、その姿を見た者を取り殺すという怪事件が頻発していた。
幼き頃から秀才との誉れ高き文章生・菅原道真は、ひょんなことから知り合った検非違使の長・在原業平にその才気を見込まれ、この怪事件の捜査に協力する事となる。唐渡りの品を扱う勝気な女店主・昭姫(しょうき)らの協力の元、次第に事件の真相に近付いてゆく道真。だがその背景には、鬼や物の怪の仕業を装い暗躍する権力者たちの欲望が渦巻いていた…。
(公式より)


原作は、月刊コミックバンチ連載中の灰原薬氏による同名コミック。
“学問の神様”菅原道真と“平安の色男”在原業平が怪事件を解決していく歴史サスペンス。
2017年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門で新人賞を受賞するなど、歴史漫画として高い評価を得ている作品。とのこと。

私は原作コミック未読。
この時代についても「794(鳴くよ)ウグイス平安京」とか「ナントカの変」とか(←てきとー過ぎ)
菅原道真が遣唐使廃止したんだっけ?とか、「陰陽師」(夢枕獏)では百鬼夜行で菅原道真の霊が鬼になった藤原氏(だったか?)に引きずられていたような…とか
どんなに記憶を振り絞っても予備知識と呼べるほどのものは無く
唯一予備知識っぽいのは、星組『花の業平』('01、稔幸・星奈優里)ぐらい?という状態での観劇だったのだけど

登場人物のキャラクターがハッキリしていて、ストーリー明解で関係性もわかりやすく、全く困らなかった。
てか、みんな上手くて緩急あって、面白かった。さすが芝居の月組。

どうでもいいけど、「百鬼夜行」て「ひゃっきやこう」と読んでいたけど「やぎょう」とも言うんですね。



れいこちゃん(月城かなと)、ホント上手い。
登場場面、門の上で月を背にして。美しいったらねーんだわコレが。(だけど目つき悪ッw)
菅原道真、年齢的にメチャ若い設定っぽいのだけど、セリフ回しや目線で生意気さや己の賢さを存分に出しつつ、(誰に向かって言ったんだか忘れたが「バカはいいですね」てw)
意地になったり拗ねてみたりという青臭さもあり、そこはかとなく漂う“若造”感がメチャ上手かったしメチャ可愛い。

反面、家柄で官位が決められる日本にいて、学力次第で登用する科挙制度がある唐の国に思いを馳せる道真の微笑が
夢や希望よりも、大いに「諦め」を含んでいたのが切なかった。(つっても遣唐使廃止しちゃうんですよね)


唐の品物を扱う店の主人で、唐人の昭姫(しょうき)は海ちゃん(海乃美月)
世の中を知っている、聡明で強くて自立した女性。
常々、海ちゃんには可憐な姫君よりカッコいいオンナが似合うと思っているし、ツヨツヨな娘役が好きなワタシ的には満足。

道真と昭姫、トップコンビが演じているにも関わらず恋愛要素が無いのだけど、その関係がなんとも小気味良くていい感じ。(とか言いつつ、いつ恋が始まるんだろうと思いながら観ていたw)
トップコンビのロマンスの為に原作を無理やり改変しなかったのは良きことと思います。(原作どおりかどうかは知らんけど)


ロマンス部分を一手に引き受けていたのは、ちなっちゃん(鳳月杏)の在原業平。
色気ダダ漏れのモテ男。世の女性みんな愛しいとか平然と言ってそうな業平。
だけど検非違使として仕事デキるし立場もわきまえていて、何よりも心の奥に忘れられない女性がいる。
そのへんの剛柔のバランスが絶妙。菅原道真とW主演と言っても過言ではない存在だった。

高子とのあれこれについては、星組『花の業平』('01)を思い出しつつ。


『花の業平』ではたーたん(香寿たつき)が演じていた藤原基経は、おだちん(風間柚乃)
悪い顔で残酷な仕打ちをするという純然たる悪役。

…と思いきや、何ですか?あの切なげな思い出は。道真の兄・吉祥丸との出会い。再び会う約束を(命令口調で)交わす。もはや初恋。
でも、吉祥丸は二度と現れなかった。(藤原家の犬に襲われ狂犬病で病死)
このエピソードで、基経のイメージが変わってくる。

その後、道真が吉祥丸の弟だと知った時、基経の一瞬の表情がとても良くて
もし吉祥丸が生きていれば基経にとって心許せる存在になり、基経も闇落ちすることはなかったのかも…と思ってみたり。

わかりやすい悪役に、深みを持たせた表現力。やっぱおだちん上手いな、と思った。
凄味もあるし。既にベテランの風格。


男っぷり爆上がりも甚だしい、藤原常行、ぱるくん(礼華はる)
スラリと長身、顎ヒゲがお似合い。そこはかとなく漂う色気。立ち姿麗しく、貴公子然としたビジュアルで目を奪われちゃうー!
藤原家の人間にしては穏やかな物腰だけど、生死をさまよって目覚めた直後「入内まであと5日!」って冴えてるあたり、藤原の血だなぁと妙に納得w
ぱる常行、もっと刮目して観たかった。


