[中村]やっぱりその体が動く、身体能力があるっていうことが、
岡田さんに、この役をお願いした、
まあ、理由のやっぱり一つだったって言ってたんですけど、
ここまでやるとは、思ってませんでしたね。
[司会]例えば?
[中村]まず一つは、馬、乗馬ですね。その走るのはね、
言ってみれば暴走しちゃえばスピードが出ちゃうのかもしれないですけど、
ちゃんとコントロールして、うまくここでピタッと止まるとか、
この上をピョンと越えられますよとか、
まあ、こんな事まで出来るんだ~みたいな、
ま、本当はもっと出来るって、仰ってるんですけど、
そこまでやらなくて結構ですって言ってるくらいなんで。(場内・笑)
[司会]じゃあ、あの馬のシーンっていうのは特殊撮影じゃなくて、
本物を撮ってるわけですか?
[中村]そうですね。岡田さんが、こう馬に乗っていて、
ヒョイと飛び越えるとCGの馬に変わるっていう瞬間があるんですけど、
その、ヒョイっと飛び越えてるのって、別にほとんど岡田さんは
カメラは真下に、この土の中に入れて、それを馬が飛び越えているんで、
ほとんど岡田さんは映ってないんですけど、あれも御本人でやってるんです。
[司会]岡田さんは、あの、演じるにあたって、
分厚い人間に見える様に~というような事を言ってますが、
これをちょっと御説明してくれますか?
[岡田]そうですね、あの~、元々、絵を見たんですよね、
官兵衛像っていう絵があって、
それが、本物が、え~と、福岡のほうにありまして、
その絵を、こう、お寺で見せて頂いた時に、
あの、ビックリしたのが、まず胸板が相当あつかったっていう、
もうビックリしたんですよ。
ま、絵なので、写真ではないので、実際はちょっと、
もうちょっと(~実物より)大きく描いているとは思うんですけども、
[岡田]あのぅ~、知謀に優れている官兵衛、
元々文学が好きでっていう事の、
「軍師といえば」~といわれるイメージ像って、
僕もやっぱり持っていて、そんなにこう、
動くのが得意ではなく~っていうことを思っていた時に、
その、、絵を見た時に、、、
「わっ、胸板でかいなぁ~」っていう、
さすが戦国時代に生き抜いた男だなぁと、
まあ、座っている、絵なんですけど、
僕が思っている官兵衛像っていうのも、ちょっと、こう、、
偏っているのかもしれないなぁと思う部分もあって、
で、割と、その台本では、そういう動けない官兵衛になって、
正直、いたんですけど、
あのぅ~、僕が、無理矢理というか、、、
あの、何か現場で変えて、
「アクティブ官兵衛」に、どんどんしていっちゃったんですよね。
その、動く・・ということも。
それはやっぱり、幽閉ということもあって、
体の自由が利かなくなった時に、
官兵衛はどう、それを深くとらえて、どう思っていくのか?っていう、
後半、爆発する為に、どう前半を作っていくか?
~ということもそうなんですけども、
やっぱり武将としての、色々、こう、兼ね備えている、
「核」というか、そういう物が、すごくあって、
それがこう欠けてきた時に、きっと軍師として完成する、
竹中半兵衛殿も亡くなってしまいますけど、
竹中半兵衛殿が、、いたら軍師としてここまでなってるかっていうと、
僕は、分からないなぁって思っていて、
竹中半兵衛がいなくなって、越えられなかった竹中半兵衛を、
思い描いているから、人は成長していくというか、
そういうこう人間らしさ~というか、
そういうのもキッチリ、演じれたらいいな~と思いますし、
やっぱり人物としての作り方としても、
家臣との信頼関係であったり、人との在り方であったり、
こう、いろんな方向からいろんな面で見える、
いろんな人が官兵衛のことを、
こういう風に思うっていう面があると思うんですよね、
それを、どっかの部分では、
絶対、当てはまる様に演じれたらいいなというか、
あのぅ~、「ちょっと企んでる男でしょ」と思う方にとっては、
例えば三十何話くらいでは、そういう男に見えたり~とか、
違う風に思っている方にとっては、こういう風に見えたりとか、
いろんな風に見える「分厚い官兵衛」が作れたらなっというのが、
僕のチャレンジではありますけどね。
[司会]そういう黒田官兵衛像をね、
多くの日本中の皆さん方に知らせたいなぁ~という風に思いますが、
戦いに勝つということが、
まあ、そりゃあ、戦い人なんだから戦いに勝つことは目的なんだけど、
ただ勝つんじゃなくて、なるべく、味方の損害を少なくし、
それだけではなくて、敵の損害も少なくするという、
こういう戦い方を彼がしたということですよね。
[岡田]そうですねぇ~、やっぱり、命をこう、つないでいくということが、
ま、生きるテーマではあると思うんですけど、
その中でやっぱり、そういうこう命の大切さとか、
城主としての自分の言葉一つで家臣達の命も守っていくとか、
そういうのを覚悟を背負って生きていく人なので、
それを、こう、読み解いていく・・・っていうのも、
「歴史の面白さ」なのかなって思ってますけどね。
>信長や秀吉と出会い、いよいよ軍師としての才能を開花させていく、
>岡田さん演じる、黒田官兵衛。
>そんな官兵衛に、大きな困難が待ち受けていました。
>仲間の武将が敵方に寝返り、説得にあたった官兵衛は囚われて、
>一年もの間、狭い地下牢に幽閉されるのです。
>やがて救い出される官兵衛。
>しかし、その姿は大きく変わってしまいます。
>この官兵衛、最大の転機を、
>岡田さんはどの様に演じていくのでしょうか?(ナレーション)
[司会]さて、あの、例えば、この岡田さんの言う、
その「アクティブ官兵衛」とかね、あるいは、あの、
アフター有岡城の官兵衛の後半とか~いう、例えば立ち振る舞いで、
これはこうしようとかね、これはこうせにゃいかんかとかね、
自分に課している所、ありますか?
