⒑ 終

岳夫と響が仲直りし、
清水「良かったニコニコ
すち「私には一銭の得にもならんけど、まあ、良かったわニヤリ」 照れ

清水「これで一の介さんと梨奈さんの再婚話を切り出せるニコニコ
岳夫「再婚!?」

ひび「えっ?」
すち子が岳夫と響に対し、
すち「あんたら、二人が付き合ってるん知らんかったやろウインクニヤリ


清水「詳しい話は本人の口から…」
清水が旅館にいる一の介を、すち子が土産物屋にいる梨奈を呼び、
二人が現れる。

すち子が一の介と梨奈に対し、
すち「仲直りしましたニヤリ
清水「些細なことで誤解していたみたいで」
すち「二人、両想いやったニヤリ
梨奈「そうなの?」

一の介が岳夫と響に梨奈とのことを打ち明ける。
島田「梨奈さんと真剣にお付き合いさせてもらっていた」
梨奈「私たち、再婚したいの」


岳夫「いいよ照れ
ひび「賛成よ照れ
一の介と梨奈が晴れて再婚できることになった。


すち子が岳夫と響に対し、
すち「二人は兄妹になるけど、連れ子は結婚できるからウインク
すち「バトクラで兄弟大会にも出られるウインク

島田「実は、響に隠れて、お父さんもバトクラしてるんや」
梨奈「あなたも?、私もよ」
岳夫・ひび「そうなんや!びっくり爆  笑
二人は子供となんとか接点を持とうとしたのかもしれない。
すち「それやったら、家族大会にも出られるやんウインク


しかし、すち子が一の介と梨奈に余計なことを尋ねてしまう。

すち「一の介さん、バトクラのプレイヤーネームは?

島田「ピッカリビーム」
梨奈「…!びっくり

すち「梨奈さんは?

梨奈「ブル中野」 笑い泣き
島田「…!びっくり

島田「(ブル中野は)お前やったんか!プンプン
島田「ワシ、お前のプレイ、大嫌いや!ムキー」 笑い泣き
島田「ちょこまか動いて!」

梨奈「私もあなたのプレイ、大嫌い!ムキー」 笑い泣き
梨奈「茂みに隠れてばかりで!」
(↑芋・芋砂等と呼ばれ、体を隠し一方的に相手を狙うため、嫌われがちな行為)

島田「響!プンプン、」
梨奈「岳夫!プンプン、」
島田・梨奈「別れなさい!プンプン」 笑い泣き

岳夫・ひび「…アセアセ

清水「滅茶苦茶やー!!ガーンアセアセ」 笑い泣き笑い泣き

オンラインゲームやSNSで知り合い、気の合う者同士が結婚する、新時代。
その逆もまた然り。

 

 




 


 

[雑感]
⒈


時勢など、どこ吹く風。
いつも通り、容姿弄り・下ネタのアドリブオンパレードで、すっちーさんらしい内容でした。


一方で時事ネタらしきものも挟まれ、
(おそらく、深い意図は無いにせよ)意外に感じました。



略称の取り違えが原因の不仲

吉本新喜劇の定番パターン。


強く思い出すのが、
同じ祇園花月公演での『ユニバ=ユニットバス卸売市場』(所在地・鳥取大山)です。
元々の響きが面白い上に、井上安世さんの言い方が更に面白くしていました。
言い方一つで面白さが何倍にもなる、芸人さんの腕の見せ所なのかもしれませんね。

 


実在する人物・娯楽等を用いた笑いの難しさ

・1980年代…金八先生、北斗の拳、落合博満選手、ブル中野選手
・2010年代末期以降…フォートナイト・APEX等のバトルロイヤル型オンラインゲーム
すっちーさんの少年時代の思い出と現在のプライベートを盛り込んだ内容でしたが、
両年代の話題に軽々付いていける観客は多くなかったのではないでしょうか?

過去の出来事にも今の出来事にもアンテナを張り、娯楽や文化と接しているならば、
年配の方でも小学生でも全ての話題に付いていけるのかもしれませんが。

 

観客側の知識を前提とする笑いはすっちーさんをもってしても難しいですね。

 

容姿弄り・癖弄り・下ネタの分かり易さ

 

その点、容姿・癖弄りや下ネタは万人に理解させる一番簡単な方法なのでしょうね。
小さな子供が最初にする笑いも多くは容姿・癖弄り、下ネタ(、そして物まね)ですものね。

ただ、プロの世界ではこの手の笑いは線引きが厳しくなる一方で、
優しい笑い・奥深い笑い・独特な視点…

より高度な笑いが求められる時代に既に移行してしまったように思います。

 

吉本新喜劇は自らの身体的特徴を主武器として活動している座員さんも多く、

直ちに時代の流れに合わせることは現実的には困難にも感じます。


すっちーさんは今後、笑いの取り方をどう変えてくるのでしょうか?
それとも、このまま我が道を突き進むのでしょうか?
新体制の実質的な看板座長が新しい時代とどう向き合い、

どういった笑いを目指すのか、気になります。
 

 


 

[余談]

吉本新喜劇の今後の笑いの取り方や座長観について、

吉田裕さんのインタビュー記事が上がっていましたね。
 

新型コロナ禍で吉田裕が再認識した吉本新喜劇の“根っこ”(中西正男)

 

個人的には、他三リーダーの吉本新喜劇観・座長観も等しく知りたいです。
なにかと一名だけを取り上げ続けるのは
大きな力が働き、ゴールから逆算してライトアップしているようで、著しくアンフェアに見えて。

 

物語が自然に動き、結果的にオチ(=座長)が生まれる。

それが一番美しいと思うんです。


一ファンなりの吉本新喜劇像
 


さて、吉田さんのインタビュー記事を読み、吉本新喜劇とはなんぞやと考えまして…

一ファンなりの吉本新喜劇の定義
・吉本新喜劇座員さんによる劇であること
・老若男女、皆が安心して楽しめる内容であること
・笑いがあること
・観賞後に元気が出ること


突き詰めると以上でした。


「吉本新喜劇はこうあるべき」と仕様を厳密に定義付けることは様式美化に繋がり、
発展を阻み、停滞を招く保守的で危険な発想だと思っています。

お芝居寄りの劇があってもよいし(→ならば、ギャグ・キャラを凌駕する完成度の台本を)、
ギャグやキャラクター寄りの劇があってもよい。
人情劇もあれば、ポップに徹した作品があってもよい。

(TV放送の都合を抜きにすれば)
上演時間を50分にこだわる必要も無いし、
人数を十数人にこだわる必要も無いし、
若者客のオープニング→事件発生→解決→大オチの定番構成にこだわる必要も無い、
とすら思っています。

 


補足 
例えば、開幕いきなり人質場面から始まって、途中で一時停止した犯人にのみ光が当たり、
ナレーション「この犯人が今回の主人公です。この冴えない男が」
主役「言いすぎやろー!」
で暗転し、ホンワカパッパが流れ、

過去に遡り、善良な主人公が犯行に至るまでの面白おかしな理由を30分描く展開でも私は構いません。


定番を求める観客や定番に安心感を覚える観客が多いことも理解できますし、
皆さん、バランス取りに苦慮されているように感じます。
「ほんまは吉本新喜劇の定番フォーマットとは違う、全く新しい劇をやりたいねん」
そう考える座員さんも実際は多いのかもしれませんね。


 

 

2021/09/17~20
【よしもと祇園花月・すっちー座長週】
『すち子の、コンビの力で敵を撃て!』 完