以前綴ったモームの「お菓子と麦酒」の通読回想の際、タイトルに「○○と○○」が付くものは、ニュアンスが秀逸だ、という様な私見を展開させていただいたのであるが、先日オークションにて静かな競合いの末入手したのが、野尻抱影さんという方の「星と傳説」という本である。



 これまで全く知らなかった作家の方であるが、もうこのタイトルを見ただけで、ロマンティックな響きがあったもので、一も二もなく蔵書してしまった。

 主に星座に関するエピソードのようで、めくると分かる、昔の角川文庫の薄くつやつやした紙の質感が心地よく、これからであろう、無限の宇宙空間に瞬く冬の星座を思い描きながら読んでみるのもいいかもしれないと独りごちる。