STS(チオ硫酸銀錯塩)の登場は衝撃的。
老化の主役エチレンの作用を抑える銀を、
切り花が吸いあげやすくしたのがSTS。
Silver Thio Sulfate complexの頭文字でSTS。

STSを吸わせたカーネーション、
すなわち銀を吸わせたカーネーション、
日持ちが2倍、3倍にのびた。
まさに夢の不老長寿薬。

画像 STSは人類が夢見た不老長寿薬
   花産業はビギナーズラックで手に入れた


STSを作ったのはオランダのVeen(フェーン)
1978年に論文発表
山中教授のiPS細胞に匹敵する論文
ノーベル賞に農学賞があれば候補に挙がる発見

Veen先生は論文発表後すぐにお亡くなりになり
STSには特許がない
それで世界に急速に普及


画像 花産業に革命をもたらしたVeenのSTS論文(1978年)

STSの登場により
「前処理(まえしょり)」と「後処理(あとしょり)」の概念が生まれた
前処理とは
生産者が出荷前に、短時間処理をすると
花店、消費者は水道水につけるだけで
切り花の日持ちがのびる処理のこと
前処理のための薬剤が「前処理剤」
その代表がSTS剤

後処理とは
花店や消費者が
花びんの水に加えることで
切り花の日持ちをのばす処理のこと
後処理のための薬剤が「後処理剤」
クリザールや美咲、華の精など多くの市販品


表 前処理と後処理のちがい

STSの功績はきわめて大きいが
誤解および反省点もある

①STSですべての花の老化を抑え日持ちが劇的にのびるとの誤解
→エチレンで老化がすすむのは特定の花
→STSが効く花も限定的

②日持ちは前処理だけで、のばすことができるとの誤解
→STSの効果が衝撃的であったため、前処理を過大視
→日持ちが短いのは不適切な前処理との誤解
→日持ちが長い花を作るという農業の基本を軽視

③エチレン以外の老化促進物質がかんたんに見つかるだろうとの誤解
→わたしたちははじめて買った宝くじを当ててしまった
→ビギナーズラックで本命を引き当て、STSという手段まで手に入れてしまった
→その後30年、エチレンやSTSに匹敵する物質を見つけていない

幸運といえば幸運
日本にはそれまで体系だった日持ちをのばす技術はなかった
STSでその体系化ができた

最初につかんだ情報がSTS
はじめて買った馬券が万馬券
ビギナーズラック
お定まりのその後のはずれ馬券の山
苦悩

いまなにが必要か?
基本に戻る
生産者の使命、DNAは
水あげがよく、日持ちが長い花をつくる
つまり日常のいい花をつくる努力
永遠の課題
日々の地道な作業

切り花の寿命(日持ち)をのばすには
まず健全な身体・植物体

人ならば
バランスのとれた食事
適度な運動
適度な睡眠
ストレスのない生活

それができないからサプリ?


画像 長寿は健全な身体・植物体から

夢の不老長寿薬を求めるより
日々の健全な生活
地味な活動の積みかさね

(No.261 2015.3.22)

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