⒍
⑴
うどん屋大将・清水
新人アルバイト・千葉
清水の妹・花梨
花梨の彼氏・森田
四名。
彼女をYouTuberに奪われ、
清水「何がYouTuberや!」
すると、森田が上手側前方に一歩出て、客席の方を向きながら、
コミカルに背を伸ばす感じで大袈裟に、
森田「ドキッ!」
清水「汗水垂らさず、楽して暮らしやがって!」
森田がまた背を伸ばして大袈裟に、
森田「ドキッ!」
清水「YouTuberは全員死んだらええんじゃ!」
森田がまた背を伸ばして大袈裟に、
森田「ドキッ!」
森田のコミカルな『ドキッ!』三連発で
計算通りか計算外か客席が少しずつ静かになると、
清水が森田に対し、
清水「なにスベってんの?」
森田「スベってはないです。(苦笑)」
清水「スベってる空気が出てる(苦笑)」
⑵
清水が森田に対し、
清水「どうぞ、お座りください」
先に森田が中央テーブル下手側に座り、清水が上手側に座る。
清水「何の話でしたっけ?」
花梨「なんやったかな、ハハハ」
兄がYouTuberに激しい嫌悪感を抱いていることが確定した
森田の職業の話を忘れたままにさせておきたい、花梨。
しかし、千葉がまた余計な口を挟む。
千葉「仕事の話」
そう言うと、千葉は自分の仕事に戻り、レジ前テーブルの箸置き等を直し始める。
森田「ちょっと!」
森田が千葉の袖を掴み、玄関付近に連れていこうとする。
千葉「何するんですか!、
千葉「邪魔しないでください!」
⑶
結局、森田と花梨で千葉を玄関付近に連れて行く。
中央テーブル席に座る清水に聞こえないようにコソコソと、
森田「仕事の話はまずいんですよ」
花梨「お兄ちゃんには内緒にしててください」
千葉「隠しても、すぐバレますって!」
花梨「今だけでも」
三人の様子を見ていた清水が
清水「何、コソコソ話してんの?」
⑷
清水が森田に対し、
清水「どうぞ、お座りください」
森田が中央テーブル下手側に座る。
清水「お仕事の話でしたね」
清水「お仕事は何を?」
森田「職業は、え〜っとですね…」
花梨「カメラマンッ!」
森田「あっ、はい、カメラマンです!」
清水「カメラマン。何を撮る方ですか?」
森田「何でも撮ってます」
千葉がまた余計な口を挟む。
千葉「スマホでいつでも見れますよ?」
清水「えっ、じゃあ、今から、」
森田が清水の発言を遮るように、
森田「折角なんで大きな画面で見ていただきたいです」
森田「今度、大型のタブレットを持ってきますので、
清水「分かりました。楽しみにしてますね」
職業の話をなんとか誤魔化せた、森田と花梨。
⑸
花梨「お兄ちゃん、話があって」
森田「花梨さんと結婚させていただけないでしょうか!」
清水「こちらこそ、花梨のことをよろしくお願いします」
花梨「いいの?」
清水「反対する理由が無い」
ここでまた千葉が余計な口を挟む。
千葉「あるかもしれませんよ?」
森田「エァーイッ!!」
大声で千葉の言葉を掻き消す、森田。
清水「…?」
⑹
清水「めでたい日やし、兄ちゃんが料理を作ってご馳走するわ」
清水「買いもん行ってくる」
清水が買い物に出かけようとすると、
千葉「大将、唐揚げマストで」
清水「やかましいわっ!」
清水が買い物に出かけた。
⒎
⑴
カメラマンと偽ることで職業話を切り抜けた、森田。
森田・花梨・千葉、三人で固まり話し込む。
森田「お兄さん、大丈夫かな…」
花梨「カメラマンって信じたから大丈夫よ」
確かに撮影するという意味で完全な嘘ではないが…
清水「財布忘れた…」
清水が店に戻ってくるが誰も気付いておらず、
千葉が森田に対し、
千葉「大丈夫ですよ!」
千葉「森田さんがYouTuberってこと、
清水「YouTuber!?、ほんまか!?」
森田・花梨「…!」
森田「はぁい!(悲)」
清水「なんやその返事!? おかしないか?」
森田「はぁい!(悲)」
清水「ふざけてんちゃうやろな!? 二度とその返事すな!」
森田「…、はぁい!(悲)」
窮地に追いやられると、どうしても『はぁい』が出てしまう、
⑵
清水「YouTuberとの結婚は認めんぞ!」
花梨「お兄ちゃん、
花梨「いろんな人がいる。良い人もいるわよ!」
清水「やかましい!」
清水が森田に対し、
清水「今すぐ出て行け!」
その6に続く