カーネーションの勘違い

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カーネーションムラの人たちは勘違いしている

カーネーションも他の花と同じように
消費が減っていると勘違い

カーネーションの消費は伸びている(図1)

切り花の消費はバブル崩壊後減りつづけている
しかし、カーネーションは
バブル後は減ったが
2003年からもちなおし、
2012年は過去最高の6.6億本

$宇田明のウダウダ言います
図1 全切り花とカーネーションの消費量の変遷

つまり、カーネーションは消費者に支持されている
カーネーションは売れている

このことを前提に戦略を考えましょう

では、なぜカーネーション生産者の経営は苦しいのか?

まず、輪ギクやバラやトルコギキョウやガーベラの消費が減っているのに
なぜカーネーションの消費が伸びているのか?

それは
プロ野球に例えると
助っ人、すなわち外国人選手の力
先発、抑えのピッチャー、4番打者として大活躍
つまり、輸入に助けられている

図2でわかるように
国産は右肩下がり
輸入は右肩上がり
ついに、2012年には逆転
輸入が国産を上まわった
国産は負けつづけ

$宇田明のウダウダ言います
図2 国産カーネーション(赤線)は減りつづけている

では、なぜ国産カーネーションは輸入に負けているのか?

それは「品質」

カーネーションの問題解決は他の花よりかんたん
「品質」勝負だから

国産カーネーションが輸入に勝つには
「品質」で勝つこと
単純です

カーネーションムラが今取り組むこと
それは「消費拡大活動」ではなく
「高品質生産」

ものづくりの「基本のき」
ものづくりの「1丁目1番地」
生産者のDNA

ではカーネーションの高品質とはなにか?

これまでに花の「5つの品質」を説明しました
http://ameblo.jp/udaakira/entry-11401794831.html
カーネーションがカイゼンすべき5つの品質が表1

$宇田明のウダウダ言います
表1 国産カーネーションがカイゼンしなければならない5つの品質

どうすればカイゼンし、「高品質」カーネーションがつくられるのか?
この本に書いてある

$宇田明のウダウダ言います
画像 「カーネーションをつくりこなす」(農文協)
   2,800円+税 かなり高い!

でもこの本を読んだとしても
日本の猛暑のもとで
コロンビアに勝つ茎が硬いカーネーションをつくるのはむつかしい
輸入に任すところは任す

できることから「する」
いつもの「芋づる式ものごと単純解決法」

①端境期の責任産地
国産カーネーションは輪ギクのように、
ひとつの産地が周年出荷することができない

冬中心に暖地(関東以西)
夏中心に寒冷地(長野、北海道)

そのいれかわり時期が端境期で品質が落ちる
図3の赤線(暖地)と青線(寒冷地)が交わる6月、10月
とくにブライダルシーズンの10月前後
ここを輸入に奪われるので、国産かきいれどきの12月も輸入に奪われる

9~11月の高品質生産は長野県が責任産地
6月は暖地

$宇田明のウダウダ言います
図3 国産カーネーションは暖地(赤線)と寒冷地(青線)が分担するが
   端境期ができる

②国産にあって輸入にないもの
害虫、つまりタバコガ

生産者のみなさまはあまり考えていないのですが
輸入の花は検疫をうけているので
害虫はついていない

国産だけについているタバコガは
生産者が思っている以上に深刻
花屋さんにとっては「恐怖」

手間がかかっても
1本1本確認してから出荷

$宇田明のウダウダ言います
画像 恐怖のタバコガ

③カーネーション「どろどろ事件」対策
http://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=11309062683

大田花き花研ブログ
http://www.otalab.co.jp/blog/2012/07/19/08.html


カーネーションは花びんの水がくさりやすい
対策
出荷前に、STS剤で処理をした後、
美咲などの抗菌剤・砂糖入り後処理剤を吸わせる

④仏花の奪還
現状では中国産の赤スタンダード
これを国産が供給
キクのアジャストマムに対して
アジャストカーネ

$宇田明のウダウダ言います
画像 関西仏花
   白、黄、青、赤の花が下草(ヒサカキ)を背に、縦にならぶ
   赤い花は中国産カーネーションが定番

輪ギクではひとつの産地で3月彼岸、8月お盆、9月彼岸、年末の物日出荷が
可能
一方、アジャストカーネは毎週一定量を周年供給
ひとつの産地だけでは無理なので
暖地産地と寒冷地産地のリレー出荷
いまが仏花奪還の最後のチャンス
ブライダルも輸入、仏花も輸入、パック花も輸入では
国産の生きる道はなくなる


今回は「芋づる式ものごと単純解決法」のカーネーションバージョンでした


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$宇田明のウダウダ言います







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今、キクが熱い!

