『帰ってきた妹』
[物語]
⒈
舞台は、裕(吉田裕)が大将のうどん屋。
アルバイトの雅典(コーンスターチ・岡下雅典)が
出前から2時間帰ってこない。
うどん屋に戻ってきた雅典は、
故・滝口順平さん(ヤッターマンのドクロべエ役)の声真似を始める。
どうやら、仕事をサボって、ぶらり途中下車の旅をしていたよう。
アナゴさんとマスオさんの物真似も披露し、
(今日の仕事に)満足したようで、「今日は帰る」と言い出す始末。
⒉
裕の妹が、フランスでの3年間の料理修行から戻ってくるという。
美人でスタイルが良く、渡仏前はモデルの仕事をしていたようで、
モデル時代のビキニ姿のポスターが店内に飾られている。
⒊
⑴
吉本金融の今別府(今別府直之)が登場。
昔の的屋のような格好をしている。
今「奈臣実、戻ってるやろ?」
裕「戻ってないです」
今「嘘付いとったら、痛い目に遭わずぞ!」
そう言い、裕に襲いかかる。
裕「やめてください!」
と、今別府の体を触るが、「ピュッ」を言わない。
どうやら、肩の辺りを触っている様子で、
今「乳首、触れや!」
裕「…乳首?」
今「土曜の昼、月2ペースくらいでやってるやつや!」
今「早めに処理せな、あかんやつや!」
⑵
今別府の求めに応じて、4回乳首を触る、裕。
ピュッピュルッピュッドンの後に、サインをする今別府。
裕「客席の待ってました感、全く無かったで」
⑶
触るのを3回で止めるくだり。
今「4回触ってくれないと、『出来なへん』」
裕「どこ出身?」
今「えーと…新潟」
観客席に向かって
今「今日、新潟から来た人は?」
…無反応の客席。
今「おれへんのかい!」
観客席に向かって
今「親戚が来てたはず。手を挙げて!」
…無反応の客席。
今「冷たいなあー!」
⑷
裕「乳首は、何かルールがあるんですか?」
今「同じルーティンでしか、出来へん」
今「俺はもう、飼い慣らされた犬なんや」
裕「手に汗、掻きすぎですよ」
今「俺に求めるな!…俺は、何も出来へんねん」
⑸
今別府は、妹が帰ってないことに納得したようで、
一旦、去っていった。
⒋
⑴
クリーニング店の匡平(コーンスターチ・松本匡平)が
配達に来た。
匡平は裕の妹・奈臣実の彼氏。
⑵
雅典の彼女・ひで子(服部ひで子)が登場。
雅典の弁当を持って来た。
雅「ここのまかない、不味いからな」
裕「仕事、やめてまえ!」
⑶
匡平にひで子を自慢する、雅典
雅「可愛いでしょ?」
匡「僕の彼女の奈臣実と比べたら、普通ですけどね」
雅「モデルだったみたいだけど、3年経てば太ってるかも?」
匡「太ってたら、別れます」
匡平はクリーニング店に戻っていった。
⒌
奈臣実がフランスから帰国。
奈臣実と気付かない裕に、免許証を見せる。
裕「何があったんや?」
奈「まかないを食べすぎて…」
裕「さっき、ピュッピュルッピュッドンのおっさんが来たぞ」
奈「特別授業用にお金が必要で借金して…」
⒍
⑴
匡平の「太ってたら別れる」という話を思い出した雅典は、
奈臣実にダイエットを勧める。
何故か、雅典がスパルタ講師になり、
奈臣実と1ヶ月の山籠りを開始。
⑵
1ヶ月後。
雅「山籠りが終わりました」
雅「見たらビックリしますよ」
そう言われ、登場する奈臣実。
裕「何一つ、変わってないやん!」
雅「ねっ。ビックリしたでしょ」
⒎
⑴
奈臣実が帰国したことを知った匡平が、
黒猫の絵がプリントされたお揃いのTシャツを持ってくる。
奈臣実はトイレに居るようで、
Tシャツを奈臣実に渡すように裕にお願いする、匡平。
⑵
Tシャツを着た奈臣実が登場。
体型が理由で、猫のプリントが横に伸びて、
イタチのようになっている。
匡「誰ですか?」
奈「奈臣実です」
奈「見た目はこんなんやけど、中身は変わってないから」
匡「…太っている人はダメなんで」
⒏
⑴
そこに、今別府が登場。
どうやら、法外な利息分のようで、
払わないという奈臣実。
今「どうしても払いたいようにしたる」
と言い、裕の服を脱がし、ドリルする。
観客の拍手
今「いっぱい拍手もらって、ええのぉ!」
今「ひっこんどけ」
⑵
奈臣実を連れて行こうとする、今別府。
今「そういうお店で働いてもらおうか」
裕「どういうお店ですか?」
今「えー…肉屋」
⑶
匡平が前に出る。
太っていても、やはり彼女は彼女だったようだ。
匡平は、襲ってきた今別府を返り討ちにした。
⒐ 終
奈臣実に話し掛ける、匡平。
匡「一瞬、気持ちが揺らいだけど…」
匡「僕は、奈臣実ちゃんの性格が好きなんです」
匡「改めて、僕と結婚してください」
奈「こちらこそ」
匡平に抱きつく、奈臣実。
が、匡平を跳ね飛ばしてしまい、
『バキボキ!』と骨折する音が響いた。
匡「やっぱり、無理~!」
終。
17/04/02 【漫才劇場・極新喜劇】 完