二丁目交差点の赤信号の下で | 早稲田大学公認サークルUBCのブログ

二丁目交差点の赤信号の下で

夢のある話をした。

将来、こんな職に就きたい。こんな女と結婚したい。こんなに金を持っていたい。こんな感じで死にたい。…
本当にいろいろな事を話した。

相手は長年共にいた親友である。彼もまた、私に夢の話をしてくれた。でも彼の語る夢は、いつも同じ話であった。

「俺はUBCっていうサークルに入りたいんだ」

私にその事を話す彼の表情は、常に笑顔だった。私も夢の事を話す時は、当たり前だが笑顔だったと思う。しかし彼の笑顔は、私のそれとは何か違う。瞳が輝いていた。諺を話す口よりも、瞳の方が多くを物語っていた。それほど、私が語る夢よりも、彼の思う夢の方が強かったのだろう。もちろん、私がUBCに興味を持たない訳がなかった。

UBC。調べてみると、どうやら私達の大学にある音楽イベント企画サークルらしい。なるほど、彼は音楽が好きだった。常日頃からこの交差点で話すのは、近くに彼の好きなレコード屋があったからだ。しかも、UBCは5月の3.4.5と新歓合宿を行うらしい。

次の日、いつもと同じ場所で私は彼に夢を語った。

「一緒にUBCの新歓合宿に行かないか」

そして信号は青へと変わる…。

二年 わこう