Coda あいのうた

 



軽めの『グッド・ウィル・ハンティング』

・才能に溢れながら、大きな問題を抱え日々を過ごす主人公
・主人公の才能に惚れ、道を作ろうとする教師
・主人公の背中を押す兄=親友

『Coda』と『グッド・ウィル・ハンティング』、
両作のキャラクター・物語は大枠では非常に似て見えます。

激熱な兄と教師の言動に高揚感が得られる作品でした。

⑵
タイトル

『CODA=楽曲終結部』の意味合いが一般的ではないでしょうか?

コアなロックファンなら、レッド・ツェッペリンの作品が思い浮かぶ方も多いかと思います。

ただ、CODAには全く別の意味があって、
主人公が音楽的才能があるCODAという位置付けですから、
タイトルは二つの意味を掛けているのでしょうね。


笑い

作品が重くならないよう、随所に笑いが用意されています。
が、笑いは全て直球の下ネタです。

 

序盤は下ネタを入れる意図を「登場人物を聖人化しないため?」等と考えましたが、
老若男女問わず、皆、シモのことしか頭に無いと思うほど直球の下ネタばかり喋ります。


この笑いの取り方は好き嫌いはっきり分かれそうですね。



映画館で活きる演出


映画鑑賞している客席側が静かだからこそ活きる演出が終盤に待っています。
 

①主人公視点 : 観客に主人公家族への呆れ・失望を抱かせる
  ↓

  ↓ からの

  ↓

②家族視点 : 主人公家族に呆れ・失望を抱いた観客自身に悔いを与える

安易に『分かり合える』ことを主張するのではなく、
分かり合うことの難しさを体感させる場面になっていました。

作品に興味がある場合は動画配信を待たず、映画館でご覧いただきたい作品です。

 

 

 

 


 

ザ・バットマン

 

 

重苦しくもヒーローものらしい熱い結末で、見応えのある作品でした。

 

ロバート・パティンソン

 

パティンソン演じるバットマンの中身、ウェイン産業御曹司ブルース・ウェインは

これまでのバットマンシリーズで最も寡黙な草食系優男で、

まさか草食系御曹司が厳つく荒々しいバットマンの正体とは誰も気付きませんよね。

 

ギャップ萌えというやつでしょうか。

大好きなバットマン=ブルース・ウェインになりました。

 

Nirvana - Something In The Way

 

『ダースベイダーのテーマ』風のテーマ曲が転調すると

いつの間にやら聴き慣れた曲に。

 

ゾクゾクしました。

 

 

バットスーツ

 

敵の牙城に軽装で潜入した後、画面が切り替わるとバットスーツを装着している場面があり、

あのゴツいバットスーツの仕組みを知りたくなりました。

 

ポケットに入るくらい小型軽量で、

スイッチ一つで巨大化・硬化し、ブルースの身体を覆うのでしょうか<?>

 

上映時間3時間

 

作品にのめり込んでいたため、全く長く感じませんでした。

 

ただ、物語を振り返ると、

複数の事件を解決しながらラスボスに辿り着く連続ドラマ風の構成で、

要点を絞れば、2時間半に収められたようにも思います。

 

理想はやはり2時間以内でしょうか。

2時間超となると、よほど作品の質が高くないと次第に集中力を保てなくなりますね。

 

黒のトーンで統一された映像

 

私は標準的な映画館で鑑賞し、それで十分満足しましたが、

黒色の表現に優れた最新のシアターでより映える作品かもしれません。

 

 


 

KAPPEI カッペイ

 

 

気軽に観ると滅茶苦茶楽しい作品。

ひとつひとつの笑いよりも総合的な楽しさですね。

 

『ザ・バットマン』鑑賞後、

作品に気持ちを持っていかれ過ぎないよう中和したくなりまして、

その場で最も馬鹿馬鹿しそうな作品を探すことにしました。

 

で、この日の2本目として選んだのが前情報ゼロの『寛平』いや『勝平』でした。

 

気軽に観たら、滅茶苦茶楽しいじゃないですか。

 

中年二人がヒートアップし、

「山瀬はブスだっ!プンプン

「ブスじゃないっ!プンプン

 

「山瀬はブスだっ!プンプン

「ブスじゃないっ!プンプン

 

なんですか、これ。笑

 

あらすじは、

来るべき終末に備え、世と隔絶された孤島で拳法・無戒殺風拳を叩き込まれ、

救世主『終末の戦士』として育てられる少年たち。

だが、大人になっても終末は来ず、拳法以外取り柄が無いまま現代社会に放たれてしまう。

人生経験不足で身体だけ大人な中年たちが初恋をし、生き方に悩み…

そんな青春ものでした。

 

「悪のいない世界で、正義のヒーローは何をすればよいのか?」

「…、終末は必ず来るプンプン

そう自分に言い聞かせ平静を保つ主人公が哀れで。

 

全てを犠牲にして勉強や部活に打ち込むも、その時抱いた理想と異なる今を生きている人は

生き方で悩む主人公に感情移入し易いのではないでしょうか。


ダンスシーン

3時のヒロイン・かなでさん

 

ダンス上手っ!

動く動く。

(編集もあるのでしょうが)

 

終末の戦士の一人・守が「クール」と一目惚れするのも納得です。

 

終末の戦士・守

 

守の恋敵を関口メンディーさんが演じていて、守はダンスで打ち負かされるんです。

そりゃ、拳法の修行しかしてこなかった守がダンサーに勝てるわけがない。

と思っていると、終盤のとある場面で守のダンスが見る見る進化し、

素人目にも高度な技を連発し始めて。

 

鑑賞後に守役を調べると、大貫勇輔さんというプロダンサー(兼俳優)さんでした。

下手に踊るのも上手いですね。(ん?)

 

キャラクターの言動や笑いが合わない場面があるかもしれません

ツッコミどころも満載かもしれません。

 

ただもう、エピローグが最高ですね爆  笑

人類的には最悪のバッドエンドなのに、

主人公・勝平と彼の苦悩に付き合った観客にとってはこれ以上ないハッピーエンド。

 

「終わり良ければ全て良し」、久々にこの言葉が頭に浮かびました。

 

期待値を上げずに気軽に観ていただきたい作品です。

そうすれば、滅茶苦茶テンションの上がる結末が待っていますから。

 

 


 

映画『モービウス』

のフライヤー

 

 

完璧。

(スパイダーマンに登場する新聞デイリー・ビューグル紙の一面、という体裁)

 

現実世界でも虚構を崩さず、虚構で塗り固めるエンタメ手法は大好物です。

むしろ、エンタメは虚構だけでよいくらい。

 

役者さん芸人さんが演じるキャラクターの趣味嗜好は知りたいけれど、

役者さん芸人さん自身のプライベートは極力知りたくない。

ディズニーランドに立つミッキーの中身もディズニーランドの財務諸表も見たくない。

そんな感覚でしょうか。