今回は各リーダー座員さんの魅力とは切り分けまして、

あくまでシステム面について触れていきます。

 

 

非日常なリーダー制度の日常化

 

エンタメにおいて、非日常のワクワク感は一番大事な要素ではないでしょうか?

 

将来的な格を重んじた、非日常で特別な吉本新喜劇リーダー制度。

実質的なリーダー週スタートから今月で丸4年もの年月が経つのですね。

 

非日常感を維持・加速させながら

盛り上がりや機運が最高潮に達する中での新座長誕生が期待されましたが、

実際には仕組みが十分活かされず、大きな起伏も進展も無いまま年数を重ね、

気付けば日常の景色になってしまったように思います。

 

 

リーダー制度が活きない理由

 

顔を売る意図があったとしても、四名セット出演や他座長週出演が当然になり過ぎ、

良い意味での競争の図式や特別感が薄れてしまったように見えます。

これは再三再四の四座長特別公演・ダブル座長週の二の舞ですよね。

(普段は個々で活躍するメンバーがここぞという時に集うからこそ、価値があると思うんです。)

 

『リーダーは各自のリーダー週に専念』させる方針の選択は難しかったでしょうか?

 

仮に競争の図式が保たれたとして、

今度は座長選考基準(=次期座長に何を求めるか)が不透明であるため、

やはり、ファン視点ではリーダー制度に乗り難いですね。

 

グランプリ形式を謳いながら審査員も審査基準も明らかにせず、

寸評も一年を通した審査の実態すらも無く、

終盤、場当たり的に設けた決定戦のイベントフライヤーで決定戦進出者名を告知し、

ファンも座員さんも皆を盛大にズッコケさせた『吉本新喜劇2026』を思い出します。

 

結局、組織の気持ち一つで物事が決まる、といったところなのでしょうか?

 

余程突出した才能の持ち主が現れたならば、

選考基準が無くとも自力でムーブメントを起こし、新座長誕生の機運を作り上げ、

満場一致の意見が得られるのかもしれませんが…

 

中止になったイベント『座長TRIAL』も審査基準等は一切不明で、

2026同様、ポーズ的役割の興行と捉えています。

 

4週連続かつ平日開催で(なくとも)全4公演を観られるファンはほんの一握りで、

真にトライアルの意味を持たせるならば、動画配信されるべき性質のものですよね。

 

(そもそも、極めて限定的な観客を相手にした劇場イベントのタイトルにする類なのかと。

後々都合良く使えるよう、

開催した体裁は鮮明に残しながら、その中身は曖昧にしたい意図が透けて見えて…)

 

むしろ、全国のファンの目に触れる普段のNGK公演こそトライアル色を強調し、

リーダー期間を定め、その間積極的に公演・放送すべきではなかったでしょうか?

鉄は熱いうちに打て、で。

 

例えばですが、

①リーダー期間は一年で、新座長は一人

②各人、NGK公演を3ヶ月に一度(3・6・9・12月)、計4公演担当。順次放送

③現・前・元座長が一定の審査基準に従い毎回採点批評→公式HPに詳細アップ

④4公演の合計点で勝負

…等とルール化した方が皆が比較的納得し易く、盛り上がり易く、光が当たり易く、

勝敗によらず、更に大きな展開が次に生まれたんじゃないかと思います。

 

以上を要約しまして。

 

リーダー期間や選考基準が明示されず、競争の図式が弱く、特別感を欠いたことで、

リーダー制度から本来のトライアル色を奪い、日常の興行の側面を強くしていった。

そんな風に感じています。

 

 

柔軟なリーダー週への期待

 

現状の有耶無耶が続くならば、

『リーダー=次期座長候補』といった堅苦しいものは一旦抜きにして、

島田珠代さんのリーダー週や西川忠志さん週、ヤンシー&マリコンヌ週等、

様々な座員さんによる緩~いリーダー週も並行して観てみたい私がいます。

きっと、非日常にワクワクできると思うんです。

 

その時々に一番ワクワクする公演の積み重ねの中で

押しも押されもせぬ新座長が自然に誕生すると最高ですね。