岡田准一が語る大河ドラマ「軍師 官兵衛」
~スペシャルトークin姫路~ 2014年3月21日(祝)放送。
【出演】主演:岡田准一、制作統括:中村高志
【司会】松平定知
[司会]姫路での撮影もあったかと思いますが、
この地の印象を教えて下さい。
[岡田]自分が仕えていた所は、ここなんだ・・とか、
書写山でも撮影をさせて頂きましたけど、
たくさんの場所で官兵衛が、あのぅ、生きていた息吹とか、
そういうのを感じながら、
撮影をさせてもらうっていうのもありますし、
やっぱ「大好きな、街」ですよね。
みんな優しいですよね。はい、はい・・。
[司会]たまりませんよ、きっと聞いた瞬間。(会場内・拍手)
[司会]あの、中村さんうなずいてらしたけど、
播磨地方の、そのロケっていうのは何回もあったと思いますが、
色々、やっぱお世話になるでしょうね?
[中村]もう、駅に降り立った瞬間から、すごく色々な所に横断幕があったり、
合子兜(ごうすかぶと)のマークがあったりとかですね、
非常に勇気づけられる~というか、
本当になんか来るたびにホッとします、はい。
[司会]あの、岡田さんは「歴史好き」~だと聞いてます。
戦国時代が好きだっていうじゃないですか。
[岡田]ええ、はい。勝手に、大学行ってないですけど、
専攻は、あの、(会場内・笑)
戦国時代って勝手に思ってます。
[司会]それは、なぜ?
[岡田]やっぱり、あの~、武将としても、
求められる能力が変わっていく時代~というか、
隣から奪って、養っていかなきゃいけないというものから、
経済であったりとか、いろんなもの、
お金を生み出していかなきゃいけない時代に変わる、
前期と後期で、僕は分けてるんですけども、
その、前期と後期では武将の求められ方、居かたというのが、
変わった時代ということで、
時代の激変としては、すごく面白い時代だなと思いますし、
日本を見る上では大事な時期だなぁと思ってもいますけどね。
[司会]岡田さんは、歴史を「空想することが好きだ」ということを
言ってますね?
[岡田]そうですね、歴史はやっぱり空想するものだと思ってますし、
これだけ戦国くらいいくと、
「過程」というのもすごく面白い~というか、
黒田官兵衛でも、やっぱり、
いろんな妄想をさせてもらった武将でもありますし、はい、
やっぱりあの~、ねぇ、、、ふふふっ
たくさん妄想させてもらったっていうのは、
「本能寺の変」を、いろいろ・・、明智を、
明智光秀を操ったのも官兵衛なんじゃないか?と考えたことは、
何度もありますし、
歴史好きな人達にとっては、そこら辺は、こう色々、
「過程っていうのを楽しむ」っていうか、
[司会]いや、本当に僕もそう思うの。つまりね、
あの~、歴史っていうのは空想するところから始まるんですよ。
数字じゃないんですよね。
1600年関が原、1603年徳川幕府・・じゃなくてね、
主人公は「人間」なんですよね。
この人間を主人公にして、資料を基にして、
色々自分なりに岡田さんなりに、
こう想像することが、空想することが、歴史を面白くする。
これはもうまさに「我が意を得たり」ですね。
[岡田]はい、黒田官兵衛という人物は、
あのぅ、やっぱり、ちょっと知っている方々にとっては、
「狡猾」であったりとか、色々と「企みを持つ人物」と映りますし、
やっぱりそういう小説もたくさんあって、多いですし、
でも、すごく深く知っている、あの~、調べていくと、
とても未来にも通じる、考え方を持っていたり、柔軟性を持っていたり、
シッカリとした道徳を持っていたり~するような、
いろんな面で見られるっていのうが、
黒田官兵衛の魅力なのかなっていう風には思いますね。
[司会]本当に彼はいろんな事を考えた男だという風に私も思いますね。
中村さんね、これ「なぜ、今、官兵衛か?」ということですけれど、
[中村]そうですね、あの、すごく現代的で、
何を考えて行動したのか?っていのうが、すごく分かり易い人。
あのぅ~、結構、やっぱり時代劇で困ることっていうのは、
この人どうしてこんな事したんだろうな?とか、
例えば、ものすごいたくさん側室が、
秀吉だったら実は、何十人もいたとかですね、
そういった事が、まあ、ドラマであると、
ちょっとここはよく分かんないから、触れないでおこうよ~
みたいな風なことが、往々にして、よくあるんですけど、
官兵衛の場合は、そういうですね、
「何でこんな事したのかな?」みたいなところが、
現代の視点から見て、あんまり無い人、
やっぱりすごく、現代的に共感できる人物だなぁ~というのがありまして、
それと、あと、その、官兵衛はやっぱり「裏方」ですよね、
「軍師」っていうのは、裏で、一生懸命人を支える、そのまあ、
営利は生れないけれど、プロジェクトをチームとして成し遂げていく、
その影には、やはり官兵衛がいた~というような、その、
まあ、一歩引いて、チーム全体を見るような、
あのプロデューサー的な感覚を持って動く人物~というのが、
今、描くのが、スゴク面白いんじゃないかなと。
[司会]一番の魅力は何です?黒田官兵衛。
[岡田]あのぅ、「軍師」というのも、後半、軍師になってますけど、
こう、前半とかは、全然、軍師ではないんですよね。
一城主として育てられた、トップにならなきゃ、
