まだまだ寒いですが、暦の上では春です
 
 春と言えば、新たなる息吹の季節。
 受験、そして卒業の季節でもあり、就職の季節でもあり。
 ひとつひとつ歳を重ねて行く上にて、寂しさの否めない季節でもあります。
 
 特に学び舎の日々を一生涯で最も長く過ごしていく小学生時代は、クラス編成や担任の先生などに取り分けて一喜一憂の時節。
 何より少しでも早く、少しでも多く、仲良しの友達を作っていきたい…その一念に誰もが駆られ、心底より願ったことでしょう。
 
 そんなピュアな童心をコミカルながらきわめて顕著に描き、絶大な人気を集めた特撮ドラマが1976年、テレビ朝日系にて放送され、大々的な人気を集めていました。
 そこで今回は横浜在住時の中古レコード市にて主任が見かけ、思わず購入してしまったその作品の主題歌について語っていきましょう。
 
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多くを語るとページにいとまがないので、リンク先をご参照いただきたくありますが
 
 「5年3組魔法組」 …このタイトルに遠いまなざしを覚えたこと、30~40代に現状を甘んじている方々なら決して少なくないことでしょう。
 
 仲良しグループの少年少女五人組が、ある日ひょんなことから魔女と知り合い、不思議な力を駆使する秘密道具をもらい受ける。
 主人公たちはそれを世のため人のため、役立てようとするけれど、決してうまくいくことはありえず、毎回のようにハプニングやアクシデントが。
 
 同じ東映作品としてはプリキュアシリーズ以前に人気を呼んでいた「おジャ魔女どれみ」シリーズを思い出された方々もおられる筈。
 変身ブームも一段落にあった本放送当時は、極めて良心的な作りがPTAの規制からも比較的緩和にとらえられて高評価を受けており、単発企画で完結したとは言うもののその後度々再放送、多くのファンの支持を受けていました。
 本作の視聴を経て、「5年生になったら3組に編成されたい!」と、当時子供だった誰もが思ったことでしょう。
 
 
 当一枚はコロムビアレコードの児童向けコンテンツの強化形態…EPレコードに33回転形式での録音を施行して、A面にはフルバージョンのOP及びED、B面にはミニドラマを収録したファンファンシリーズの一端。
 
 東映映像本部プロデューサーの共同総称・八手三郎名義にて作詞、歴代数々のヒーローもの主題歌で知られる菊池俊輔先生の作曲によるOP主題歌は、コロムビアゆりかご会(ジャケットではヤングフレッシュと誤記)ザ・チャープス歌唱の
「それゆけ魔法組」
 ほんわか明るいメジャー調で一貫され、好奇心たっぷりの「魔法組」の五人の心情をのんびり綴ったナンバーであり、心身ともに疲れ切った時など、耳に心地よい効果を施してくれます。
 
 同じスタッフ制作でコロムビアゆりかご会から、本編における「真の主役」たる魔女ベルバラを熱演された故・曽我町子氏にシフトされているED主題歌はズバリ
「魔女はいじわる」
 5人に7つ道具の入ったMJバッグを譲渡しつつ、始終ちょっかいを出してきてはトラブルのもとを好んで産み落とすベルバラの心情がテンポよく歌いこまれており、思わず頬がにんまりしてしまいます。
 
 B面収録の「魔女ベルバラは、ホットケーキが大好きだ」は、メンバー中においておしとやか担当のミツコがそのお人よしぶりをベルバラに付け込まれて、ホットケーキを延々と作らされている事を知ったアサコ達がミツコを助け出そうとする、といった内容のミニドラマ。
 魔法組の5人も含めほぼ全員が代理キャストですが、ベルバラのみ唯一オリジナルの曽我さんが参加されています。
 
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 本作を語るにおいてまずスルーの許されないことは、何より曽我さんのベルバラ。
 無類のいたずら好きでいじわる好き、精神年齢は魔法組の5人とどっこいどっこい(それ以下?)ながらも、根は優しくて人一倍の寂しがり屋。
 プライベートでも子供が大好きだった曽我さんのカラーが最も強く表されていたキャラ、と言えば恐らく、本作における魔女ベルバラが一番なのではないかと主任は考えます。
 
 そんな曽我さんがご自宅にてすい臓がんがもとでひっそり亡くなってより、今年の5月7日で9年。
 今頃は「泣いてたまるか」で共演され、可愛がって下すっていた渥美清さんと共に あの人懐こい満面の笑顔で、全国の5年3組の子供たちを見守ってくださっていることでしょう。
 
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