ロンドンに住んでいる日本人なら、誰しも一度は経験するであろう出来事。
それが、国際小包に関するトラブル。

日本から送ったはずの荷物が届かない
3日ほどで到着するはずのEMSが5日間も税関で足止めをくらっている
いつの間にか荷物が送り返された
そもそも荷物がなくなった


などなど、イギリスの郵便事情は悲惨の一言です。
その中でも、特にダメージが大きいと思われるのが輸入品に対する課税


そう、そしてその忌まわしき税関検査に、ついに私も引っかかってしまったのです。。。


私の場合は、実家の母親から以前使っていた羽毛布団を送ってもらう、というケースでした。一瞬税金のことが頭をよぎりましたが、これまで日本から送ってもらった荷物はいずれもスルーだったので特に心配していませんでした。
が、例によってなかなか到着しないと思ったらParcel Force(配送業者)から1通の見慣れない封筒が。嫌な予感がしながらおそるおそる開けてみると・・・


荷物を受け取りたければ以下の金額を支払いなさい。
20日間を過ぎると荷物は送り主へ返送されます。

Import VAT £68.56
Clearance Fee £13.50
Total £82.06



との記載が。。。
82.06ポンドって1万円超えなんですけど。。。

羽毛布団とはいえ、ニ●リに行けば1万円で新品が買えるぜ。。。と激しく落ち込みました。


しかしながら、実際のところどういう場面でこの税金が課されるのかよく分からない。
私自身も引越しの際に大きな段ボール3つ&ゴルフバッグを送ったときには1円たりとも税金がかからなかったし。。。ネットを調べても明確な根拠を示す資料は見当たりませんでした。

これはしっかり考えねば!

ここでの検討の対象は、自分が元々所有していた私物を日本からイギリスに郵送する場合に何らかの税金が課せられるか、に限定します。


まず、イギリスに持ち込む荷物に対する課税として、

Customs Duty(関税)
Excise Duty(物品税)
Import VAT(輸入付加価値税)


の3種類があるようです。
とりあえず、物品税というのは酒・タバコにかかる税金なので、普通の荷物を送る場合には関係ありません。
しかしながら、HM Revenue&Customsのホームページをいくら読んでもCustoms DutyとImport VATの違いが分からない。。。

上記HPによれば、Custom Dutyは国外で製造された製品の輸入に対する課税、Import VATは製品の供給に対する課税とのことですが、Import VATの説明文が意味不明です。。。

VAT is a tax normally charged on the supply of goods (and services) made by a VAT - registered business in the UK.

ちょっと誰か解読してください。。。なんでVATの定義の中でVATが出てくるの?


心が折れそうになるのをグッと堪えてさらに情報を集めていきます。

Parcel Forceの通知の中にGeneral Informationとして課税の概要がまとまっていたので、そこをちょっと見てみます。すると、ここには具体的な数字が記載されていました!


Commercial Items(ネットで購入した商品を含む)については15ポンドを超える場合、又は
個人間のGiftについては36ポンドを超える場合


には、一般的にcustom charge(Customs DutyとImport VATを含む概念として使われているようです)がかかることになるとされています。
そして、金額は基本的には申告額を基準に算定されるとのことです。


ちなみに、私の場合になぜ税金がかかってしまったのかを確認したところ、母の記載した送付状にはGiftにしっかりチェックが入っており、申告額は4万円となっていました。。。
えぇ、形式的に上記基準にあてはめれば、そりゃ課税されますよね。。。


ただ、税務当局の視点からすると、申告額を基準に課税するというのは実効性に疑問もありますが(故意に金額を低く申告すれば税金逃れができてしまう)、荷物が紛失・毀損した場合の保険金額も同様に申告額を基準に計算されるため、保険との兼ね合いで不当に低く申告することは少ないと考えているのでしょうか。

ちなみに、何年も前に買った使い古しの布団になぜ4万円という高額な申告をしたのかと母親に聞いたところ、「布団の金額なんて覚えていないけど、郵便局の人に保険を掛けたい金額を書けと言われたから高めに書いた」旨供述しておりました。
郵便局の係員も適当なコト言わないでよ。。。


さてさて、本題に戻りましょう。
上記Parcel Forceの通知書の記載を分析すると、1つの仮説が導き出されます。


Commercial ItemsでもGiftでもない場合(自分の私物を自分宛に送付する場合など)には、何ら税金がかからないのではないか?



この仮説が正しければ、今回の布団の送付には税金が課せられる必要はなかったのでは!?

ちなみに、なぜ母親が敢えてGiftにチェックしたのかも聞いてみましたが、「郵便局の人が勝手にチェックした」とのこと。



ちょっと、○○郵便局の中の人!!
自分の物を自分に送るのはGiftじゃないでしょ!




再度話を戻して、上記仮説を裏付ける情報がないかHM Revenue&Customsのホームページを一生懸命探したところ、それらしき説明が書いてある箇所を発見!

冒頭では、イギリス人が海外に荷物を持って出かけ、不要になったものをイギリスに送り返す場合には税金はかかりません、という趣旨のことが記載されていますが、内容を読んでいくと私物(personal belongings)についてこんな箇所が。


ざっくり訳すと、

私物をイギリスに送るときには"personal belongings"と明記してね、もし書いてないと商用目的だとみなしてCustoms DutyやImport VATを課しちゃうぞ

とのこと。


これは裏を返すと、

私物を"personal belongings"と明記して送付する場合にはCustoms DutyもImport VATも課税されない

ということを前提にしているようにも読めます。

これに続き、私物が一定の金額を超えている場合には、C3フォームの記入を求めることがあるので、その場合にはこれを返送しないと荷物を受け取れないよ、とされています。


では、このC3フォームとはどんなものなのか、私物の持ち込みの申請手続とはどういうものか、を調べようとしたところ、このページに行き当たりました。

とりあえず、Form C3というのは見つかりましたが、荷物が届くコンテナの番号を書けとか色々言われていて、ちょっと疲れました。

さらに、この他にもEU域外から私物や車を持ち込む場合に関するページも見つかりましたが、ご覧のとおり、なが~い割りに内容が全然整理されていません。。。




う、うん。



もうこれ以上は、無理。。。





結論:
イギリスの関税制度はよく分からない。






・・・というだけではさすがに終われないような気もしますが、少なくとも上記仮説を覆すだけの情報は見つかりませんでした。
そこで、上記仮説が正しいことを前提に、本来課税されないはずの物品に税金をかけられないようにするためにはどうしたら良いか。果たして有効な方法かどうか分かりませんが、理屈から言えば、


①差出人を自分の名前にし

②Personal Belongingsと明記する



ことで、商用製品ではなく、かつ、贈答品でもないことが明確になるはずですから、custom chargeはかからないことになる・・・はず。
上記仮説の真偽は今後の状況によって自ずと明らかになることでしょう。イギリス在住の皆様の中で上記対応をしたにも関わらず課税されたという方がいらっしゃれば是非コメントいただけると助かります。


ただ、ここまで一生懸命考えてみましたが、イギリスは



必ずしもルール通りに運用されない



という恐ろしい国ですので、上記方法で課税されたことに伴う損害について当ブログは一切の責任を負いません
ルールがルールとしてしっかりと守られるなんて、おそらく日本だけの幻想なんですよ。。。だって、役所とはいえ現場で働いている人は、イギリス人なんですよ?


おっと、思わず本音が出てしまいましたが、日本からイギリスに高価なものは持ち込まないというのが最善の防衛策であると思います。


*追記*
2014年に再び渡英した際の体験談もアップしましたので、併せてご確認ください。。。
やっぱり酷かったイギリスの税関検査…