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人々に感動を与えたい
それが花づくり農家の願望

そんな感動のキクが続々登場
「感動した!」
花屋さんからの賞賛の声

もはや「菊」の範疇を飛び越えた新しい花の誕生といえるでしょう

$宇田明のウダウダ言います
$宇田明のウダウダ言います
画像1 輪ギクを満開に咲かせるだけで「感動」の花になります
    上:フルブルームマム(雪姫:福岡県JA八女)
    下:フルブルームマム(精の一世:香川県ホワイトマム)

この新しい花は
水あげがよい、日持ちが長い、取り扱いやすい、形質が安定、1年中供給がある
花業界にダリア、ラナンキュラスに続いてスター誕生

アベノミクス
世の中少しは明るくなってきたのでしょうか
スター誕生で花業界、明るいお正月を迎えられそうなヨ・カ・ン

$宇田明のウダウダ言います
画像2 感動の花「エストレージャ:香川県 ホワイトマム」
$宇田明のウダウダ言います
画像3 感動の花「アマランサ:香川県 ホワイトマム」   
$宇田明のウダウダ言います
画像4 感動の花「ロサーノピンク:香川県 ホワイトマム」 

前々回の
「キクは花の皇帝。キクがくしゃみをすると花産業は・・・」

http://ameblo.jp/udaakira/entry-11664669436.html
仏花・葬儀の花からのイメージチェンジを提案しましたが
すでにイメージチェンジはできている

これら新しいキクは推定0.5億本が流通
ダリア、ラナンキュラスの2倍以上の消費
すでに大スター

農水省、花市場の統計では
キクは、輪ギク、スプレーギク、小ギクに分類されています
これらに新しいキクを加える必要がでてきました
なんと呼びましょうか
とりあえずは「特殊ギク」としておおぐくりされているようです

$宇田明のウダウダ言います
画像5 ジャパンフラワードリーム(JFD)の展示
$宇田明のウダウダ言います
画像6 鶴見市場仲卸マルヒでのJFD特殊ギク販売(2013.11.15)
    またたくまに6,000本を売り切る
$宇田明のウダウダ言います
画像7 わかる人しかわからない「感動のポスター」

品種シリーズ的には
ポンポン、アナスタシア、
作り方ではディスバッド
商標的には飛騨マム、サンバマムなどがあります

1970年代後半に登場したスプレーギクのような総称がいります
スプレーギクがキクと名乗ると仏花のイメージがつきまとうので
「スプレーマム」とかえたように
「キク」、「菊」はさけ
「○○マム」になるのでしょうね

「キク」と「マム」はどうちがうのでしょうか
「あじさい」と「ハイドランジア」
「金盞花」と「カレンジュラ」
「けいとう」と「セロシア」の関係です

つまり、和名と学名(または英名)の関係
キク(菊)は日本での呼び名、つまり和名

学名は世界共通の呼び名でラテン語

キクの学名はクリサンセマム(Chrysanthemum)
英米国の呼び名 英名もクリサンセマム
それで略称が「マム」
ちなみにオランダ名は「Chrysant(クリサント)」

和名を学名、または英名にかえるだけで
イメージチェンジ
新しい洋花になります

残念なことにこれら新しいマムの多くはオランダで品種改良
日本に自生している百合がオランダに渡り品種改良され
「カサブランカ」、「ソルボンヌ」、「シベリア」などのすばらしい品種として
里帰りしたように、
キクも日本の古典菊、伝統菊、小ギクがオランダに渡り
スプレーギクになったように
特殊ギクも感動のマムとして里帰り

$宇田明のウダウダ言います
画像8 日本は菊の宝庫
    江戸菊(名古屋園芸「花かがみ」2013.11月号)
$宇田明のウダウダ言います
画像9 古典菊を親にした「サンバマム(兵庫県)」

日本人の品種改良は
一定の枠の中の改良は得意だが
枠を超える改良は苦手

育種立国日本
遺伝資源は豊富
「感動の花」が時代を動かします
感動の新しい花を生みだしましょう


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$宇田明のウダウダ言います
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今回のお題は政治ネタ?
固そうなおはなし

花き振興法案(通称フラワー法案)が創設されるそうです
議員立法で年明けの通常国会に出される予定
「秘密保護法案」や「集団的自衛権」のように国会で紛糾することも
マスコミにとりあげられることもなく
ひっそりと全会一致で成立するのでしょう