その場所でトップにならなきゃいけない人として育っていくので、
とにかく生き抜いていくんだ~という事を、
テーマに持って黒田家は進んでいくので、
それをこう、真っ直ぐさがすべて、変えられるというか、
人の心にも届くし、軍師の基本としての、真ん中にあるもの、
命をかけて人を口説いていくんだ~とか、
真っ直ぐ~気持ちさえ伝われば、心を動かせるかもしれないという、
こう、真っ直ぐさというのは大事に演じていきたいなぁと思います。
でも、それ以降は、たぶん、規模も大きくなり、
自分が抱えるものであったり、天下の大舞台に上がっていくので、
それだけ(=真っ直ぐさ)では足りない、
キッチリとした智略であったり、
いろんなものを、こうしていかなくてはいけない~という事が、
前に出てくるんだと思いますけど、
それまでは、真っ直ぐな官兵衛っていうのを作っていくことが、
官兵衛らしいのかな?っとは思って演じています。
>希代の天才軍師とも言われる黒田官兵衛。
>智略と行動力に優れた官兵衛は、己の才覚を活かして信長に仕え、
>秀吉の天下統一では、その実現を影から支えました。
>道半ばでは、裏切られて牢に入れられ、
>幽閉生活をおくるなど、厳しい試練にもあいました。
>岡田さんは、そんな官兵衛の若き日を生き生きと演じています。
>剣術や乗馬に長ける岡田さんは、その経験を役作りに積極的にいかしました。
>画面に映し出されたのは、戦乱の世に悩みながらも成長を遂げる、
>実直で躍動感のある官兵衛の姿でした。
>岡田さんは、どんな思いで役作りに取り組んだのでしょうか。(ナレーション)
[司会]まあ、黒田官兵衛っていうのは、黒田官兵衛そのものが、
彼自身が大変素晴らしいから、
こういう多くの方々が黒田官兵衛ファンになるわけですけれど、
それと同時に、それ以上に、その黒田官兵衛役を貴方がやるから、
岡田准一さんがやるから~という、
こういう部分が非常に大きいと、僕は思うんですよね。
[岡田]僕は、あのぅ~やっぱり、こう役作りで、
全体を人生を演じれるということは、そう他の役では中々無いですよね。
50話を通して演じさせてもらえるっていうことも無いですし、
普通だったら、2時間くらいで、
こう、成長を描いたりとか出来るんですけど、
50話で演じていく時に、僕も歴史好きなこう、スゴク一面があるので、
「黒田官兵衛とは、こうあって欲しい」みたいなのがあったんですけど、
僕が知っている官兵衛像っていうのも、
もしかしたら、こう、後半の官兵衛であって、
前半の若い時の官兵衛っていのうは、
あの自由にやれるんじゃないかと、いうのもあって、
やっぱ、幽閉~「前」「後」っていうので、
官兵衛を分けて演じようとは思って、作ってはいますけどね。
[司会]で、例えばね、日常、岡田さんの周りにいる人達の、
立ち振る舞いなどを見ながらですね、
これは、演技に利用しなきゃいけないな~というような、
そういう様な思いっていうのは、毎日、あるもんなんですか?
[岡田]そうですねぇ~、実は、あのぅ~、僕は体を動かすことも、
インストラクターの資格なども持っていますし、
「居合」もやってるので、例えば時代劇であれば、
ちゃんとこうして座れば背筋も伸びている様に見える~とか、
刀を振る時も、こうした方がいいとかっていうのは、
キッチリ持っているので・・・、
[司会]つまり聞くところによると、重い刀を持ちやすいように、
普段から、あの重さの棒を持ってるとかっていう、そういう様なこと?
[岡田]いや重い、重い棒を持っていますし、
まあ、振る練習は毎日してますし、はい。
ただ、「本当の刀」っていうのを知っている~というのは、
大きいかもしれないですけどね。
あの「鑑賞用の刀」ではなくて、「振る用の刀」って、
すごくバランスがいいんですよね。
刀身と、持っている所のバランスが、丁度いい所にバランスが、
中心がくるようになっているので、
持ったら二点何キロとか、ちょっと重さはあるんですけど、
振るとすごく軽く感じるっていうのが、あの本物の刀というか、
皆さんこう、振って重いな~っていう刀は、鑑賞用の型なので、
そういうバランスとかを考えられてない、
好きな刃(は)に、刃が有名な刃に、好きな柄(つか)を付けて、
こう、バランスが悪いんで、重く感じるんですよね。
本当の刀っていうのは、すごく軽く感じるっていうのが、
実戦で使われる型なので、居合もやっているので。
[司会]中村さんね、このぅ、
体を動かすことにインストラクターの資格を持ってらして、
それから、この普段、こういう鍛練している、
こういう高い運動能力があるがゆえの演技
~ということについての感想ありますか?
[中村]そうですね~、あの、ま、岡田さんにオファーをした時から、
やっぱりそういう時代劇、その、さっき仰っていた座り方、
立ち振る舞いの美しさを持ってらっしゃる、
これはやっぱり時代劇の、すごくやっぱりいい、
あのこう所作ですね、それが出来る、
そして造詣(ぞうけい)が深い、知識が深いということと、
やっぱりその体が動く、身体能力があるっていうことが、
岡田さんに、この役をお願いした、
まあ、理由のやっぱり一つだったって言ってたんですけど、
ここまでやるとは、思ってませんでしたね。
[司会]例えば?
▼岡田准一が語る「軍師官兵衛」in 姫路 ~弐~