立春。
鶯啼き梅花乃花芳し(うぐいすなき、うめのはなかんばし)。

人も花も老衰で死を迎え、天寿を全うしたい。
しかし、多くの人(花)は病気を患い、無念の死をとげる。
日本人の死因、
1位がん、2位心疾患、3位肺炎、4位脳血管疾患、5位老衰・・
いつの日か老衰が1位になれますように。

植物がかかる病気は多くあるが、
切り花の寿命(日持ち)を縮める病気は
バクテリア(細菌)と灰色かび病

多くの病気は生産者のハウスや畑で発生
切り花の寿命に関係がない
市場や花店は興味がない(生産者のみなさまには申しわけないが)
しかし、バクテリア(細菌)と灰色かび病は
市場、花店でも感染するし、発病し、大切な商品の日持ちを縮める

バクテリア(細菌)はその毒素が日持ちを縮めるのではなく
バクテリア(細菌)の塊が道管をつまらせ
水の流れをさえぎり、しおれさせる
人の病の心筋梗塞、脳梗塞と同じ

対策
「清潔管理」
ここまでが前回

今回はもうひとつの病気
灰色かび病
重要な問題
これまで何回も取りあげました

2013年7月7日「かび天国日本」
http://ameblo.jp/udaakira/entry-11568107101.html

2012年3月18日「日本列島ボト警報」
http://ameblo.jp/udaakira/entry-11196341092.html

2012年3月25日「日本列島ボト警報(その2)」
http://ameblo.jp/udaakira/entry-11202962108.html

2011年4月25日「灰色かび病(ボト)を防ぐには」
http://ameblo.jp/udaakira/entry-10871814695.html

灰色かび病はボトリチス・シレネアというかびが原因の病気
いわゆる「花しみ」
単に「ボト」ともよばれる
どんな花でも発病


画像 ボトリチス・シネレアによるバラの灰色かび病
   症状が進むと灰色のかびが生えるのが病名の由来


画像 病原菌はかびの一種のボトリチス・シネレア菌


画像 初期の症状は「花しみ」
   どんなに高品質な花でも「花しみ」がでると商品価値はない


画像 胡蝶蘭の大敵「花しみ」


画像 切り花の冷蔵貯蔵が難しいのは長期貯蔵すると灰色かび病が発生するから
   貯蔵カーネーションの灰色かび病
   貯蔵が悪ではなく、貯蔵技術が確立していないことが問題

ボトリチス・シレネアというかび
どこにでもいる
生産者のハウスや畑だけでなく
作業場、冷蔵庫・・
市場や花店、事務所、家庭・・

いわゆる雑菌、腐敗菌
食べものを放置しておくと灰色のかびが生えてくる
それがボトリチス・シレネア

バクテリア(細菌)は細胞分裂で一挙に増えるが
かびは胞子で増える
雑草がたねを飛ばして増えるのとおなじ
胞子はたねのようなもの

花粉症はスギやヒノキが受粉のために飛ばす花粉
虫が受粉を助けてくれないので風に頼る風媒花
風頼み、非効率
大量の花粉を飛ばす
めしべに落ち、受粉できるのは何兆分の一かの花粉
ほとんどの花粉は無駄に終わる

花粉よりもっと小さなかびの胞子が一年中空気中を飛んでいる
花粉や雑草のたねとおなじ
好きな環境に落ちた胞子は発芽してどんどん増える
嫌いな環境では発芽ができず、やがて死滅

好きな環境
湿り気
高温多湿の日本はかびが大好き
日本人の生活はかびとともにある
日本酒、醤油、味噌、納豆・・
かび天国日本

好きな環境
真夏の猛暑は苦手だが
高温は好きだが
活動できる温度帯は広い
2℃程度の低温でも活動

花はボトリチスにどこで感染しているのか?
生産者、トラック、市場、花店・・
どこでも可能性はある
生産者のハウス、選花場など箱詰め、出荷前に発病がわかったものは
廃棄され、出荷されることはない
生産者の選別の眼は厳しい
生産者のみなさまがボトリチスに感染していないことを確認した花だけを出荷
自分の花が灰色かび病を発症するとは夢にも思っていない

しかし市場や花店、家庭で発症
どこで感染したのか?
責任の押しつけ合いは不毛の争い
どこで感染してもおかしくない

対策は?
生産者から市場、花店までの連続したコールドチェーンが
「鮮度のようなもの」に必要なように
生産者から市場、花店まで連続した「防かびチェーン」が灰色かび病防止に必須


表 生産者から市場、花店までの防かびチェーン

防かびチェーン実現に何が必要か?

①植物の病気を診断し、直すことができるお医者さん(植物病理の研究員、技術者)はすべて産地で仕事をしている
市場や花屋さんのまわりにはいない
この植物のお医者さんに予防、治療を委ねなければならないが
灰色かび病のような流通上の病気には興味を持っていない
生産者と同じように、出荷ケースに詰めるまでで仕事は終わったと考えている
だから流通上の病気を研究した事例はほとんどない

花き振興法ができ、国の関連予算が増えた
その予算を利用して解決しなければならないのは
「コールドチェーン」とともに、
「防かびチェーン」の構築
市場、花店など川中、川下の診断、治療に取り組んでいただく

②灰色かび病の被害の大きさを産地サイドは認識して下さい
単に日持ちを低下させているだけでなく、花の消費をも低下させている
生産者の不満
「品質が良いのに市場の単価が安い」
それは灰色かび病の発症(の恐れ)が一因

立春とともに灰色かび病(ボトリチス)の季節が始まる
日本列島ボト注意報

さて「防かびチェーン」
具体的な対策

生産者
なによりも除湿
乾燥させる

暖房用の燃油が高くなると
暖房温度を下げたり、暖房を始める時期、時間が遅くなる
そうするとハウス内の温度が下がり、湿度が上がる
ボトリチスが好きな環境になる

土表面からの水分蒸発は湿度を高める原因になる

農薬散布自体が湿度を上げ
ボトリチスを喜ばせることもある

ハウスや畑での農薬散布は
県ごとの防除指針に従う


画像 キンギョソウの灰色かび病


画像 スイートピーの灰色かび病

忘れてならないのは作業場、冷蔵庫の殺菌

輸送中のむれは厳禁
灰色かび病発生が予想される場合には
出荷ケースに穴を開けたり、入り本数を減らすなどの工夫

市場では高温、むれの防止
冷蔵庫、保管庫の定期的な殺菌

花店のキーパーはかびの温床
殺菌機能付きのキーパー利用や
二酸化塩素剤(クレベリン)や台所用アルコールでの殺菌

2014年3月30日「消費者庁の措置命令に揺れる二酸化塩素」
http://ameblo.jp/udaakira/entry-11808422508.html


花産業、みんながハッピーになるためには花の消費を拡大する
そのためには
フラワーバレンタインのような新しい消費を創りだす
病院のお見舞いの花のように
失われた消費を回復させる
そして
日持ちが短いからと敬遠している消費者の信頼を回復

地道で地味な作業、努力
(No.254 2015.2.1)

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