黒目さんとの生活が始まりつつある。

俺はここ数週間一人暮らしのような生活を続けていたからあまり不安はない。

一方、黒目さんはというと、ずっと実家で生活していたから戸惑うことも多そうだ。

黒目さんとしては実家にも簡単に帰れてしまうという状況だから、なおさら慣れ親しんだ生活環境から離れにくいのだろう。

けれども、ご両親からも引っ越しの準備を促されているようで、黒目さんも重い腰を上げざるを得ないらしい。

黒目さんが慣れるまでは俺からもできることをしていくしかないか。

 

俺が課題として認識しているのは就寝時間の違いだ。

俺は出勤時間が遅めだから普段から夜更かししている。

今のままでは、俺がぐっすり眠っている最中に黒目さんの目覚ましが鳴り、毎日のように睡眠を中断しなければならなくなってしまう。

一方、俺がそろそろ寝ようと思って歯磨きをしたり風呂に入ったりしているときも、寝ている黒目さんを起こさないよう気を遣わないといけない。

ここは俺が夜型の生活から朝型の生活に切り替えるしかないだろう。

言葉にするのは簡単なことだが、これを実践するとなるとなかなか難しそうだ。

ただ、今のごみ溜め以下の職場を去った後は、俺も黒目さんと同じような出勤時間になる可能性が高いし、今のうちから慣れておくのは悪いことではない。

そう考えておこう。