新型コロナワクチン担当の河野大臣から“国産ワクチン”の承認の見通しについて「早くいけば年内にも、というところがあるように聞いている」との発言があったとのことですが、日本をはじめ世界各国で「ファイザー」・「モデルナ」・「アストラゼネカ」等が開発したワクチンの使用が始まっています。それに伴って、安全性や有効性の確認に必要な「偽薬を用いた数万人規模の最終段階の治験(臨床試験)を年内に実施することが難しい状況となっている」(*1)ようです。これはワクチンを開発中の製薬会社の1つである塩野義製薬のものについての話ですが、同様の事情を抱えている製薬会社があってもおかしくないと考えます。

コロナ禍はいつ収まるか分かりません。海外製ワクチンへの依存度を下げて「国内へ安定的・継続的にワクチンを供給するため」、そして、安全性・有効性・取り扱いの容易さ等において海外製よりも優れた製品を開発して国外へも供給することにより、「国際社会へ貢献するため」、アメリカで採用されているような安全性を担保した上で使用を認める緊急使用許可(*2)の仕組みをこれを機に日本でも導入した方が良いのではないかと考えます。

 

*1: SankeiBiz2021, “国産ワクチン年内供給困難に 塩野義製薬、大規模治験難しく”, https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210316/mca2103161710029-n1.htm ,2021429日参照)

*2: 日経バイオテク(2020), “緊急使用許可(EUA)”, https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/011900001/20/05/15/00334/ ,(2021429日参照)