スイーツ税理士 植田ひでちかのブログ

江戸川区西葛西のスイーツ業専門税理士。洋菓子・和菓子みんな好き。
国税職員として20年勤務後、ケーキ屋だった家業と両親をみて事業支援を志し、税理士として独立起業。


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おはようございます!


 今週月曜発行の週刊T&AMasterで、「自宅兼事務所の家賃、必要経費と認めず」という記事が掲載されました。


 自宅兼事務所で生命保険の代理店業務を営んでいた納税者が、1階をビジネス専用の集会場、2階の洋室のうち1室を業務専用スペースとして常時使用していたとして、これらの面積に対応する部分の家賃を必要経費に算入していたところ、これが否認されたというケースです。

 東京地裁平成25年10月17日判決では、本件住宅について、全体として居住の用に供されるべき3LDKの2階建て住宅であり、その構造上、本件住宅の一部を居住用部分と事業用部分とに明確に区分することができる状態にないこと、リビングなどを業務専用スペースとして常時使用し、それ以外の用向きには使用していなかったとは考えられないと指摘し、家賃の必要経費算入を認めない判決を下したということです。


 ちょっと驚きの判決ですね。

 自宅の一部を事務所として使用している事業者の方は、多いと思います。
 ちなみに、当事務所もそうです。

 この判決の判断が主流になると、困ってしまいますね。

 このような事件は、本当は判決書をじっくり読んで、双方がどのように主張し、どういった点が争点になって、判断されたのかを吟味する必要があります。


 本件の判決書きは書誌に掲載されていないことから、細かい内容は確認できません。

 しかし、T&AMasterの記事によると、このような記載があります。

 この件では、下の図のように、2階建て3LDKの住宅のうち、1階のトイレ・浴室を除くリビング・ダイニングキッチン部分と、2階に3室ある洋室のうち1室を事業用として、その面積の割合で家賃を事業用に案分して、必要経費に算入していたようです。


 
(T&AMaster No.531記載のイメージ図を元に筆者作成)


 しかし、普通に考えると、1階のリビングとダイニングキッチンをビジネス専用の集会場として使っていたというのは、無理があります。

 もしそうなら、ご家族は、1階のリビングを一切使わずに、2階の洋室2部屋だけで生活していたということになりますからね。

 僕が税務調査に行ったら、そりゃないでしょ、と言いたくなるかも知れません。


 記事によると、判決では、本件住宅のうちのリビングなどが業務専用スペースとして使用されていたことを前提に、その面積に対応する家賃を業務の遂行上必要なものとして必要経費に算入することはできないとしたそうです。

 ここから読み取ると、リビングなどを含めた面積案分では、必要経費の算定として適切ではない、という判断であったように思われます。

 仮の話ですが、2階の洋室1室ないし2室を業務専用として家賃の計算をしていたら、同じ判断にはならないとも考えられます。

 
 裁判例は、最高裁判所の判例を除き、基本的には、各事件ごとに個別に判断されるもので、必ずしも同じ判断がされるとは限りません。

 僕が担当した租税事件でも、全く同じような2件の事件で、地裁の判断が全く逆になったこともあります。

 したがって、本件のような判断があったからといって、今後すべてそのような判決が出るという訳ではありません。


 
記事のヘッドラインや判決の概要だけで判断して、保守的になりすぎる必要はないでしょう。

 むしろ、
なぜそのような判断が出たのかという点をきちんと理解し、その判断の射程をちゃんと把握した上で実務に活かしていくことが必要です。

 

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