リフティング馬鹿一代 | ネオアヴァンギャルド

リフティング馬鹿一代

両もみあげを持ち上げられて、足が浮くくらい持ち上げられて、窓からアメリカを見たよ
どうもアジアの大砲上村です。
趣味はグレイシー柔術です。

今日ヤスとシノブとなか卯に行きました
よっしゃー牛丼食べようぜ!
僕らただワクワクとドキドキだけを持って、なか卯に行くことを決意した

この時はまだなにも知らなかったんだ

まさか、あんなことが起きるなんて・・・

「並」
「並」
「並」
「KODAWARI」
なぜか外人なまりの食券販売機

今日はなにか違う!!

言いようも無い雰囲気の中、僕らは席に着く
そこには、まだ片付けられていない
前の客の、丼ぶり、丼ぶり、丼ぶり・・
いつまで続くのかわからない丼ぶりの連鎖
そして僕のまえには、いかにもドンぶってるシノブ、ドンシノブ
いや、、シノブどん、、

そう呼んでもいいですか?
思わず、口にだしそうになったが
必死に食い止めた。それが、、
それがここでのルールなのだから!

おもむろに残った丼ぶりを下げる店員
僕はとっさにこう言った
「ゆっくりでいいですよ。」
「・・・」
そう、彼女はもうわかっていたんだ
この後に起こる悲劇を・・

口をふさいだまま、彼女は注文をとると静かにこう言った
「並三丁にKODAWARI一丁でよろしいですか?」
「おう!」
シノブの低い声が店内にこだまする

チクタクチクタク・・・

「おまたせしましたー。」
僕たちの前に並べられる、牛丼並

その時だった!!!!

そうそれは刹那の瞬間
やすが異変に気づいた。
そうか、この違和感はこれだったのかぁ!

「米がおかしい・・・。こ、こ、これ、米がお、お、おか、おか、おかしいんだよー!」

あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!

悲劇が幕をあげた

パニックに陥る、やす、そしてシノブ!
危険はもう回避できない!
事件は確かに現場で起きてる!!
みんな、落ち着け!伏せろ!冷静になるんだ!
僕は自分で自分をコントロールするのに精一杯だったんだ
もっと、もっと早く気がついていれば
こんなことにはならずにすんだのかもしれない!
僕のせいだ・・僕があのとき気づいていれば・・
悔やんでも悔やみきれない

「こんなのキャンプの時の米だよ!」(シノブ)

それやー!!!!

みんな、はっと我に返った瞬間だった

言い様のない、この米のアブストラクトな感触は
まさに、キャンプの時のソレだった

これからはこの被害が広がらないように
僕らが異変を周囲に呼びかけなくてはならない
「シノブいけるか?」
僕は目で聞いた
そう戦場では小さな声ですら命とりになると
NHKで言ってたような言ってなかったような
「いける。」
シノブは目でそう言ったように感じた

「すいません、米が変です。」

うん、確かに。しかしストレートやな

「食べてみてよ、絶対変やから。」
「ほらほら」
「いや、調理場のほうの米を食べますんで」

敵も必死だった。
生きるか死ぬかの瀬戸際
他人は信用するな、とラサール石井が言ってたような言ってなかったような

「すいません、確かに米がキャンプっぽいです。」

僕らの努力が実った瞬間だ。
勝った!どうにか乗り切ったんだ!

「じゃあ、代金をお返しするってことでいいですか?」

こうなればもう、僕らの勝ちだ。
好きにすればいい。

「いいよ。」

そして、代金を受け取った僕らの顔には
まぶしいくらいの充実感が残っていたんだ