地球が侵略されちゃいました。
抵抗?そんなことしても犠牲者が出るだけですわ。即時、降伏ですよ。
だって宇宙から侵略しにくるような相手ですよ、かないっこありません。
宇宙人だって、無抵抗な相手を虐殺するほど野蛮じゃないんです。
変に友好的だったり、変に攻撃的だったり、そんな宇宙人、テレビや映画の世界ですわ。
数週間後、奴ら、帰るなんて言い出しました。
「ワレワレ、一旦、故郷ノ星、戻リマース。故郷ノミンナト一緒ニ地球ニ移住スル予定デ~ス」
エーッどんだけたくさん連れて来るつもりなんでしょう。
「トイウコトデ、故郷ノ仲間ニアナタタチノ国、紹介シターイネ。日本ノ名所、ドコデスカ?」
なんて言うんですよ。日本の名所が宇宙で有名になるなんてすごいじゃないですか。
「札幌の時計台!」
「オー、びるノ間ノアノチッチャイノ?」
「土佐のはりまや橋!」
「あすふぁると埋マッテマ~ス」
「長崎のオランダ坂!」
「タダノ石ノ坂道ダヨ~」
「沖縄の守礼門!」
「コ、コンダケノ門?ナンツッテー」
「華厳の滝!」
「夜間ハ滝ヲ止メテ、朝、放水シテイマース」
「銀閣!」
「銀閣ナノニ銀箔貼ッテナ~イ。黒ッポ~イ」
こういうの、宇宙人にあれこれ言われると、いささか心外です。
それにかつてのガッカリ名所も、ガッカリの汚名を払拭すべく整備してがんばってんですから!
「故郷ノ仲間、がっかりサセタクナーイ。名所ハモウイイデース。オ土産クダサーイ」
しかたありません。
これぞ、ジャパニーズフードってのをご賞味あれ。
納豆、くさや、ナマコ、沢庵の古漬け、豆腐よう、なれずし・・・。
「アリガトゴザイマース。シバシ、サヨナラネ~」
侵略者が地球を去っていきました。
あれ以来、とんと戻ってきません。
よっぽど離れたところにある星なんでしょうか。
やつらに地球のよさがわかんないのか。
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南極横断山脈の麓で謎の物体が発見された。
鯨ほどの大きさの、金属製のナメクジそっくりの物体。
由利子「淳ちゃん、これ、何かしら?」
万城目「きっと怪獣だよ」
一平「ですよね、だってボクたちが登場人物ですもん」
万城目・由利子「言えてるな。ハハハハハ」
「それはどうかな!」
ア!突然現れた一ノ谷博士がいきなりナメクジをぶん殴った。
キューン!!
ナメクジがバカでかい音を立てて鳴いた。そして全身が七色に発光したではないか!
世界各国から集まっていた調査チームスタッフ、報道陣一同がどよめいた。
由利子「まあ!キレイ!」
調子に乗って由利子が蹴った。
キュキューン!
さらに激しく虹色に輝く。
一平「けっ弱っちいや!」
一ノ谷博士「一平君、われわれを油断させる気かもしれんぞ、エイ!」
博士はじめ一同、ナメクジを殴る蹴るでボッコボコにし始める。
キュキュキュキューンンン!!
波打つ虹色の縞目のファンタジックなナメクジを背景に、女性レポーターがカメラに喋っている。
『古代超文明の遺物なのか?宇宙人の乗り物なのか?はたまた宇宙人の操るロボット怪獣なのか?謎は深まるばかりです!』

そのとき、空の上から声が降り、地上にあまねく響きわたった。
「さっき、このへんで音がしたみたいよ。もう、坊やったら、どこに落としちゃったの」
「わかんないよ、ママ~。えっと、このへんかなあ」
人々が空を見上げると、巨大な二つの物体が空を覆い尽くしていた。
大きいのと、小さいのと。とてつもなく馬鹿でかいナメクジ母子である。
「このへんで遊んだ?」
「たぶん・・・」
万城目「なるほど、物体はナメクジ星人の『オモチャのロボット』だったのかあ」
一ノ谷博士「人間の『オモチャのロボット』が、人間の形状に似せた金属製なのと同様にね」
・・・と、すっきり解決。次の瞬間、一同は大ナメクジの下敷き、ネッチョリ銀粘液の海の中。
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司会「皆さま、新年あけましておめでとうございます。本日の新春特別企画では、占い師A先生、推理小説家B先生という著名なお二方をお招きし、今年がどんな年になるのか語っていただきたいと思います」
B氏「ちょっと待った。今年の予想を話すのに、なんでボクを呼んだのかね?」
司会「そりゃもう先生には持ち前の推理力で、鋭く今年を分析していただきたいと思いまして」
B氏「今年がどんな年になるか、A先生が全部御存知のはずだ。でしょ?大先生」
A氏「そりゃもう、全部お見通し・・・」
B氏「じゃ、あなたが今飲んだ珈琲にボクがさっき毒薬を入れたことも?」
