恩田陸「黒と茶の幻想」 | 活字に溺れて

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恩田陸『黒と茶の幻想』

あらすじ:
学生時代からの友人である
利枝子、彰彦、蒔生、節子の四人はY島への『非日常の旅』を計画、実行した。

久しぶりの旧友との旅行を楽しむ一方で
四人はそれぞれ内側に暗いものを抱えている。

過去に埋もれた『美しき謎』を解き明かしながら彼らはJ杉を目指して歩き続ける。

彼らの抱える闇とは?

そして、心に疚しいところがある人には見ることができないという伝説の『三顧の桜』は本当に存在するのだろうか。

感想:
この小説で私が一番好きな場面は、
登場人物たちが持参した『美しき謎』を解き明かしていく場面です。

ほとんどの謎の真相は最終的には分からず、中途半端なまま推論だけで終わってしまいます。
しかしどの推論も説得力があり、それが本当の真相なのではないかと疑わせてしまう所が恩田氏の凄さではないでしょうか。

また、舞台であるY島の自然の美しさにも読み進めていくにつれ、引き込まれていきます。

私もいつか行ってみたいなぁ。なんて

この小説を読む前に同著者の『麦の海に沈む果実』という作品を読んで頂くと、より一層楽しんでいただけるかと想います。

『麦の~』にはこの小説の中で重要な位置を占める人物が出てきます。
宜しければ読んでみて下さい。


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難しいですね。本の紹介を書くのって。
私、国語って苦手なんです。
特に要約とか、感想文とか(笑)
じゃあ何でこんなこと始めたんだって感じですね。

でもこれを読んで誰かが
自分の中の一冊を見つけるお手伝いが出来たらなぁ、と思います。