目が奪われると言えば、昭姫の店の用心棒・大拙のてらくん(大楠てら)
ホントに男性かと思ったほどのビジュアル。あらためて、スゲェな宝塚、と感動した。


幼き清和帝のからんちゃん(千海華蘭)
えっと、92期だから、、、研17??って確認しちゃったよね。どんだけ可愛いの?
幼い発声をしつつも、思慮があり、きちんと意志を伝える。醸し出す、可愛いだけじゃない“ミカド感”(伝われ)
つくづく、退団が惜しまれる。


道真の兄・吉祥丸のるおりあくん(瑠皇りあ)
純粋さダダ漏れの演技に、胸が苦しくなった。
幼くして藤原に取り入ることを強いられ、賢い弟と比べられて凡人と言われ、でも全てを受け入れ。唯一自分を解放できるのが李白の詩に没頭している時だったんだろうな、とか
幼き基経(おだちん)はおそらく藤原家の沼にズブズブと沈みかけていた頃に清らかな吉祥丸に出会い、どれだけキラキラして見えたことだろう。無意識に救いを求めたのではないか、とか。
想像だけでかなり泣けるのだった。


若き日の業平と高子、うーちゃん(英かおと)ゆうきくん(蘭世惠斗) の切なさテンコ盛りの美しさ。もっと観たかった。
バウあたりで『花の業平』やってくれませんか。(と無理を承知でつぶやいてみる)


菅原家の女房・白梅のみちるちゃん(彩みちる)と道真の友人・紀長谷雄のあみちゃん(彩海せら)のニコイチ感にほっこり。
しかし、うーん。みちるちゃんに、もう少し大人の女性の役は無かったのかと思わないでもない。


あと、やすくん(佳城葵)
道真の父・菅原是善もいいけど、やっぱプロローグの酔っ払いが秀逸。
ベロベロに酔っ払った千鳥足にしか見えないのに、回る盆のタイミングに合わせて鬼に捕らえられるという計算しつくされたステップなの、ナニゲにスゴいと思いながら観ていたw


他にも、結愛かれんちゃんとか花妃舞音ちゃんとか良かった。
「芝居の月組」を堪能できる、複数回観たい公演。

いちおう配信も視聴したが、雑用(確定申告)しながらだったので集中力散漫になってしまい(涙)
東京千穐楽は集中して観たいわー


そして、ショーは↓



ラテン グルーヴ
『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』

【作・演出】稲葉 太地

チョンパで始まるゴージャスなラテンショー。
半魚人、もとい、海神たちが歌いまくり、踊りまくる。

れいこちゃんとちなっちゃんのデュエダンとか、これはもうR指定じゃありませんか?汗(ムダに動揺した)
しかも、おだちんの歌でスペシャル感満載。

「GET READY」のぱるくんとあみちゃんがカッコ良すぎて悶絶。
特に、『応天の門』で垂涎モノだったぱるくんにここでも釘付けになってしまった。

退団者にスポットを当てた場面もあり、思わず涙が。

ラテンショーなのに、元はロシア曲の「ナタリー」使われてて、何故?となったが
「ナタリー」歌ってたのがラテン系のフリオ・イグレシアスだからか??

ちなみに「ナタリー」、日本では郷ひろみさんが歌ってたので、日本語詞で脳内再生されてしまう私…

「ベサメ・ムーチョ」など知ってる曲もあって、メチャ楽しめました。

もっとキャッキャした日記を残したいのだけど、チカラ尽きてきたので(汗)


そうそう!エトワールは、
今までありそうで無かった【役替わり】!!
名案ですよ、稲葉センセイ。

桃歌 雪(100)、天愛 るりあ(102)、白河 りり(103)、
きよら 羽龍(104)、咲彩 いちご(104)、の5名。

この回は、わたくし推しているおはねちゃん(きよら羽龍)で嬉しーい。
けど、ちょっと高音域のノビが悪かったような…

階段降りは
ぱる(101)、あみ(102)
みちる(99)、じゅり(101)
おだちん(100)
ちなっちゃん(92)
海ちゃん(97)
れいこちゃん(95)


退団者は
光月 るう(88)
千海 華蘭(92)
朝霧 真(97)
清華 蘭(98)
結愛 かれん(101)
花時 舞香(101)
蘭世 惠翔 (102)
2023年4月30日(月組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団

今回の退団者、ショックが大きいです。
月組にとっても「損失」だよね。

後日、ライブ配信で観たご挨拶は
白雪さち花姉さんのメチャメチャ感情移入した紹介で
(“紹介”はあんなにエモーショナルでなくても良いと思うが…と若干引き気味に見てしまってすみません)
印象に残ったのは、からんちゃんに対する「退団は大きな痛手」。
心の底から同意です。


何はともあれ、まだまだコロナコロナ言うてる状況で宝塚大劇場公演を完走できたことが喜ばしい。
東京公演も無事に完走できますように。