A氏「またまた、冗談はやめてくださいよ。え?ホント?ホントなの?」
B氏「フフフ。冗談かどうか、あなたが本物の予知能力者なら、すでに御存知のはずだが?」
A氏「嘘だ!嘘に決まってる!」
B氏「そう言い切れますかな?ま、毒が効くまで残り数分、ゆっくり対談しましょう」
司会「いきなり毒のある展開になってきました。A先生、今年はどんな年になるんでしょう?」
A氏「ウウ・・・」
B氏「うちの息子、今年の春に受験なんだけど合格します?今年の日本シリーズ優勝球団は?」
A氏「ウウ・・・」
司会者「A先生、さっきからウンウン唸ってますけど、まさかお具合でも?」
B氏「フフフ。先生、さっきの薬、実は自白剤なのですヨ。では、尋ねましょう。あなたの占いは本物ですか?」
A氏「ウウ・・・嘘だよっ。まっかな嘘!占いの本をたくさん出しているけれど、デマカセしか書いていませーん。ゴメンナサイッと!」
B氏「あなたが予知能力を使って、こういう展開になると察していたら、今日の対談に臨むこともなかったでしょうにね」
司会者「B先生、困りますよ。A先生のキャリアをぶっ潰す気ですか」
B氏「大丈夫。占い師が占いの本にホントの未来を書いてなくても。ボクだって推理小説はたくさん書いてるが、まだ一度もホントに殺したことはない」
普段よりもやや遅くに目が覚めた。
新聞の重い束を抱えて茶の間に入ると、台所から雑煮を仕立てるいいにおい。
テレビからは『春の海』の調べ。羽織袴の有名芸能人が初笑い番組の司会をしている。
変わらないなあ、ニッポンの正月。
今日から2014年が始まるのだ。
といってもまた同じ一年の繰り返し。変わらないよなあ。
娘が頭をポリポリ掻きながら二階から降りてきた。
「あ、おはよー」
「おいおい、おはようじゃないだろ。あけましておめでとうございます、だ」
まったく。毎年毎年だらしないったらありゃしない。
だが娘の様子がなんとなくいつもと違う。何が違うんだろう?
娘が台所から顔を出す。
「父さん、おモチ、いくつ食べる?」
「二個だ。毎年二個だろう?」
娘の顔を見てやっとわかった。髪の色を染め戻してるじゃないか。
そのせいか、えらく幼く見える。毎年大人びていくのが寂しかったのでちょっと嬉しい。
今年はいよいよ受験だからな。今はなにがなんでも勉強しなくちゃな。
「お父さん、呑むんですか?ビール」
と、今度は妻が顔を出す。ん?妻も心なしか若返っているような・・・。
『・・・今年の干支にちなんで岩国白蛇神社に初詣中の、蛇大好きキャタピラなぎささ~ん!』
テレビの声に思わず画面に目をやると、女優の首に白蛇が。
んなアホな。今年は午年だ、馬だろ馬っ。
と、新聞を手にとって日付を確認。
『2013年1月1日』
な、なんだってえ?
テレビのチャンネルを次々変える。スギちゃん、あたりまえ体操、ローラ・・・。
ほ、ホンットに2013年の元旦だあ!!
毎年ちっとも変わんねー、なんて言ってたからバチがあたったのか??
また同じ一年を繰り返すの?こ、こんなの拷問だあ!神さま、お助け~、ヒィィィィ!!
・・・・・・・・・
「おい、しっかりしろ!」
と、肩を揺さぶられて目を覚ます。なんだ、夢?新年早々、夢オチかよ~。
と見ると、起こした人、ボクの父さんじゃないか。しかもメチャクチャ若い。
「大丈夫か?元旦早々、夢にうなされるなんて」
「父さん、今日って何年の1月1日なんだよっ?!」
「何年?1981年1月1日に決まっとるだろ。受験勉強のしすぎか?だが今は、なにがなんでも勉強しなくちゃな」
また・・・大学受験・・・?そっからやりなおす?神さま、お助け~、ヒィィィィ!
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ついについに『フォローミー』のDVDが発売!
って訳で、amazonで買って早速見ました。
いやぁ~素敵な映画ですね。
昔々、キネマ旬報社の本で、スパイ映画の本を買って読んだんですよ。その中でキャロル・リード監督の映画の話が書いてあって、このフォローミー撮影時の音楽のエピソードが書かれていました。
ジョン・バリーが音楽を書いているんですけど、撮影中に曲ができあがって、スタッフ一同、特にリード監督がものすごくメロディが気に入って、撮影中、ずっとジョン・バリーのテーマ曲を流していたらしいです。
ミュージカルじゃあるまいし、ひととおり撮影してたら曲をつけるのがあたりまえなんですけどね。
映画と音楽の波長がぴったりで素敵なのは、そんなエピソードの賜物でしょうか。
ずっと心にしまっておきたい名画って、こういうのなんでしょうね。