村開発Yes or No | スイスの片隅でいろいろ叫ぶ!

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住み慣れつつあった大都会ロンドンを去り、スイスの片隅の田舎にやってきてしまった!山に囲まれ雪に閉じ込められ軽く軟禁…?
2016年長男誕生。2021年まさかの男女双子爆誕!
頼る人がいない海外でのてんてこ子育てもついでに綴ります!

近年、村の動きが著しい。

 

この度、村の施設の州からの助成金が大幅カットされる、というニュースが村に走った。

 

村のみんなは一丸となってデモを起こした(エバが村新聞の写真に抜かれていた)。

その結果、助成金カットは大幅に減らされた。

デモは成功と言えるだろう。

 

日本に住んでいて、「デモ」という存在は知っていても縁遠かった自分。

でも今回のデモは自分の生活に密接している事項。

 

わたしも子守りがなければ参加したかったくらい。

代わりに署名をしたよ。

 

 

そして村開発。

どんどん開発されている感じ。

 

わたしがこの村に住んで丸8年。

たった8年の間でも色んな変化があった。

 

空き地に新しいアパートが立ち、村のとある工場は敷地を広げた。

村の3つのスーパーは8年の間に改装した。

 

線路や駅の工事もずっとしているし、下水管の工事も村のあちこちで。

道路を広げて歩道を作ったりもしている。

 

そしてこの度、村開発について村民投票が行われることに。

ポストには「もっと村を発展させましょう!工場を建てて、人の出入りを活発に!」「投票には是非Yesと言ってください!」

というチラシと、

 

「絶対Noと言って!これ以上人が増えて道が混雑してどうするの?!」「わたしたちの村の自然を壊さないで」

 

という村民作成のチラシ。

 

 

わたしは移民の身。

ここには縁があって流れ着いた、借宿の身。

でも愛着はある。

 

もし可決されれば、フランス人が出稼ぎにきて、村の小さな道が朝晩の出勤退勤ラッシュで混雑して、

でも出稼ぎに来ている人たちには戻るべき家がフランスにあって。

この静かで小さな村が荒れようが混もうが知ったこっちゃない。

給料が高いからスイスに来るだけで。

 

ってなんか嫌だな、と思った。

 

ていうか、開発するってさ。

なんでこの山間の小さなこの村になの?

 

もっと他にあるじゃん??

 

この村は面積の割に工場がたくさんあるからすでにいっぱいいっぱいだと思うんだけど。

 

 

この話題を村に長いことすんでる現地の人に聞いてみた。

そしたら答えは「No」だった。

 

人が多くなればレストランとかスーパーとか増えるかもよ?と言ったら

 

「なぜ必要なの?すでに充分あるじゃない。大きいスーパーや素敵なレストランに行きたければ

村の外に行けばいいじゃない。ここにある必要はないわ」と。

 

これが村民の素直な意見なんだなと思った。

 

そして投票の結果は7割反対で開発は一時見送りとなった。

Noとなった場合、5年くらいは間をあけないと開発作業に取り掛かれないらしく、

でもそれくらい間があいたら再投票できるらしい。

 

次回は住民投票は行わない予定なんだって。

それってもう上の人たちの利権だけで決めるってことじゃんね。

 

 

とまぁ長くなったけれど、

知り合いにこの村で生まれ育って家族を作って、って人とかいるんだけど、

そういう人からしたら自分の親しんだ場所が変わっていくって寂しいと思うな。

 

5年後、10年後、この小さな村が今と変わらず自然豊かでありますように。