[岡田]今、実は、左足がすっごい痛いですし、
はい、やっぱりあの幽閉にむけて、
ま、僕の思い込みかもしれないですけどね、(場内・爆笑)
そうなんですよ、なんか~幽閉にむけて、
足が、こう、動かなくなるっていう設定があるんですよね。
それを演じるって考えていると、本当に痛くなってくるんですよ。
膝が痛いなっていうので二カ月くらい過ごしてますし、
思い、、、自分がこう役をやるっていう事で思い込んで、
そればっかり考えて(~いると)、
そういう風に体も反応してくるというか、
そういうのはやっぱり、演じる上ではありますねぇ・・・。
[司会]はぁ、あるのかもしれませんね、そういうの。
[岡田]ずっと考えてますんで、尋常じゃないくらい考えていると、
そういう風になってくるっていうのはありますよね。
[司会]で、幽閉一年間ですけれど、ゲッソリするんですけど、
そういうのはどうするんですか?
[岡田]ちょっと前までは、かっぷく良くする為に体重あげてたんですよ。
だいぶ上げてて、たぶん皆さん、これから観て頂く回くらいからは、
どんどん、僕、太っていくので、(場内・笑)
前後して、あ、このシーン痩せてるなぁとか、
このシーン太ってるなぁっていうのは、
どうもこう、順番に撮れないので、
今は、だいぶ、ちょっと幽閉にむけて絞ってるんですけど。
[司会]しかし大変ですね、撮影の為に体重をこう、無理矢理調整するとなると、
プロデューサーなんて鬼の様に思えるんじゃ?
[中村]・・・。(ぺこりと頭を下げる)
[岡田]そうですねぇ~、鬼ですねぇ~、鬼っていうか、(場内・笑)
まあ、でもそれが大河の難しさというか、
映画であれば、その期間まで、ちょっと空けてもらって、
ゲッソリして行けるんですけども、
やっぱり大河は時間との勝負なので、十何話分、一気に。
今でも、十話分くらいの台本はいつも持ち歩いて、
前後しながら撮りますので、
あのぅ、中々、そういう風に難しいので、
スタッフが、ゲッソリ痩せさせてくれる~というか。
[司会]本人も痩せるけど、スタッフも痩せますよね?