現在は自民党の農林部会(坂本哲志座長:衆 熊本3区)で法律案を取りまとめ中

法案創設の中心は
野党時代の自民党が結成した「フラワー産業議員連盟」

会長 河村健夫 衆・山口3区(現自民党選挙対策委員長 元内閣官房長官、文部科学大臣など歴任)
幹事長 江藤 拓 衆・宮崎2区
事務局長 佐藤ゆかり 参

野党時代は53名だったが、自民党が選挙に勝って一挙に126名に倍増
江藤 拓幹事長は農水副大臣に

ほとんどの生産者、花屋さんは「そんなこと関係ない!」と感じられるでしょう
しかし、けっこう花産業に大きな追い風になりそう

古い人には感慨深いものがあります
1909年(明治42年)東京中野で近代的花生産がはじまって104年
やっと花産業が世間から認知されたことになります

戦前
田に稲を植え、麦をまき
額に汗して一途に働き抜くことが農家の範とされた時代

投機性の強い花づくりは
「道楽者、なまけ者、欲かき」とさげすまれた
成功してもバクチに勝ったといわれた

1941年(昭和16年)太平洋戦争勃発
食糧生産に邁進
国家総動員法、価格統制令、作付け統制令が発令され
「花づくりは非国民・国賊」
花卉棄却命令
花をつくることを禁止
畑に植わっている花は抜き取り
花田畑はさつまいもや麦に
温室は空襲の目標になるガラスをはずし
鉄骨は供出

地域によっては
倉庫、納屋を家捜しされ
保管していた花のたね、球根を焼却

明治末から発展してきた花づくりは壊滅

$宇田明のウダウダ言います
画像 「実際園芸」昭和16年3月号
   華やかだった表紙は町内会が空き地でいもをつくる白黒写真に
   この年の12月号でついに休刊
   戦後「農耕と園芸」として再開

1945年(昭和20年)8月終戦

満を持して花づくりを再開
物置のすみからたねや球根を探しだしてきた
山に捨てた球根が元気に生きていた
墓のなかにたねを隠していた人もいた
畑のすみでこぼれだねが芽をだしているのを見つけ
そっと植えかえた

房州和田町真浦 半農半漁の村で
先駆者 間宮七郎平に薫陶をうけ花づくりをはじめた川名りんをモデルに
田宮虎彦は「花」(新潮社 1972年)を著した
高橋恵子主演で映画にもなった

$宇田明のウダウダ言います


「1945年8月15日正午 天皇の詔勅が終わると
りんは山道を駈けのぼり
地蔵堂の中から油紙で包んだ金盞花のたねとアイリスの球根をとりだした」

川名家のすっかり茶色になった「荷出売上簿」は
1947年(昭和22年)1月25日日付で再開した
初日はエリカ16束、小ギク110本

空襲で焼け出され、荒廃した東京の人たちの心をなごませた
(愛されつづけて100年 カーネーション生産の歴史 日本花き生産協会2009)

$宇田明のウダウダ言います
画像 「間宮七郎平と和田の花」(和田小学校社会科研究部 18983) 

和田町花園に間宮七郎平の功労碑がある
「わが和田浦は、四季百花繚乱のお花畑である。
その華麗なる陰に老輩の歩んだ苦難の道の残ることを銘記すべきである。
間宮七郎平は世人が花卉栽培に無関心だった大正初期、
いち早く将来性あるを認め、
敢然周囲の反対と嘲笑を排除して普及発達をはかったために
一時疲弊その極みに陥った郷土を救い得た。
中略
ここに諸先輩の偉業を讃え、
碑を建立し後生にながく功績を伝える。
昭和32年 和田浦生花組合」

$宇田明のウダウダ言います
画像 和田町花園に建つ間宮七郎平の功労碑

ときは流れ
いま「花き振興法」創設

勢いのあるときには振興する法律など必要ない
下り坂を止められないいま
生産が減りつづけるいま
法律の後押しが必要かもしれない

お役人には大きな力になる
都道府県は「花き振興策」をつくり
花き産業、花き文化を振興しなければならない
県庁に花担当を配置する根拠法になる
花の予算を取りやすくなる
生産者、花店、市場など花産業に直接、間接の利益
生け花、フラワーデザインなど花文化の振興
花の消費拡大活動

だからといって
生産者、花店、生け花、花産業
保護されるコウノトリやトキのような
絶滅危惧種になってはいけない

自らがえさをとり、外敵と戦い、生きる気力、気概
花き振興法は花産業の生活保護法ではない

嘲笑されても
非国民といわれても
花をつくりつづけた先駆者

花き振興といわれても
やめざるをえない現在の花生産者
儲からないから仕方がないのか

いま必要なものは
花をつくりつづけた先駆者の気力、気概、信念
そしてハングリー精神、向上心

花き振興法が創設されようとするいま
3代目、4代目に代替わりした花づくり
郷土の先駆者の苦労を偲び
はらをくくって花づくりにとりくみましょう

$宇田明のウダウダ言います
画像 先人の苦労があっていまの花づくりがある
   カーネーションの先駆者
   鰐部さん(愛知)、鮎沢さん(長野)、青地さん(滋賀)、真鍋さん(香川)、惣林坊さん(兵庫)
   現在は二代目、三代目の時代

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