[岡田]スタッフも痩せますね。(笑)
[中村]まあでも本当に、最初は子役でしたけど、
15歳から始まって、59歳で亡くなるまでの、
45年間を、演じて頂かなくてはいけないので、
それをまあ、要するに一年間の撮影でやんなきゃいけないんで、
まあ、要は「人生、はや回し」しながら、
バッと撮っていくみたいな形になりますんで、
どうしてもそのぅ、太ったり痩せたりみたいな所の表現っていうのが、
本当は、御本人はもっと、順番に撮っていければ、
もっと時間があれば、そういう、もっとやれるんでしょうけれど、
そのあたりは、時間との戦いっていうこともあるんで、、、
(ここで話しの流れが微妙に変化。この後の話しから想像するに、
この後、共演者を紹介するコーナーあったが、放送ではカットされた?と推測。)
[岡田]そうですねぇ、大河という、その長くやってきている、
スタッフの力っていうのも、すごく大きくて、
一年間、、、僕たちは一年二カ月、同じ現場で共に戦っていくっていうのも、
こう、スゴイことなんですよね。
やっぱりこう、あの~、朝から晩まで、ずっと毎日、一緒にいて、
ホント家族の様になっていきますし、
その中で、どう現場をより良い物にしていくのか?っていうものは、
皆、こう、スタッフもキャストも、
気を使って、撮影にのぞんでいるっていうのもありますし。
[司会]十四カ月同じ仕事っていうのは、
無いかもしれませんもんね、あんまりね。
[岡田]そうですねぇ~、でも、なんか不思議と、
そこにも「殿」って書いてあるモノを持って頂いたりしていますけど、
(「殿」と書かれたウチワを持った客席の映像)
現場で、あの~、自然と役名で呼ぶ~というか、
僕も現場で「殿」と呼んで頂いてますし、
とにかくこう、現場も、役柄も、みんなの、
たくさんの方に導かれて官兵衛は成長していきますけど、
そういう現場なのかなっていうのを、みんなに導かれて、、、
先程の、名優の役者さん達に導かれて、
僕も一年間、役割を通せたらなぁと思ってのぞんでますけどね。
[司会]さあ、いよいよ、中村さん、
今後、どういう展開になって、見所はどこか?と、
差し支えのない程度で、触れ込みをお願いしたいと思います。
[中村]官兵衛がですね、信長、秀吉と会うのは1575年、天正三年ですけど、
ここからですね、その、本能寺の変までの七年間くらい、
これがやっぱり官兵衛と秀吉のコンビにとって、やっぱり、一番、、
戦国時代の、このコンビ物としては、
一番、優秀なコンビが、一番、苦労もして、
ヒドイ、ワルイ、ツライ目にもあってですね、
この七年間くらいが、
「本当にこんな事が起こるのか?」っていうくらいですね、
まあ、いろんなことが起きる七年間ですので、
ここをですね、うちのドラマでも本当に、
こうスゴク、ねちっこくですね、
あのジックリと、描いていこうと思ってます、
で、特に官兵衛について言えば、
まあ、やっぱり、幽閉というですね、大きな出来事があって、
それも単に幽閉されるっていうか、これがやっぱり、
信長の世の中というのが正しいのか、正しくないのかみたいな、
その大きな、信長さんっていう人は、やっぱり、
(彼の~)革命について来れなくなってくる人間が、どんどん出てきて、
少しずつ裏切り者が生れる、まあ、それは最後は、
結局、光秀が、ついにそれに成功してしまう。
~という事があるわけなんですが、
その中で、信長を支え続けた秀吉、
その秀吉~を、ついていった官兵衛の、この二組の物語、
まあ、二人だけの物語では、勿論ないんですけど、
やっぱり、一番、もり上がってくる所ですので、
歴史の表舞台で官兵衛が、本当に天下取りにむけて、
グイグイいくっていう、
まあ、その中で、幽閉っていう大変な経験もするという、
ま、何処が見所っていうか、前から本当に見所満載という風に、
これからずっと続いていくと思います。
[司会]そうですか。その中村さんの話しを受けて、
官兵衛!!!!抱負を・・・。
[岡田]ふっ、はは。。(下を向いて照れ笑い)
[司会]あ、そう、『殿』か、、抱負を。
[岡田]ああ、殿ですか、ありがとうございます。
そうですねぇ~、あの~、
やっと、あの現場も第二部と呼ばれる、幽閉が始まって、
「やっと変われるね」って、
みんなで、こう話しをしている所なんですよね。
それまでは結構、こう、真っ直ぐな、まっとうな、こう、
言い換えると「ピュア」に、
真っ直ぐに生きようと思っている官兵衛が、色々こう、
人々に導かれながらも大人になっていった官兵衛が、、、
変わらなければいけない瞬間がおとずれたり、
それだけじゃ足りない部分が、後半、おとずれてきて、
「どう、行動していくのか?」とか、
そういうこう、職業としての軍師という職業としても、
「どう極めていくのか?」とか、
そういうのもどんどん後半になっていくと、
色々こう、散らばった物語が一つに、まとまって、
「こんなに成長したんだ、、、官兵衛」って思われる様な官兵衛が、
作れたらいいなぁ~と思っていますし、
・・なので、長く(~聞き取れず~)、観ていただいて、
はい、官兵衛の、生涯を、
応援してもらえたら嬉しいなぁと思ってます!
[司会]いやぁ~どうも、、ありがとうございました。(場内・拍手)
>黒田官兵衛、その激動の生涯に向き合う岡田准一さん。
>乱世をしたたかに生き抜いていく、より深みのある人間像を、
>岡田さんはこれから演じていきます。
>大河ドラマ「軍師官兵衛」。
>岡田准一さん、迫真の演技を、どうぞお見逃しなく。(ナレーション)
▼軍師官兵衛:第13回 小寺はまだか 第1幕